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King Colours  作者: TEAM,IDR
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第六話「ドスグロイ正義」

第六話 「ドスグロイ正義」

(主人公 ゴールド1)


 オレは小さい頃から人の心を見るのが得意だった。表情、声色、身振り、心情などは時間と共に流れていく。しかし、人間には流れない芯がある。決して流れることのない芯を感じる取ると言葉の真偽がはっきりとわかる。オレは小さい頃からその「流れ」を感じ取ることが得意だった。


男「助けてくれぇ!もう二度とあんなことはしねぇ!だから見逃してくれぇ!」

ゴールド(あぁ…また嘘だ…。この男の芯は悪に染まっている。もう二度と、善の道へなびくことはない…。)

ザシュッ!!


 悪人を太刀で斬り殺す。何度も繰り返すうちに、「悪に染まった芯」を見分けることができるようになっていた…

それに慣れたころ、ついにはまだ罪を犯していない「悪人」も見つけることができるようになった…


男「むふぇふぇふぇ…。明日、れいちゃんに告白してやるぅ!そして…」

パリィイン!!!

 ガラスを割って、男の部屋に入る。

ゴールド「告白するのにナイフが必要なのか?」

男「な、な、な、なんだお前は!?け、警察よぶ…」

 太刀を向ける。

ゴールド「この女は諦めろ。お前がやろうとしていることは悪だ。」

男「ふ、ふざけんな!れいちゃんとぼくは結ばれる運命なんだ!お前みたいなやつに邪魔されてたまるか!」

ゴールド(あぁ…やはり、なびかないな…。)

ズシャァア!!


 ゴールド(これでいい。何かが起きてからでは遅い。やられる前に殺らなければ、何も護れない。  オレには悪人を見極める力がある。これは、オレにしか出来ないことだ。)

 ブラウンは毎夜、毎夜、風のように空を舞い、悪人を裁いている。絶対に悪を許さぬ、強い正義への思いは怒りと悲しみに溢れたドス黒いものであった…。



ブラウン「……以上が引き継ぎ報告です。あとはお願いします。」

みどり「りょーかい!お疲れ様♪」

雪「わかりましたっ…!お、お疲れ様でした…!」

 ブラウンは日勤の二人に昨夜の業務報告をし、帰る準備をした。

雪「ブラウンさん!」

ブラウン「?」

雪「あの…少し、疲れてませんか?」

 ブラウンはちらと雪の方を見た。雪はブラウンのことを怖がっていた。なぜなら、ブラウンの目は常に怒りに満ちていたからだ。敵意を向けてはいなくとも、その鋭い眼光で見つめられれば良い気はしない。

 本来ならばブラウン達ヒーローは管轄地域の怪獣だけを倒すのが仕事だ。万が一に備えて夜勤はあるが、日の出ていない夜に怪獣が現れることはほとんどない。そのため、事務作業がほとんどになるが、ブラウンだけは悪人を裁く時間に充てていた。雪は本来そこまで疲れるはずのない夜勤をしたにも関わらず、気力を削っていたブラウンのことを気にかけていたのであった。

 ブラウンもそのことはすぐに分かった。しかし、理由を説明するわけにもいかず、誤魔化すほどの器用さも持ち合わせていない。ブラウンは雪から視線を外し、荷物をまとめて去り際に一言だけ言った。

ブラウン「疲れてない…」

 ブラウンは風と共に去った。

みどり「不愛想だよねぇ~せっかく雪ちゃんが心配してるのに。」

雪「ブラウンさん大丈夫でしょうか…。……悲しそうにしてませんでしたか?」

みどり「え?そうかなぁ?いつも通りな感じしたけど…」



 ブラウンは勤め先の経営者であることみが住んでいるマンションの隣の部屋に住んでいた。帰宅しても特にすることはなかった。家にいるときにすることは寝ることくらいであった。気が済むまで寝たら悪人を探して裁くことの繰り返しの日々を送っていた。


何者か「今日も何も食わないのか…」

ブラウン「ああ。必要ない。」

 食事も摂らずに夜の街へと消えていく。ブラウンは8歳の時に「何者か」に取りつかれてから「流れ」を操る力を手に入れた。その力は無限のエネルギーのようで、その力がある限り生命活動に必要なエネルギーには困らなかった。

 ブラウンの体は細くやつれており、眼はいつも朧気で、正義という名の怒りに囚われながら生きていた…。



今宵もまた、闇夜にギラりと輝く正義が悪を斬る…


クチャクチャ……

子供を貪り食う人間


ブラウン「そんなに腹が減っているのか?」

「!?」

ガッ!!

男が振り返るのと同時に太刀を口に突っ込む

ブラウン「なら最後にこれをくれてやる。味の感想は地獄で聞かせてくれ」


ザシュ…!



「昨晩、連続殺人犯の犯人と思われる男性が死体で発見されました………」

「犯人、死んだんだってね」 「誰かに殺されたって話だけどね…」 「自業自得よ…それにしても本当に良かったわ…」 「ほんとね~あんなのがいるかもしれないって思ったら怖くて外歩けないもの…」



ブラウンとすれ違う男


ブラウン「おい…」

「…あ?」

ブラウン「そんな物を持って何をするつもりだ?」

「……??」

ブラウン「人を殺すつもりか?」

「………」

ブラウン「そうか…誰を殺すつもりだ?」

「…………あ~……ま、お前でもいいわ」


ポケットからナイフを取り出し、突然襲い掛かる男

サッ…ズン!


「ぐあああああああ!?」


男の前腕を斬り落とす


「な…なんだよテメェは…!?」

ブラウン「………お前は……変わるつもりはないのか………」

「な…なにわけわかんねぇこと言って……(ザンッ!)



何故そんな酷いことを思いつくのか…何故人の嫌がることをしてしまうのか……

ザン!

どこでどう曲がり…間違ってしまったんだ……

ザシュ!

変えることはできないのか…

ザンッ!

………あぁ……無理だ………

ドスッ!!

こんな奴らに変わる気などない…

ズン!

オレに変える力も…

ズシャ…!

時間も環境も…

ドンッ!!

………これが最良なんだ……

これがオレにできること……オレにしかできないことなんだ……

いつか人間が変わってくれるその日まで…

オレは悪魔にでも死神にでもなってやる…



それでしか救えない人も、たくさんいるから……



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