表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/21

13、行きましょう!

 レベッカさんが帰ってしまい、それに苦笑している受付のリーフィアさんに依頼の内容について聞くことにした。彼女は僕の家庭教師役のメイドのフィリアさんとドッペルゲンガー(見た目がそっくりであること)していて話しやすい。


 とりあえず、今はDランクの指名依頼に集中しよう。ササッと依頼をクリアして、レベッカさんとのいざこざを解消しなければ。


「せっかく指名依頼にしてもらったのに、すみませんでした」


「いえ、気にしていませんよ」


 顔色1つ変えずに、ほんのりと笑顔を浮かべたまま。人が大勢来る冒険者協会ではいつもの事かもしれない。


 でも、まったく気にされないのも居心地が悪い。ちょっとくらい驚いてくれた方が話しやすい。


「目的地のマートル森林について何か知ってますか?」


「そうですね、最近は不思議なくらい平和になりましたね。あとは、森のはずれに魔物の死体が置いてあったとか、先住民が住んでいた跡が見つかったとか」


「それで、右上に書いているマルチって何ですか?」


「それは、複数パーティーで行うということです。規定の人数が溜まれば、依頼を受けられるんです。」


 マルチ依頼の方が難易度は格段に高い。仲間の強さ、戦い方、性格、それらが分からないパーティーで戦うのだ。ある程度の配慮はしているのだろうが、簡単には連携ができない。


 それに大きな問題がある。僕は人見知りだ。つまり、知らない人だらけのパーティーに入れられたら、隅っこで影になることは容易に想像できてしまう。


 問題なら、いくらでもある。誰が指揮するか、どう戦うか、戦利品の分配、パーティー内でモメる原因ならアチーブメントと同じくらい多種多様にある。


 マルチ依頼か、面倒臭そうだなぁ。僕の直感も溜め息を付いている、面倒臭いと。


「溜め息を付かないでくださいよ。私も疲れてきます」


「そうですね。では、行ってきます」


「気を付けてくださいね」


 そりゃあ、気をつけるに決まってる。僕は冒険者になった初日に死にたくなんか無い。


 それに、竜王様から頼まれたレベッカさんの手伝いをやめる事になったら、死んでも地獄の果てまで追いかけてきそうである。あの、親バカな竜王様なら何でもあり得る。


 背中に感じた寒気を拭うために、冒険者協会から足早に出ることにした。今日は晴れなのに、日差しの明るさに比べて少し肌寒い。それに、ちょっと物足りない、何かを足りないものがある気がする。


 装備は以前から使っているものを持って来たので、このままマルチ依頼の待ち合わせ場所まで行けそうである。




 活気あふれる街中に気疲れしつつも、目的地の噴水広場という場所に到着した。周りにはまだ昼時なのに冒険者がたくさんいた。人見知りの僕にはちょっと疲れる。


 それにしても、僕が受けたマルチ依頼で共闘する人はどこにいるのだろうか。特徴くらい聞いておけば良かった。1人ずつに聞いて回るのも面倒臭いし......。


「マートル森林に行く冒険者はどこだっ!」


 あっ、帰ろう。僕はこの依頼にはついて行けない。


 普通なら、戦えそうな仲間がいることに僕は喜んだはずだ、いや喜ばざるを得なかったはずだ。でも、今回だけは絶対に喜びたくない。だって、僕の目に映っているのは明らかに仲間にするのにはマズそうな冒険者だからだ。


 全身から、俺達不良ですみたいなオーラを出している。5人とも一昔前の不良みたいな服を着ているし、真ん中のリーダーっぽい人に至っては街中なのに頭の上でハンマーを振り回している。


 誰が見ても分かる。あのパーティーは強いのかもしれない。しかし、このパーティーはマルチ依頼を崩壊させるだろう、持ち前のバカさといい加減さで。というか、まだ気が抜けない。マルチ依頼っていうことはまだ他にパーティーがいるはずだ。


「君もマルチ依頼でマートル森林に行く冒険者かな?」


「はい、そうですけど」


 僕が振り返ると、左の腰に白い剣を携えた女の人がいた。その後ろには大剣を持ったのが1人、軽装なのが1人、杖を持ったのが1人。全員とも学生です、と言っているような雰囲気だ。


 フィリアさんに教えてもらった。冒険者の力量を測るには持ち物を見れば良いと。


 ......うーん、何も分からない。でも、仲が良さそうだから大丈夫だろう。


「まさか、1人で?」


「いえ、僕を入れて2人です。もう1人は気分が悪いらしくて」


 気分が悪いと言ったが嘘ではない。気持ち悪いの方じゃなくて、機嫌が悪いという意味である。


「無理してはダメよ。私はエリナ、魔法剣を使うわ」


 この白い防具と白い剣を持ったお嬢様はエリナというらしい。魔法剣は見たことが無いから、ちょっと面白そうだ。雰囲気的にリーダーだろう。


「僕はルイ、一応魔法で戦うことにしてます」


 我ながら、何とも歯切れの悪い言い方だ。まあ、色々できると言っても伝わらないだろうが。


「俺はカイン、見た通り大剣だ。よろしくな」


 このザ・脳筋はカインか。この人が守りの要なのかな。


「私はメイ、あなたと同じで魔法使いだ」


 こっちの子はメイで魔法士か。どんな魔法を使うのかな


「僕はルーク、斥候(せっこう)をしている」


 さっきのカインという人と違って、大人しそうな人だ。


 この4人で、この学生パーティーは全員か。バランスが良い感じにまとまっているけど、盾役が足りないのかな。


 誰も知り合いがいないマルチ依頼の中で、少しでもまともな人がいるというのは心強い。それに、あの不良5人組が何をしでかすか分からない中で、味方になってくれそうな人がいるのは良い事だ。


「さて、行きましょうか」


「そうですね」

まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。


もし面白いなと思っていただけたなら、ブックマーク登録、ポイント、リアクションもお願いします。


ぜひ他の作品も読んでみてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ