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ゴリラの皮を被って  作者: 彩羽やよい


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1ウホ目:ゴリラのごあいさつ

 最近、仲良しのみなさんから「ゴリラ」と呼んでいただいている。

 親しみをこめて、である。

 そうでなければ、今頃大きな声で泣いているところだ。


 私は素敵なお話を読むと興奮して、ドラミングをする。

 素敵なキャラクターに出逢ったときも同様だ。


 念のため断っておくと、本当に胸は叩いていない。

 素敵な音も鳴りはしない。

 文章上でドコドコドコ、などと興奮した様子を表しているだけである。


 けれど、気持ちのうえでは思い切りドラミングをしている。

 そして大抵の場合口角が上がり、ニヤニヤしているか、唇を噛んで我慢している。

 お話を投稿し始めた時は、ミステリアスな創作者を気取ろうと思っていたというのに。

 とんだ方向にすっ転んだものである。


 そうして「好きなものに興奮してドラミングをする、森の奥に棲む元気なゴリラ」を自認していたら、いつの間にか他人にもゴリラとして扱っていただけるようになった。

 なんだか強くなった気分だ。


 人間として生きていると、案外傷つくことが多い。

 森の奥に棲むゴリラになってしまえば、少しくらいのことではへこたれない気がした。


 好きなものには惜しみなく好きと伝えたい。

 それが私というゴリラだ。


 そんなゴリラが日々何を考え、どう生きているか。

 たまに悲しみに暮れるのはなぜか。

 怒りに震えているのはなぜか。


 ゴリラとしてなら、書ける気がする。

 ゴリラの皮を被っていれば、言えることがある気がする。


 森の奥に棲む一頭のゴリラが、ひっそりと綴る。

 そして森の奥へと消えて、気が向いたら、また森から出てくる。

 ここは、そうした場所にしていきたいと思う。

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