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婚約破棄されて捨てられた令嬢ですが、隣国の冷徹皇帝陛下がなぜか私を離してくれません!?  作者: Atelier Lotus


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第202話 奇跡の祝福

 皇宮・大聖堂。


 白竜皇夫妻から祝福を受けた会場は、なおも興奮と感動に包まれていた。


 その時、一人の人物が静かに祭壇へ歩み出る。


 大聖女ミュゲ・ジプソフィル。


 世界を魔王の脅威から救った伝説の大聖女である。


 その姿を目にした参列者たちは、再び息を呑んだ。


「大聖女様まで……」


「今日は、なんという日だ……」


 誰もが、自ら歴史の証人となっていることを実感していた。


 ミュゲは穏やかな笑みを浮かべながら、エルンストとミアの前へ歩み寄る。


「お二人とも、ご結婚おめでとうございます」


「どうか、国民を愛し、互いに支え合う皇帝と皇妃でいてください」


 その優しい祝福の言葉に、二人は深く一礼した。


「ありがとうございます」


 大聖堂は温かな拍手に包まれる。


 やがて司祭が静かに告げた。


「それでは、誓いの口づけを」


 エルンストは優しくミアを見つめる。


 ミアも少し照れながら微笑み返した。


 二人は静かに唇を重ねる。


 ――その瞬間だった。


『やったぁーーっ!!』


『おめでとう!!』


 感極まったリリとアルが、思わず魔法を暴発させた。


 無数の火花が青空へ舞い上がり、


 柔らかな風が色とりどりの花びらを巻き上げる。


 舞い散る花吹雪は大聖堂を優しく包み込み、まるで天から祝福が降り注いでいるかのようだった。


 突然の奇跡に、参列者たちは騒然となる。


「な、何が起きた!?」


「奇跡だ!」


「まるで神々の祝福ではないか!」


 その中で、ミアだけがくすりと微笑んだ。


「妖精たちからの祝福です」


 その言葉の意味を理解できる者はいなかった。


 それでも誰もが、その光景が二人の門出を祝う奇跡であることだけは感じ取っていた。


 誰にも見えないリリとアルは、涙を浮かべながら笑い合う。


『幸せになってね!』


『絶対に幸せになれよ!』


 二人の祝福は誰の目にも映らない。


 それでも確かに、エルンストとミア、そしてヴァイスラント帝国の新しい未来を、優しく包み込んでいた。

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