アメリーは大商人
笑いが止まらない。あぁ、商機を捕まえたというのこういうことね。テレジア、貴方は私の一等星よ。
「ねぇテレジア、貴方の商品を売らせてくれたら、醤油や味噌を配達できそうなんだけど」
「あぁいいわね~、お願いするわ」
大会直後の疲れた貴方を手玉に取るなんて楽勝、やったわ私。
「テレジアの姿絵、テレジアの髪留め、エトワールを模したアクセサリー……ぐふふ」
実は、決勝戦に進出する前に、もう商品準備してたけどね。これが飛ぶように売れているの!!
「あぁこれでライオネル公爵閣下から許可を頂ければ、さらに売り上げは倍増、さらにドンっ!!だったのに……」
怖くて聞けなかった。こっそりテレジアに許可を取るぐらいまでが限界だと商人の勘が告げている。
武闘会の興奮冷めやらぬ王都では空前のテレジア流行だ。どこに行ってもテレジアの強さと美しさを称える話題ばかり。今秋、王女を題材にした舞台も開催されるらしい。もちろん、舞台協力は我がモンフォール商会ですわぁ。
もちろん、ただの宣伝塔として扱うばかりではないわ。私だって、あの決勝戦に感動した者の一人。テレジアにはとっておきの労いを商会から送らせていただこう。
「まぁ、ライオネル公爵閣下が勝つってのは読んでいたけど……まさか魔法まで受け止めきるとは想像以上だったわ」
あの日の控室、テレジアと話しながら気づいた僅かな可能性が当たっていたのだろう。
ライオネル公爵閣下は、人の心を読める。
恐らく、私が持っている鑑定眼スキルの最上位かそれ以上。天から与えられた才能かもしれない。だから、私の嘘を見抜けたし、戦闘でのテレジアの行動も筒抜けだったのではないだろうか。真偽は本人に聞かないと分からないが、面と向かって聞ける人はいないだろう。
「まぁライオネル公爵閣下への商品も対策済みだけどね……」
ずばり、テレジア等身大彫刻だ。
アメリー嬢、少しやり過ぎではないか。これはこれはライオネル公爵閣下、思った以上に需要が高まっており私共も扱いに悩むところでございました……ところでこれは最初で最後の一品にしようと思っておりますテレジア王女の彫刻像でございます。これはモンフォール商会に飾ろうと思っておりますが……。この商人めが、言い値で買おう。ありがとうございますっ。
ってなもんだ。売れなくても、これこそ正に宣伝塔。お店の守り神ってところねっ。
……まぁ、家に友達が四六時中いるってのも微妙な感覚かもしれないけど。
よろしい、よろしい。全ては売上のため。
「それにしても、テレジア。少し燃え尽きている感があるのよねぇ。何か気分を上げるものを送ってあげよう、ふふ」
我がモンフォール商会に用意できない品なんてありませんわっ!!




