第七十五話 異世界野菜たっぷりシチュー
昨日休んだのでスッキリしましたー(*´∇`*)
また無理のない程度で執筆活動スタートしていきます。
投稿をお休みする時は活動報告の方にできるだけお知らせできるようしますので、よろしくお願いします。
「ただいま」
リンダさんが玄関の扉を開けると同時に、縁についた扉鈴が鳴る。リンダさんに連れられ、歩くこと約30分。街中は平坦な道ばかりだったなので道中苦労することもなく、俺たちはある木造の一軒屋の前にたどり着いた。
「お、お邪魔します~!……」
扉を開けたリンダさんに続き、俺とケンジも玄関からお邪魔させていただく。
すると上から誰かが、ドタドタッ!と走る音が聞こえた。上から降りてきたのはケンジと同じ位の歳の子で男の子で、可愛らしい小さな足音を鳴らし、リンダさんの姿を見ると階段を素早く駆け降りてきた。
「リンダお姉ちゃん!おかえりなさい!!」
「ただいま、リック」
階段を降りきると同時に勢いよくリンダさんの胸の中に飛びつく男の子。リンダさんもそれを迎えるように抱きしめ返す。
リンダさんのその時の表情は今まで見た淡白な顔とは違って、優しい顔つきだった。リンダさんの初めて笑ったを見て俺も思わずドキッと心臓が高鳴ってしまった。美人って、やっぱすげぇな。
「リンダお姉ちゃん、この人たちは……?」
後ろにいた俺たちに気づいたのか、金髪の男の子がじっとリンダさんとそっくりなアーモンド色の小さな目でこちらを見てくる。
「新しく冒険家ギルドに入ってくるポチさんとケンジ君よ。今日一日ここに泊まることになったの。ポチさんケンジ君、弟のリックです」
「り、リックです……。こんにちは」
リンダさんの足に隠れながら、突然の来客の俺たちにもじもじとした様子で挨拶するリック。おぉー、まだ幼くてあどけない感じだけど、どことなく見た目と顔つきもリンダさんにそっくりだなこの子は。流石は姉弟と言ったところか。
「よろしくな、リック。ほら、ケン。今日一日、この家でお世話になるんだからお前も挨拶ぐらいはちゃんとしろ」
「う、うん」
俺がそう言うとケンジはリックの目の前に立つ。そう言えば始まりの村の子以外の子と話すのはこれが初めてか、ケンジにとっては。
「ヒムラ・ケンジ、です。よろしく……」
生まれて初めて始まりの村以外の子と初コンタクトをとるケンジ。聖霊王祭で優勝までしたというのにまだこういうのには馴れていないのかまだ緊張気味だ。
「リック、せっかくだからケンジ君にこの家を案内してあげて」
「うん、わかった!」
すると、リックはケンジの前に小さな手を広げる。
「行こう、ケンジ君!」
「でも……」
ちらりとケンジは振り返り、俺のことを気にしてくる。まったく、そんなもん一々許可なんぞ俺に求める必要もないのに……。しっかり者は気を使いすぎるからいかんな。
「ほら、子供は子供同士。行ってこい、ケン」
「!うんッ!!」
俺がそう背中を押してやると嬉しそうにケンジは俺に卵を預け、リックの手を取って一緒に階段を駆け上がっていき、あっという間にと二階へと遊びに行っていった。うむ、大変元気があるようでよろしい!
その元気な背中姿を見守った後、俺は隣に立つリンダさんに話しかけた。
「悪いなぁリンダさん。ケンのことで気使わせちっまって……」
「いえ。私もリックを一人で留守番を任せてしまうことが多いので同い年のケンジ君が遊んでくれると助かります」
「こちらの方にどうぞ」っと言われ、リンダさんに案内された場所は、食事などを食べる共同スペースで約10畳ぐらいの部屋には日常品に使われそうな机や椅子などの家具や道具などが置かれていた。黒い卵は地味に重かったので、悪いがソファーの上に置かせてもらった。
「そろそろ夕飯の準備をしないと……」
確かにもう外は茜色に染まっており、丁度お腹も空く時間だ。そう言えば今日は戦ったり、逃げたり、話したりの3拍子でお昼をちゃんと食べていなかったな。あー!なんか気づいたら俺も急にお腹が減ってきたぞ!
「でも、何を作ろうかしら?」
両手に野菜を持って、今晩のメニューを考えるリンダさん。俺も食材が入った材料箱を覗いた。なになに……野菜は取り合えず一通りあるっぽいけど、肉は干し肉以外なさそうだな。後は木の実に酒。そして、瓶の中にたっぷりと注がれている白い液体。これってもしかして……。
「これは……?」
「それはモーモータロスという牛のモンスターの乳です。私の叔母夫婦が牧場をやっていて、いつも新鮮な牛乳を分けてもらえるんです。でも、リックは牛乳が苦手で……野菜もあまり好んで食べませんし」
「はぁー……」っと好き嫌いが激しい子供を持つ母親のように頭を悩ませ、溜息をつくリンダさん。
野菜と肉と牛乳……。そして、リンダさんの話も聞いて俺は子供も好きで同時に野菜も牛乳もたっぷりと使い、一杯食べてもらえる、なんとも一石二鳥なある1つのメニューが頭に思い浮かんだ。
よし、今日はシチューでも作ちゃおう!
「リンダさん、ここは俺に任せてもらえませんかね?」
「え?料理をですか……?でも、ポチさんはお客様ですし」
「いやいや!こっちこそただ同然で泊まらせてもらうんですから、何か手伝わせてください」
「まぁ、リンダさんがダメっていうなら俺も諦めますけどね?」っと、俺は悪戯ぽっい笑みで浮かべ軽くウィンクするとリンダさんは少し考えた後「……分かりました」と俺に台所を任せてくれた。




