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動物すら殺せない公爵令嬢の暗殺者ですが、神様のイタズラで勇者護衛を任されました。魔王討伐をお願いされたけど、正直難しいです  作者: 八ッ坂千鶴
第3章 王都にて

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第25話 次の目的地

この話で半分になります。

 私が目覚めた時には、日は落ちていた。体感時間で九時間は寝ていたようだ。


 初めて聖女としての行動をした。その影響かもしれない。


 いつの間にか私の身体はベッドに横たわっていて、起き上がるとメウスが駆け寄ってくる。


「おはよう。昨夜はごめん……」


「大丈夫。それよりも、メウスとまた一緒にいられるのが嬉しくて……」


「こちらこそ。君はぼくと似てるのかもしれないね」


 メウスは身体を伸ばしながら、私が寝ているベッドに座った。私が解呪したことで、動けるまで回復できたみたい。


「メウス。退避している時に私が質問してたことだけど……」


「あ、アルバス王のことね。彼なら大丈夫。侵入者が来る前に避難させたから」


「じゃ、じゃあ、私やシリルさんと一緒にいたアルバス国王は……」


「ぼくが作った偽物だよ。声に関しては、本人の口の動きに合わせるリアルタイムトーク。ただ、今回は計算外だったなぁ……」


 そう言いつつ、メウスは使わなかった聖水を手で掬い、一気に飲み干した。私の血が入っている金色の聖水は普通の人には濃すぎる。


 だけど、神だからできることなのだろう。かなり気に入っているのか、本人は喉が渇いたタイミングで飲んでるらしい。


「この聖水。昔飲んだのに近いね……。まさか二度も飲むことになるとは」


「二度?」

 

「うん。何年前だったかな? 君より前の聖女とも同様なことがあったんだ。つまり、ぼくが瀕死状態になったのは初めてじゃないってこと!」


「いや自信持って言わないで貰えます?」


「えへへ」


 メウスのテンションは異常に高い。彼にアルバスの場所を聞くと、エレンの実家で籠ってもらってるようだ。


 次に向かう場所はエレンの実家に決まった。


「これじゃ、金稼ぎもできねぇな……」


「どうしたんですか?」


「いや、俺たちがいるベルンライト領以外に行けなくなっちまったんだよ……。武器の材料は十分あるが……」


「難しい状況……」


「ああ」


 悔しいのかセリンは赤くなった鉄板を強くハンマーで叩いた。瞬間火花が散る。メウスはその様子が不安なのか……。


「セリン。そんなムキになったら、失敗するよ?」


「まあな……。一旦休憩すっか……」


 一発で気持ちを鎮めさせた。そういえば、エレンが私の髪のことを言っていた気がする。


 私は改めて姿見の前に立った。白銀の髪は黒く染まり、そこから邪悪な魔力を感じる。きっと、メウスにかけられた呪いだ。


 だけど、私にはメウスが受けていたような苦痛はなかった。いつの間にかメウスが隣に立っていて、私の髪に触れるとバチンという音がする。


「しばらく、ぼくはミカエラに触れられそうにないね……」


「どうして?」


「ぼくは神様だよ? 魔族の魔力とは相性が悪いんだ。今のミカエラには魔族と同系統の魔力がまとわりついている。だから、ぼくが触れると弾かれる」


「は、はぁ……」


 メウスのベラベラ喋る解説に、頭を抱えていると、別の視線を感じる。

 

「復活したら、ミカエラの隣で寝たかったんだけどなぁ」


「メウス! ミカエラさんは僕のものですからね!」


 また始まった。メウスとエレンによる私の取り合いが。正直言って大迷惑なんだけど……。


 だけど、私から魔族の魔力が抜けるまでは、エレンが私を独り占めすることになる。


 そのため、メウスは諦めモードだった。


「メウス。この髪治るの?」


「うん治るよ。その代わりしっかりケアすれば、だけどね。髪を洗う時は聖水を使うこと」


「それだけでいいの?」


「正確には、黄金の聖水だけどね。別にぼくのを使ってもいいんだけど……。さすがに男の血が入ってるのはまずいでしょ」


 メウスは楽しそうに話しているけど。さっき魔族の魔力と神の魔力の相性悪いって言ったよね?


 でも、血は大丈夫ってことは間接的だからなんだと、そうして解釈しておくことにした。


「早い方法はどちらですか?」


「それは……ぼくの血を混ぜた聖水だけど……」


「いや、メウス。それはやめた方がいい」


「セリン?」


 セリンの割り込みにメウスが振り向いた。


「今のミカエラ嬢の髪はカモフラージュできる。早い段階で元に戻せば、見つかる可能性だってある」


「なるほど。ナイス! さすがはマイフレンド!」


「ただの腐れ縁だけどな」


 セリンは言い捨てるように放った。メウスは、『そんなぁ』と期待はずれと言わんばかりに嘘泣きをした。


「そういえば。セリンさん。私のヘカートは?」 


「できてる。ちぃと待て」


「はい」


 セリンはバックヤードに入っていく。少しすると、私の愛銃が出てきた。だけど、フォルムが少し違う。


 無駄な部分が無くなったというか。ものすごくスッキリしている。


「明らかにメウスが一人で作ったもんだってよ。余分な機能付けすぎだぞ」 


「ごめんなさい……」


 受け取ると、明らかに軽い。構えれば、扱いやすさが向上したことがしっかりわかった。


「セリンさん。ありがとうございます」


「そりゃどうも。ついでにこれも持ってけ」


 セリンは、拳銃よりも少し大きめな銃を持ってくる。私が問いかけると、これはヘカートの余分な部品で作った魔導銃らしい。


「しばらくヘカートは持たない方がいい。戦う時はそっちを使え」


「わかりました。ヘカートはメウスに預かってもらうことにします」


「それが一番いい」


 私はヘカートを台に乗せた。メウスがそれを受け取り、神の世界に一度戻る。帰ってくると、早速出発の準備が進められた。


 シリルが同行してくれるらしいけど、敵の数がどれだけいるかすらわからない。もう一人欲しいけど、セリンは戦闘に不向きとパスした。


 その時、天から一筋の光が落ちてくる。ドアをノックする音が聞こえると、間もなく開いた。


 中に入ってきたのは、金髪で体格のいい男性。メウスは怖気付くように後退していく。


「あ、アダム先輩!?」


 大声で叫ぶメウスに、金髪の男性アダムは鬼の形相で睨んでいるのがわかった。これは、ヤバい予感しかしない……。

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次回、メウスの上司再登場!!!

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