表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイレンスキラー 〜動物すら殺せない転生公爵令嬢は、やがて救済の暗殺者となる【サブストーリー更新中】  作者: 八ッ坂千鶴
第1部 サブストーリー集

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/99

第90話 レイの前世

 狩りから帰ってきた姉のレイラ。その後、『この人数では狩猟が間に合わない』と言われ付き合うことになった。


 私はティアを連れて行こうと思ったが、彼女は満腹のご様子。


 ここはレイを連れていくしかない。


「レイ。これから狩りにいくんだけど……」


「狩り? 楽しいのか?」


「ま、まあ……」


 まだ狩りの楽しさを理解できていない私。だけど、今回は十数人規模。


 たった一匹の兎だけでは到底間に合わない。かと言って、また魚というわけにもいかない。


「おめぇが楽しいと思うなら行く。思わないならいかない。それだけだ」


 レイはそういうと、どこから出てきたのかわからない小銃を磨いていた。


 彼は銃。彼も銃。持っているのも銃。この小銃をどう使うのか。


「私は正直楽しくない」


「ならついていかな……」


「だけど、みんなの笑顔が見られるのなら、私は食材を集めたい」


「……。正直に言う。オレはおめぇの召使でもなんでもねぇ。それを踏まえた上でやれ」


 レイが立ち上がる。そして、私の後ろを歩きだした。


「ミカエラちゃん、どこ行くの?」


「ちょっと狩りへ」


「わかった。自分は待ってるね!」


 ミリアに見送られ私はレイラと合流した。


 三人で森の中へと入っていく。そこは木々深く、日光も差し込まない。


 こんなジメジメしているとは思わなかった。


「ミカエラはあっちの方でお願い」


「わかった。じゃあお姉ちゃんは反対側で」


「ええ」


 私はレイに指示を出す。すると、彼はプイと反対側を向いた。


 彼は単独行動がしたいらしい。だけど、私の指示無しでは成功率が下がる。


「レイはついてきて」


「やだね。オレはおめぇの召使じゃねぇってさっき言っただろ」


「そうだけど……」


「オレはいい。それと三つに分かれた方が三倍だろ? オレは食う気ねぇけど……」


 こめかみを指で掻くレイ。それがどこか前世の次男に似ていた。


「わかったよ……。じゃあレイは別行動で」


「あんがとよ!」


 そうして、レイは高速移動で深い場所まで潜っていく。


 一人だけになった私も行動を開始した。


 誰も手助けしてくれる人はいない。ほんの一滴の汗が流れる。


 空間を開き、セリンにヘカートの部品の余分で作ってもらった銃を手に取る。


「この銃は一回しか使ってないけど……」


 私が九歳だった時。仲間のために使った銃。これで沢山の兎を殺したんだっけ。


 だけど、今ではそんな迷いはない。全くではないけど、少なくなっていた。


「よし。行こう」


 私は自分の魔眼を利用して、獲物の場所を探る。ここから数メートル先にイノシシがいる。


「最初のターゲットはイノシシにしよう」


 真っすぐ進む。そして、目的のイノシシを見つけた。


「サイレス ウィンカ トリンショット クリクト」


 私は銃を撃つ。銃弾はイノシシの脳天に命中。しかし、とどめまでには届いていない。


 私は追加の無詠唱で雷魔法を唱えた。そこでイノシシは絶命する。


「よし。一頭目狩猟完了。しっかり処理をして……」


 私はイノシシを空間の中に押し込んだ。


 空間魔法はものすごく便利だ。ここから次の獲物へ向かう。


 今回は勝負ではないけど、レイラに勝ちたい。


「次はこっちの方角に熊がいるみたい。どんどん行くぞー!」


 熊はかなり遠くから攻撃した方がいい。そんな気がする。


 エレンを助けたときは距離的に危険すぎた。


 だから今回は安全圏内からの攻撃で仕留めたい。


「よし。この位置なら……ッ!?」


 ここで私は見てしまった。どうやらレイも同じ獲物を狙っていたらしい。


 だけど、その距離感が異常すぎた。熊との距離数メートル。


 目と鼻の先とも言ってもいいほどの至近距離。


「レイ! 危な……!」


「アセント! ロックオン!」


 レイが持つ小銃から弾丸が発射される。その弾は魔法弾じゃない。実弾だ。


 魔眼による解像度調整、加えて拡大調整。この二つのおかげでそれがわかった。


 こんなところで実弾に出会えるとは。レイの攻撃は止まらない。


「アセント ロックオン ランブル!」


 二回目の詠唱。この場合コマンドと言った方がいいのだろうか。


 彼の強さを知り、私は立ち尽くすことしかできなかった。


「ん? 見てたのか?」


「う、うん……」


 レイに気づかれてしまった。彼の身体には血汚れがない。


 どうすればここまで上手く。そして素早く狩りができるのか。


「レイは狩りに嫌悪感とかないの?」


「ないな……」


「じゃあ、なんでこんなにも上手く狩りができるの?」


「そりゃ、力量の違いだろ。おめぇ転生者だよな」


 レイは何かを知っている。それが怖くなる。


「う、うん。そうだけど……」


「転生には例外がある。それは意識だけが転生した時だ。オレはそれに該当する」


「じゃあ、レイの前世は……」


「そりゃ、狩猟の神だ。一匹オオカミのな」


 だから、レイはここまで立ち回れる。ようやく納得できた。


 私はレイが狩りをした熊を空間魔法に押し込む。だけど、巨体すぎてなかなか入らない。


 なんとか入れることに成功し、レイが他に狩りしたものを見に行く。


「レイはどれくらい仕留めたの?」


 私はレイに聞いてみた。


「んーと、兎を五十匹。もちろん親子は除外。イノシシは三十頭。熊はさっきので十頭目だ」


 このリザルトはすごすぎる。彼がこんなにも……だから『召使じゃない』って言ったんだ。


 レイは自分が狩りしたものを一ヶ所に集めているとのこと。


 そこに向かうと、山が出来上がっていた。私はそれを空間の中へ放りこんでいく。


「これだけあれば問題ないね」


「ああ。けど、なんかなぁ……。久しぶりに動いたから空虚を歩いているようだ」


「もしかして、お腹空いているんじゃない?」


「ち、ちげぇし」


 私たちは最初の場所に戻る。道案内はレイがしてくれた。


 集合地点に到着すると、あまりいい顔をしていないレイラ。


「どうしたの?」


 私は質問をする。


「獲物がどこにもいないのよ。まるで全部狩り尽くされたように」


「あ、多分レイかも」


「は?」


「とりあえず、みんなのところに行こう」


 三人でお墓の方向へ歩く。みんなの方へ戻ると、空間からイノシシを取り出した。


「このイノシシ。誰が狩りを……」


「一匹は私。他は全部レイ」


「レイ?」


 この言葉にレイがそっぽを向いた。まるで『オレは何もやってません』とでも言っているかのように。


 すると、今度はメウスが空間をいじりはじめる。そこから出てきたのは、なんと巨大なバーベキューセットだった。


 異世界でバーベキューとは、なんと斬新なものを……。


「捌くのはぼくに任せて、一瞬で終わらせるから」


 メウスが宣言した直後、私が取り出したイノシシは宙に浮く。


 一秒で皮が剝ぎ取られ、二秒目で肉と骨に分かれる。頭はいつの間にか切り落されていた。


「よし、これで!」


 メウスが叫ぶと、肉は薄切りになってバーベキューグリルの上に乗っかった。


「すごい……」


 ここまで来たら黙ってないのが約三名。エレン。ミリア、ティアの三人。


 焼きあがった肉は全てその人たちの腹へ消えていった。


 ちなみにレイは、今回も一切食べなかった。彼は本当に大丈夫なのだろうか。

読んでくださりありがとうございます


いいねは賽銭箱に大事にしまっておきます

リアクションも別の賽銭箱に入れておきます


星は1から5どれでも大丈夫です


下の評価ボタンからぽちっとしちゃってください!


最高の励みになります!


ついでにぜひブクマもお願いします!


主人公の活躍がみたい方は!!!!!


ぜひ第1話からご覧ください!!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ