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いつも側にいてくれたね  作者: 摘美花-ツグミカ-
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幻のデート **夏芽**

坂野くんとデートを約束した日曜日。


梅雨の季節には珍しく快晴。


青空がとても綺麗な朝。


10時ぴったりの時間にメールが入った。


『今高田さんちの近くのコンビニにいるんだけど、もう来れる?』


坂野くん、もう着いたんだ。


私もデートするために早起きして準備はできていた。


『今から行くね』


私は坂野くんにメールを打つとスマホをカバンに仕舞い、靴を履く。


初めてのデートが楽しみで仕方なかったのに。


直生と遥生の言い合いがあってから坂野くんのことを考えている余裕がなくなってしまって。


今日のデートで坂野くんとお付き合いするか決めようと思っていたけど心のどこかで坂野くんとのお付き合いは断りたいと思うようになっていったの。


あの2人は結局仲直りしたみたいだけど、私には一切何も話してくれなかった。


あの時たしかに私のことで直生が悩んでいる、って遥生は言ったよね。


それが何なのか、私が何かしてしまったのか。


2人のことを考えても何も思いつかないまま、坂野くんとのデートの日を迎えてしまった。



玄関を出ると門の前に直生が立っていた。


「夏芽、おはよう」


「おはよう直生。そんなところに立ってどうしたの?」


「夏芽、今日のデートは行かないで欲しい」


「どうして? 直生は私を応援してくれるって言ってたじゃないの」


「本当にごめん。それでもやっぱり夏芽には僕たちと一緒にいて欲しいんだ」


「直生、急にどうしたの」


生まれた時からずっと一緒に過ごしてきたんだもん、直生のことは良く分かっているつもりだよ。


でもこんなことを言う直生は初めてだった。


あの時の2人の話し合いの中で何かがあったことが原因でしょ。


「うん、分かった。デートはお断りするよ。その代り、直生と遥生の話をちゃんと聞かせて」


直生は少しの沈黙のあと、静かに私に約束してくれた。


「そうだよね、夏芽はずっと気にしていてくれたもんね。今日これから話すよ。夏芽の部屋で話せるかな」


「遥生は? 一緒じゃなくていいの?」


「遥生はさっき出掛けてしまったんだ。だから僕から夏芽に話したい」


直生から何か大切な話をしようとしていることが伝わってきた。


私は坂野くんに今日のデートをお断りしようとカバンからスマホを出し、メールの画面を開いた。


するとそこには坂野くんからの新規メールが入っていて、


≪高田さん、急で申し訳ないんだけど今日のデートはやっぱりなしにしてくれるかな。本当にごめんね。それと告白の返事ももう要らないから。高田さん、お幸せにね≫


えっ? あんなに楽しみにしてくれていたデートなのに。


坂野くん、どうしちゃったんだろう。


告白の返事は要らないとかお幸せにとか。


意味が分からなくてしばらく坂野くんからのメールの文章から目が離せなかった。


それでも坂野くんからお断りのメールが来たから少し気が楽になった。


私はスマホをカバンに仕舞いながら、


「じゃ、私の部屋に行こう、直生」


直生からどんな話をされるのか全く分からなくて、私は緊張していた。

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