第四十九話 アベシス王国
今回、短めです。すみません。
ぐっすりと眠り、元気になったところでさっさと朝ご飯を済ませ俺たちは早速アベシス王国へとバイクを走らせる。
「おぉ、あれがアベシス王国か?」
「えっ!どれどれ?」
ケンジはひょっこりと後ろから首を出す。
俺たちがいる丘の上からは赤煉瓦の城壁に囲まれた建物や城が見え、アベシス王国を見渡すことができた。
俺はそのままバイクを走らせ、近くの茂みでバイクを止めるとそっと降りる。
「よし、後は歩いてアベシス王国に向かうぞ」
「えっ?なんでバイクでいかないの?」
「そんなことしたら門番たちがびっくりしちゃうだろ」
この世界の住民の反応を見る限り、燃料で動き出すバイクというものはかなり異質の乗り物だ。それで下手に目立ってみろ、そういう便利なものには直ぐに人間は飛びつく。
「それになぁ、ケン。この世界にはこの世界なりのルールがある。俺みたいな元異世界人が下手にあっちの世界のものを見せてみろ。こっちの世界は確かに生活は便利になるかもしれないけど、逆に言うと本来あるべきだった文化や生活が俺のせいで無茶苦茶になるかもしれないんだ」
後、俺の力を悪用しようと主であるケンジに危害が加わらないよう守るためでもあった。
「だから、ケン。お前もむやみに俺が普通のスライムじゃないこと他の人に話しちゃダメぞ」
「うん!」
「よし。それじゃあアベシス王国にレッツゴー!」
俺はケンジと約束をし、徒歩で城門へと向かう。
もうアベシス王国は目と鼻の先だ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
城門にたどり着くと沢山の行商人が巨大な列を作っていた。
「うわぁ…。結構人並んでるね、ポチ」
「仕方ねぇ、俺たちも並ぶか」
検問を受けないと国の中に入れないため、俺たちは同じように検問待ちの行商人たちがずらっと並ぶ列の中に並ぶ。
「次のもの」
しばらくすると俺たちの番となり、俺はケンジとは親子でアベシス王国に観光にきたと門番に説明する。心優しい門番は快く俺たちを国に通してくれた。
「ようそこ、アベシス王国へ!」
ゲームでよくあるお決まりの台詞だなぁ、と思いつつも俺とケンジは無事アベシス王国へと足を踏み入れた。




