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暗殺者なのに動物すら殺せない公爵令嬢ですが、神様のイタズラで勇者の護衛を任されました。魔王討伐をお願いされましたが、正直難しいです  作者: 八ッ坂千鶴
第3章 王都にて

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第21話 国王の部屋にて

不足分一部追加

 エレンに案内されてやってきた王城。彼が城の門番に話をすると、すぐに通してくれた。最初に国王に会うことを勧められた。


 城の入口を入った先には、前庭が広がっている。小さな噴水の周りには、多種多様な花が植えられていた。


 そこをさらに進むと最初の廊下に続く道。絨毯はブルーになっていて、気持ちを爽やかにしてくれる。


 国王の部屋へ入る前に、中庭を見せてもらう。前庭にあった噴水よりも大きいものが一つ。周囲には白いベンチが複数置かれている。


「エレン。ここがおじいさんの家なの?」


「うん。そうですよ」


「すごいね……」


 私はこの場所の一番すごいところへやってきてしまった。対してメウスは、何も不思議そうな顔一つせず歩いている。


「そろそろ国王のいる部屋です。僕のおじいちゃんがいる部屋ですね……」


「もしかして……」


「はい。そのもしかしてです」


 大きな赤い扉。そこをエレンが開けると、玉座の間に足を踏み入れる。奥の方には、エレン同様華奢な身体をした男性が座っていた。


「ただいま戻りました。おじいちゃん」


「エレン心配したぞ。でも、無事戻ってこれたようで何より。共に入ってくれた人は、エレンの友人かね?」


「はい。銀髪の少女がミカエラさん。白髪の少年がメウスさんです」


 エレンは国王に私たちを紹介してくれた。国王は玉座から立ち上がり、近くにやってくる。


 少し大柄で恰幅のいい国王は、体格に反して優しい顔をしていた。彼がこの国を支えていると知ると国民からの支持が気になる。


「その銀髪。もしやブライアントの血を引く者か?」


「え、あ、はい……。母がブライアント公爵家の五女です……」


「となれば、フラン令嬢の子か……。いい父を持ったな。大層褒められたのではないか?」


「ま、まあ……。褒めすぎなくらいですけど……」


 国王は一歩下がり背を向けると、ゆっくり玉座へ戻っていった。背中には赤いマント。服は青を基調としたもの。


 王と言えば王冠だけど、国王は王冠を身に着けていない。まるでこれが自然体とでもいうような、私服感覚の容姿だった。


 そういえば、まだ国王は名乗っていない。来客への立ち振る舞いしかしていない国王に対してエレンは頭を抱えるそぶりを見せて切り出した。


「おじいちゃん。まずは挨拶でしょ? いくら僕の友達って言っても、馴れ馴れしくて恥ずかしいよ……」


「そうであったな。我が名はアルバス・ベルンライト。エレンの祖父だ。ミカエラ嬢。メウス殿。この度は私の孫が世話になった」


 その後、国王アルバスは私たちを来賓用の寝室に案内してくれた。だけど、ここで久しぶりに事件が起きる。


「おじいちゃん。ミカエラさんとの別室は嫌です」


「ぼくも!」


 今度は、ベッドの取り合いが始まってしまった。どちらも私と寝たいらしい。これは本当に困りものだ。


 そんな中でも、アルバスは端から端まで気を利かせてくれた。大客間にダブルベッド二つ並べて、ベッドの隙間に布を挟む。


 特大の四人ベッドを作ってくれた。これにはエレンもメウスも大喜びで、私の取り合いが激化せずに済んだ。


「では、夕食にしましょう。案内します」


 今日はエレンに案内されてばかりだ。彼の案内で、食事をする部屋に入る。様々な香りが立つ空間。


 人数分の料理が置かれているが、エレンの席だけ量がおかしい。私やメウスの倍はある。


「エレン、今日も朝とお昼を沢山食べてたけど……。この量大丈夫なの?」


「うん。大丈夫。というよりも、まだ少ない方だよ」


 エレンの席には、シチューが小さな鍋ごと、ライスも二人前から三人前ほどあり、一番機になったのが、パンの数だった。


 私とメウスはそれぞれ大きいのが一つ。対してエレンは大きいのが五つ置かれている。これは、普通じゃない。


「早くしないと、シチューが冷めちゃうよ」


 メウスが待ちきれないとでも言うように、フォークを持ち上げる。私もスプーンを持って、シチューを掬った。


 口に入れると、ミルクの風味がほんのり広がる。もう一口。もう一口、気がつけば、半分食べていた。


 エレンの様子が気になり顔をあげると、彼はパンをシチューにつけて食べている。私も真似すると、さらに味が深まった。

  

「エレンこれが少ないって……」


「ですね……。普段はこれより少し多く食べてる。この前朝から'チーズナンを食べるって言ってましたよね。いつも二枚食べるんですよ」


「朝から二枚も」


「はい」


 エレンの大食漢ぶりには、完全に負けてしまう。そんな彼にものすごく対抗心を燃やすのが、メウスになりつつある。


 メウスは少食――多分――なはずなのに、エレンの食べる量を見ると、沢山食べようとする。それはそれでいいのだが……。


「なにこれ……。お腹が重い……」


「メウス。こういうのを食べる時は、必ず計画的に食べないとですよ」


「エレンに言われたくないやい!」


「あはは」


 今日も今日とで色々あった。食事を終えた私たちは、それぞれお風呂に案内される。お風呂はものすごく大きく、これも規模が違った。


 私は一人でお風呂に入った。今頃ヘカートはどうなっているのだろう。愛銃がないというのがものすごく寂しい。


 入浴は短めに済ませ部屋に戻ると、エレンとメウスが腕相撲で遊んでいた。どちらも負けず劣らずで、接戦が繰り広げられている。


「そろそろ寝るよ」


 私が二人に言った。すると、気が散ったのか、エレンの負けで終わる。三人してベッドに潜り布団を被ると、これまでのことを振り返った。


 明日は何が起こるのだろう。それが今から楽しみで仕方ない。

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次回、エレンの先生登場?

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