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3話 残された雪女と金髪の女
『(こっそり泳いでここから離れた? いえ、海中であたしに気づかれず逃れるのはほぼ不可能。なら…………?)』
水を操る彼女にとって水中は己の掌の様な物。水中を掌握する彼女に気づかれる事その場を離れるのは本人の言うとおり極めて至難である。
だが、そこで彼女は思い出す。
数瞬前、我が身を掠め海面を突き破り己が支配する空間の外へと飛び出していった巨大な物体の事を。
『なるほどねぇ。さっきの大剣、初めからあたしを狙ったものじゃあ無かったって訳』
足元から現れ、敵を貫くために浮上してきたと思われた氷の大剣。しかし真の狙いは相一を引っ掛け、彼を海上に運び出す所にあった。
氷柱の策にまんまと引っかかった形になる金髪の女。
それでも彼女はあくまでもそのマイペースを崩すことは無く
『まぁどのみち海の上には変わらない訳だし、ここにはあたしの手足となる水が無尽蔵に溢れてる。それにあたし、邪魔が多い程燃える質なのよぉ?』
100人男がいれば100人全て虜にしそうな妖艶な笑みを、一人海中に残った氷柱に向けた。




