↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴリラの皮を被って  作者: 彩羽やよい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/20

13ウホ目:ゴリラとおうまさん

 ゴリラは小さいころから、馬が好きだ。

 大きくて、すべすべしている。しっぽとたてがみはさらさらしている。

 触れるとはっきりとわかる筋肉と、動物らしい熱。

 人を乗せてくれたり、荷物を運んでくれたり、昔から人間のために働いてくれている。

 そして何より、あの優しい目が大好きだ。


 見てるのも好きだし、乗せてもらうのも好きだ。

 お馬さんのあの大きな背中に乗って、地面がふっと遠くなる瞬間のドキドキ。

 お馬さんが歩みを進めるたび、身体を揺さぶられる。

 それなのに、どこか安定していて、不思議と落ち着く。

 たまんないのである。


 お馬さんの背中に乗せてもらっているときは、

「あー今このお馬さんが全部嫌になって暴走したら、私はなすすべなく落下して、大怪我で済めばいい状態になるんだろうな~」

 とか考えている。


 そう、お馬さんにはそれだけの力がある。

 ゴリラなんて、ちょっと蹴られたらたぶんおしまいだ。

 それどころか、乗っているゴリラを振り落とす気になれば、いつだってやれる。

 そんな力を持ったお馬さんが、私のようなもんを背中に乗せて、大人しく歩いてくれる。

 ちゃんと人間のことを見て、こちらの指示を聞いてくれる。


 すっごい。お馬さんてすごい。

 ただ大きくて強いだけではない。

 大きくて強くて賢くて、人間を受け入れてくれる。

 この「圧倒的な力を持っているのに、こちらに力を振るわない」というところに、ゴリラは弱い。


 餌をあげるのも好きだ。

 大きなお顔を突き出して、ちょうだいちょうだいとにんじんをねだる。

 なんてかわいらしいのだろう。

 ちょっとお顔が崩れるくらい歯をむき出しにしてねだる子もいる。

 さっきまでのクールな表情はどこへいったのだ。

 でもそれもかわいい。その落差が良い。

「おい早くよこせよ」

 と言わんばかりに厩舎の扉を蹴る子だっている。

 バーンとすごい音が響く。ちょっと怖いけどそれはそれで最高。


 お馬さんはかわいくて、かっこいい。

 優しいけど、ちゃんと怖い。

 その全部が好きだ。


 人間よりずっと大きな身体を持っていて、人間よりずっと強い力を持っている。

 それでも、人間を背中に乗せてくれる。

 にんじんを差し出せば、ものすごい顔でねだってくる。

 たまに扉も蹴る。

 そういうところまで含めて、ゴリラはお馬さんが大好きだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。