↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第2部開始!】サイレンスキラー 〜動物すら殺せない転生公爵令嬢は、やがて救済の暗殺者となる  作者: 八ッ坂千鶴
第2章 死刑囚と本当の形

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

116/118

第116話 大輝の基本データベース

 前庭に集まって数分。


 シリルによる分析が始まった。


 私の仲間で参加するのは、エレン、ティア、零。


 もちろんシリルも入っている。


「大輝は単独での参加だよね」


「まあそうだな……」


 その顔は、自分ひとりでも余裕と言っているようだった。


 たしかに過去が剣豪だった彼なら簡単かもしれない。


 それだけなら、大輝は勝手に攻略している。


 でも、今回はラディルが集めたメンバー。


 彼にはきっと、邪魔でしかないかもしれない。


「大体で数百人規模……か……」


 大輝は小さなため息をつく。


 どうやっても、決定権のない彼には枷でしかない。


 それでも、これはラディルが決めたこと。


 私だって、こんな人数がいたら的を探すのも一苦労。


 むやみやたらに殺したくないし?


 というのもあるので、私はできるだけ大輝の隣を陣取る。


 そして、大輝はエレンの様子を見る。


 メウスは戦場に参加はしない。


 その代わり、上空から戦況報告をしてくれることになった。


 たったそれだけでも嬉しくなる。


「以上で、ボクからの説明と、行動順位を終わります」


「ありがとうございます!」


 これから解散し、戦場の定位置につく。


 戦いが始めるからと、列が乱れ始めた時だった。


 大輝がゆっくり手を挙げる。


 シリルが彼を指名して発言権を付与。


 突然のことだったので、列はバラバラのまま皆立ち止まる。


「俺はこの状況であれば単独で十分だと思っている。だが……」


「だが?」


「戦場へ出る前に全員のデータを集めたい」


 そう言うと、大輝は右手の人差し指と中指をそろえ突き出した。


「ブラドレア」


 彼の指に赤い螺旋が絡まる。


 全部血だった。それを大輝は自分の中に取り込む。


 やはり私の推測は合ってたんだ。


 彼は味方の血を覚えることができる。


 そして、その情報に関連した行動抑制が付与される。


 からの。彼が滅破の壊毒を使用した際の状況といえば。


 血のデータによって行動抑制された行為全てが制限されということ。


 きっと、その血のデータによって優先順位があるのかもしれない。


 となれば、大輝が太鼓判を押している私の血の順位は一番上だったりして。


 いやいやいや、彼の親戚には負けているはず。


「よし、情報は覚えた。アルウールバゴダ」


 私たちが聞いたことのない詠唱をする大輝。


 すると、彼の身体から再び赤い螺旋が渦を巻く。


 兵士全員に血が戻っていったようだ。


「大輝。さっきの言葉って?」


「バルダ語だ。意味は確か……」


「〝元に戻せ〟だね」


「メウス?」


 突然顔を出したメウスが翻訳してくれる。


 彼はこの言語も理解しているんだ。


 そもそも前世で母国語だった大輝が知らないなんて……。


 アルウールバゴダが〝元に戻せ〟。ならその逆は?


 思考では言えるけど、口に出してみると正しい発音なのかわからない。


 実際、舌が回らなくて口内炎ができそうだ。


 口内炎知らずの兄が羨ましいよ……。


「血のデータは一度取れば問題ないんだ」


 それってつまり、長期記憶ができるということらしい。


 すると、城からラディルが出てきた。


 彼女の手には一振りの大剣。


 それを持って、大輝の前に立つ。


「大輝。いいえ、ダイン・ルーディス。貴方の素質がどれくらいなのかを示しなさい」


「は?」


 それはこちらも『は?』と思ってしまう。


 ラディルは薄々気づいているのか、いないのか少し遠回りをしていた。


 その後彼女は大輝に剣を渡す。大輝も眼が点状態。


「ラディルさん。この剣は……」


「貴方がかつて使用していたダインレヴェナント。それと同様の効果を持つ魔剣。けれども、その剣はいわくつきの暴走刃です」


 それを大輝が、今のダイン・ルーディスが使用できるか。


 ラディルの意見はそういうものだった。


 大輝はその柄を何度も握りしめ感触を確かめている。


 しばらくして、軽く振り始めた。


 大きさからして、大輝の頭から膝上までの大きさ。


 非常に大きく重量もありそうだけど、彼は片手でブンブン回す。


 本当に血しか口にしてないのに、これだけの力を発揮するなんて……。


 きっとどこかで盗み食いをしている。


 私は大輝の眼を見た。そのまま視線で訴える。


「ちょ。ミカエラ。なんで見るんだよ……」


「大輝。本当にラディルさんとの約束を守っているんでしょうね?」


「ま、守ってるって。昨日はあの後ラディルから受け取った血を樽ひとつ飲んで。そのまま爆睡だった」


「今朝は?」


「今日の朝は、樽半分飲んだ。本当にそれしかしてない」


 瞳孔が少し揺れているが、問い詰めるほどではない。


 ただ少しだけ圧に負けているだけ。嘘はついていない可能性が高い。


 それと同時に、大輝の腹が鳴る。


 こうなったらと、私はメウスのベルトからナイフを取り出した。


 大輝に座って口を上に向け開くよう伝える。


 こんな大勢の場所でするのは、少し恥ずかしい。


 だけど、たったこれだけで満たせるなら。


 左手首をナイフで切る。そこから垂れる血を大輝の口へと流し込んだ。


「やっぱり、ミカエラの血は美味いな……」


「あのさ。大輝はどういう基準で味を判断しているの?」


「さあな。それより今は防衛だろ? 早く治療して来い」


 大輝はすっかり満腹になったみたいで、戦う気満々。


 そんな彼が不思議に見えてしまう。


 美味しい血だけで、元気になるということが。


 戦いの準備は整った。これから戦場に……。


「ミカエラ。壊毒使用の許可をくれ」


「はいはい。早急対応が必要だから出しますよ……。だけど使用するのは戦場でね」


「頼んだ」


 改めまして、戦場に向かいます!

読んでくださりありがとうございます


いいねは大事にしまっておきます

リアクションも入れておきます


星は1から5どれでも大丈夫です


下の評価ボタンからぽちっとしちゃってください!


最高の励みになります!


ついでにぜひブクマもお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。