表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】最強捜査官イーサン ――完全犯罪を暴く行動分析チーム《オラクル》  作者: 久茉莉himari


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/41

【25】五分で消えた天才。〜宇宙人を確かめるという脅迫〜

イーサンのアパートメントに着くと、イーサンはセシルを起こし、自分の部屋へと向かった。


それから、セシルのアパートメントには自分が荷物を取りに行くから、リストを作って欲しいと言った。


セシルは何の疑問も持ってないようで、恐縮しながらリストを書くと、イーサンに渡した。


セシルのリストは、驚く程少なかった。


仕事用の着替えが三セットと、靴が一足だけだ。


セシルは、普段着はチャールズが今回の出張前夜にくれたお泊りセットを使うしと、屈託なく言った。


だが、イーサンは本が一冊も無いことが気になった。


それを訊くと、セシルは恥ずかしそうに、

「S.A.G.E.の元のオフィスの本を、まだ全部オフィスから運んでないので」

と答えた。


そうしてイーサンは、一時間も掛からずセシルのアパートからリストの洋服と靴を取りに行って、ついでに夕食も買って帰った。


セシルはイーサンに言われた通り、鍵の掛かったイーサンのアパートメントの部屋に籠もっていた。


それから、イーサンは自宅と同じフロアにある空き部屋へ、セシルを案内した。


その部屋は元々S.A.G.E.の持ち物で、イーサンは丁官に事前に許可を得ていたのだ。


セシルは、

「僕の部屋より綺麗に掃除されてます!」

とはしゃいでいた。


イーサンは荷物と夕食を渡すと、防犯セットの仕組みの説明をし、明日の朝、7時30分にうちに来るようにと言った。


セシルはにっこり微笑み、「はい!」と答えた。





翌朝、セシルは時間通りに、イーサンの部屋の玄関をノックした。


イーサンの狙い通り、セシルはイーサンに送り迎えしてもらうことを、『同じ場所から出発して帰る、合理的な手段』くらいにしか思っていない。


そうして二人で、オラクルのオフィスに入る。


まだ課員も、まばらにしか出勤していない。


イーサンは一直線に、中二階の自分のオフィスに向かう。


そしてオフィスに入ると、まず照明のスイッチを入れ、鞄をデスクに置いた。


それから、ガラス張りのオフィスのブラインドをリモコンで全開にする。


セシルはデスクに着き、ファイルを捲っていた。


イーサンもデスクに向かい、衛星電話を鞄から出すとデスクに置き、パソコンを立ち上げ、山積みのファイルから一冊を抜き取り、書類を書き始める。


イーサンが自分のオフィスに入ってから五分後。


いつも通り明け放たれているドアがノックされた。


イーサンは書類から目を離さず、「どうぞ」と応える。


「少しよろしいでしょうか?」と、エレノアの声がする。


「何だ?」と訊くイーサンは、未だ書類から目を離さず、記入を続けている。


エレノアが遠慮がちに答える。


「セシルから、チーフに渡してくれと頼まれまして」


イーサンが顔を上げると――

エレノアが書類用の箱を抱えて立っていた。


イーサンが立ち上がり、エレノアから書類箱を受け取ると、エレノアが「失礼しました」と言ってオフィスを出て行く。


イーサンが静かに蓋を開ける。


イーサンは我が目を疑った。


箱の中には、セシルのS.A.G.E.のバッジと、愛用している短剣ダガーがホルスターごと入っていたからだ。


イーサンが反射的に窓からセシルのデスクを確認する。


デスクには、誰もいない。


イーサンが「エレノア!」と声を上げる。


エレノアが慌てて戻って来る。


「何でしょうか?」


「セシルは何処だ!?」


イーサンの迫力に、エレノアがビクッと肩を竦めながら答える。


「……あの……チーフの命令で調査に行くと言って、オフィスを出て行きましたけど……」


イーサンが鋭く言う。


「セシルとの会話と行動を正確に話せ」


エレノアが即座に口を開く。


「セシルは、チーフに直ぐに渡してくれと言ってその箱を私に渡し、チーフの命令で調査に行くと言って、オフィスを出てエレベーターに乗りました。

以上です」


イーサンの厳しい声が飛ぶ。


「君はセシルを追え。

この建物から出ていないか、確認しろ。


セシルを見付けたら、俺が呼び戻していると言って、どんな手を使っても良いから連れ戻せ!」


「はい!」


エレノアが駆け出して、イーサンのオフィスを出て行く。


イーサンは素早く衛星電話を掴むと、短縮ダイヤルを押した。





チャールズの衛星電話が鳴る。


チャールズは、バッグの一番上に置いておいた衛星電話を取り出すと電話に出た。


「はい、チーフ!」


「ハーパー、今、何処だ!?」


珍しく焦ったイーサンの声に、チャールズが慌てて答える。


「エレベーターの中です……って、今六階に着きました!」


「よし、君のオフィスで落ち合おう」


「はっ、はいっ!」


チャールズが慌ててオフィスに向かうと、ドアの前には既に書類用の箱を持ったイーサンが立っていた。


チャールズが無言でキーパッドに手をかざす。


カチッとした音と同時に、イーサンがドアノブを掴み、素早くチャールズのオフィスに入る。


チャールズもイーサンに続いてオフィスに入ると、ドアを閉め、鍵も掛けた。


イーサンは書類用の箱をデスクの空きスペースに置くと、チャールズを見た。


イーサンの鋭い眼光に、チャールズが思わず震える声で言う。


「何なんですか……?」


「セシルが消えた」


「はあ!?」


「これを見てくれ」


イーサンが蓋を開けた箱を指差す。


チャールズが恐る恐る箱の中を覗き込む。


そしてチャールズは目を見開くと、「何これ!?」と叫んだ。


イーサンが静かに話し出す。


「君にも話した通り、俺は今朝セシルと一緒に出勤した。

そして俺は、自分のオフィスから、セシルがデスクに着いたのを確認してから仕事を始めた。


そこにエレノアが、この箱を持ってやって来た。

箱の中身を見て直ぐにセシルを確認したが、姿が無かった。


エレノアによれば、セシルはこの箱を、俺に直ぐに渡してくれと言ってエレノアに渡し、自分は俺の命令で調査に行くと言って、オフィスを出てエレベーターに乗って行った。


その間、五分だ。


どんな小さな事でも良い。

何か心当たりは無いか?」


チャールズが素早くデスクに着くと、パソコンを立ち上げる。


華麗にキーボードを叩きながら、チャールズがパソコン画面に向かって言う。


「チーフ、まず怒らないって約束して下さい」


「何か知ってるのか?」


「約束!」


「分かった。

君が何をしていようが怒らない」


「あのですね〜」


チャールズが画面を睨み付けながら、キーボードを弾き続ける。


「実は、セシルの裸の画像を送って来たストーカーの最低野郎の存在を、チーフに聞かされてから、セシルのスマホだけじゃ無く、オラクルのセシルのデスクの固定電話も記録してたんです」


「それで?」


「セシルのストーカーの件を聞かされた金曜日には、仕事関係の電話だけ。

土日は何も無し……そして……出た!」


「何だ?」


「今朝の8時24分20秒に着信がありました!

時間は約30秒!

内容は……今、再生します!


『宇宙人をあと何人確かめたいか知りたいのなら、今すぐオラクルを辞めて、セレニス国際空港に行け』


以上です!」


イーサンが頷く。


「……そうか……そういう事か。

だからセシルは、スマホだけは持って行ったんだな」


チャールズがガバッとイーサンに向かって振り返る。


「どういう事ですか!?

それにこのメッセージ、意味不明なんですけど!?」


イーサンのアイスブルーの瞳がギラリと光る。


「いいか、これから三時間以内に、一度だけセシルのスマホの電源が入るだろう。

君はその位置を特定してくれ。


それから、セレニス国際空港の全ての監視カメラに、セシルが映ったら分かるようにしておいてくれ。

どんな方法を使っても構わない。


それと、この電話の発信元は?」


「……えーと……セレニス・ベイの議事堂裏の公衆電話です!」


「そうか。

じゃあ全員を会議室に召集しろ。

君も来い」


「え!?

俺も!?

あ、はい!」


イーサンはそう言うと、あたふたしているチャールズを残し、足早にオフィスを出て行った。

こまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

次回も読んで下さると嬉しいです☆

毎日17時更新☆


Xはこちら→ https://x.com/himari61290

自作のキービジュアルやキャラクターカード貼ってます♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ