↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴリラの皮を被って  作者: 彩羽やよい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/20

14ウホ目:ゴリラと、SとかMとか

 12ウホ目の『ゴリラと長距離走』で、ゴリラは追い込まれるのがわりと平気だと書いた。

 ではゴリラはマゾなのかと聞かれると、否定はできない。

 だからといってゴリラが誰にでも痛めつけられたいかというと、そういう単純な話でもない。


 ゴリラは自分を追い込むのが好きだ。

 もう無理だろというところまでやってみて、苦しくなる。

 なんでこんなことしてるんだ、と思いながら、それでもやる。

 これはまあ、Mっぽい。


 しかしゴリラは、相手を追い込むのも嫌いではない。

 もちろん、相手が嫌がっているのに、無理やり何かをするという意味ではない。

 相手が「これくらいならいける」と言っているなら。

 「じゃあ、もうちょっといけるね?」と背中を押したくなる。

 ゴリラパワーでぐいっと。


 ゴリラはMなぶん、相手に奉仕したい気持ちが強いのだと思う。

 だから「思い切りやってくれ」と言われたら、ゴリラはたぶん躊躇しない。

 なぜならゴリラは、頼まれた以上は全力を出したいからである。

 ゴリラはそういうところだけ妙に真面目だ。

 だからゴリラは、たぶん両刀なのである。それも極端な。


 ただし、ゴリラには苦手なタイプのSがいる。

 いわゆる「自称ドS」というやつだ。

「俺ってぇ~、ドSってよく言われてさ~、女の泣く顔とかめっちゃ好きなんだよね」

 とか言ってくるくだらんタイプの人間のことである。

 だいたいそういうやつは、それを口癖のように繰り返す。


 Sって、相手を傷つけたり怖がらせたりすることそのものが目的なのだろうか。

 ゴリラは、そうは思わない。


 相手がどういう反応をするのかを見極め、相手が何を望んでいるのかを読む。

 そして「じゃあ、こうしてあげよう」と思う。

 そこにSだのMだのという分類が、あとからついてくるだけなのではないだろうか。


 本当に強い人は、わざわざ「俺はSです」などと自己申告しないのではないか。

 必要なときに必要なことをして、相手の反応を見る。

 そこでやめることも、もう少しやることもできる。

 そういう人のほうが、ゴリラはずっと怖い。

 そして、たぶん好きだ。


 結局のところ、相手の意思を無視して「俺はSだから」と振る舞う人が、ゴリラは苦手なのだろう。

 ゴリラ自身は、相手が何を望んでいるかを見たうえで、「それじゃあ、ゴリラがやりましょう」となるタイプだ。

 相手が望むなら、全力で応えるし、嫌ならやらない。

 もういいと言われたら、ちゃんと止まる。


 つまりゴリラのSは支配欲というより、相手の望みに全力で応えるためのものなのだと思う。

 ゴリラのSは、奉仕型Sなのである。


 そしてゴリラは、自分も追い込まれたいし、相手も追い込みたい。

 やっぱり両刀である。

 ゴリラはそりゃもう、欲張りなのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。