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King Colours  作者: TEAM,IDR
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第四十話「消えない絆」

第四十話 「消えない絆」

(主人公 ブラック4)


雪「えぇぇえ!!!ハクちゃん、ブラウンさんと話したの!?」

ハク「あぁそうだよ。…なんだよ…なんかわりぃのか?」

雪「…悪くなんてないけど…どうだったの…?ブラウンさん、とてもビックリしたんじゃないかな…?」

ハク「あぁ、最初はちょっと驚いていたが、すぐに分かってくれたぜ。それに、おれとユキが違うってことも分かってくれたから、大丈夫だ!」

雪「そうなの…?本当に…?」

ハク「大丈夫だって!あいつ、物分かり良くてよぉ!おれも…好きになっちまった…///へへ…」

雪「えぇぇえ!!!ハクちゃんも!?」

かみちゃん「あら~~!や~っぱりそうだったのね~!も~~!二人してお熱だなんて、かわいいわね~~」

雪「も~~!かみちゃんも!も~…どうしたらいいの~…」

ハク「お前が早くいかないと、おれが取っちゃうからな~」

雪「だめだよっ!ブラウンさんはわたしが…」

ハク「わたしが~?」

雪「も~~!!」

ハク「はははっ、わりぃわりぃ。でよ…一つ相談があるんだが…あの親父のことだ。」

雪「えっ……」

ハク「ユキ…お前はあんなクズなんかと暮らすよりもあいつと一緒に暮らした方がいい。絶対にその方が幸せになれる…だろ!?」

雪「う……でも……」

ハク「あいつはユキのこと、大切に想ってる。おれ達のことも認めてくれた!今が最高のチャンスなんだよ!」

雪「…………」

ハク「なぁ…おれに体を貸してくれ…。今度、あいつと話す…。そして…クソ親父との決着をつける…!」

雪「っ!?決着ってなに!?お父さんに何かするの!?」

ハク「具体的に何をするのかはおれも知らねぇ…でも…あいつは唯一の方法を知っている。…お前も…あいつのことは信じてるだろ…?」

雪「………うん………」

ハク「とりあえず話すだけだから…なっ?詳しいことはまたあとで話す。だから、おれに体を貸してくれ!」

雪「………わかった……。でも、絶対、わたしに教えてよね?」

ハク「あぁ、分かってる。」


*


ハク「来たぜ……前言ってた…直す方法ってのを…教えてくれよ…」

ブラウン「あぁ……人間…特に考えが固まっている大人を変えるには大きなきっかけが必要だ……。考えが固ければ固いほど大きなきっかけが必要になってくる…」

ハク「そのきっかけってのを知ってるってことか?」

ブラウン「そうだ…と、言っても簡単なことだ…。死ぬか生きるかの極限の状態まで追い込めばいい。考えを改めるか、死ぬか…そのきっかけを与えても直らなければ可能性はない…。」

ハク「……………お前が追いつめるのか…?」

ブラウン「ああ……いつもやっている……」

ハク「いつも……やっている…?」

ブラウン「ああ……オレはこの力を使って悪を裁いている。悪事を働かせる前に…抹殺している。」

ハク「………そっか……。ユキは知ってんのか…?」

ブラウン「いや…知らない…。」

ハク「……ユキには…言うなよ…?」

ブラウン「わかった…。」

ハク「………じゃあ慣れてんだな?お前に、任せていいんだな?」

ブラウン「あぁ……任せて欲しい。」

ハク「……今からやれるか?」

かみさん「!?ちょっとハク!まずはユキに相談でしょ!?」

ハク「こんなこと…!…ユキには言えねぇだろ……。なぁ…もし、もう元には戻らないってんなら…おれに殺させてくれ…」

かみさん「ハク!!」

ブラウン「……わかった…。」

かみさん「ちょっと…あなたまで…」

ハク「かみさん…もう終わらせようぜ…ユキには一生恨まれてもいい……それでもおれは……」

かみさん「ハク………」

ブラウン「……いいのか…?」

ハク「……ああ。…やってくれ…。」

ブラウン「…………」


*


ハク「……ただいま……」

父「てんめぇ…いつまでほっつき歩いてんだ!…買いもんはどうした!!」

ハク「……買い物くらい…おまえが行けよ……」

父「んだと!?このっ…!」

パシィ…! グググ……

父「なんだよてめぇは…?」

ゴールドローズ「なんだはこちらのセリフだ…。なんだこの手は…?」

父「ちっ!出ていけ!警察呼ぶぞ!!」

ゴールドローズ「オレはヒーローだ…子どもに手をあげるような悪を殺しに来ただけだ…!」


クソ親父の目にも、溢れんばかりの殺気のオーラを感じ取れていたようだった。クソ親父はブラウンに圧倒され、力なく後ろへさがっていく。あんなにも強大だと思っていたのが、今やこんなにもちっぽけになっている…。それがなんだかおかしく思えた…。

 そしてゴールドローズは太刀をクソ親父の脚へ突き刺した。


父「ぐぁああああああ!!!!!」

ゴールドローズ「痛いか?」

父「いてぇに決まってんだろ!誰か!助けてくれー!!警察…!救急車!!」

ゴールドローズ「…叫んでも無駄だ。オレ達の音が世界に響くことはない。」

父「……なんなんだよ…おまえは…!?」

ゴールドローズ「言っただろう…オレは悪を斬るヒーローだ…!…お前が感じているその痛みは…この子が受けた痛みの何倍も軽い!…お前にこの子が受けた痛みが分かるか?この子がどれほど苦しんだのか想像したことがあるのか?」

父「うるせぇ!関係ねぇだろ!そんなこと!!」


ドンッ!

 太刀がクソ親父の手を貫き、床に磔になった。


父「ああああああああああああ!!!!!!!……っかはぁ!!」

ゴールドローズ「もう叫ばない方が良い…空気がなくなるぞ?」

父「はぁ…はぁ……あぁ……」

ゴールドローズ「…お前の傷はいいよな…いつか治るんだからな……だが、この子の心の傷は簡単には治らない……お前がこの子に出来ることは二つしかない……」

父「はぁ…はぁ……」

ゴールドローズ「死を持って償うか、生きてこの子に贖うかのどちらかだ……発言を許そう…どうする…?」

父「はぁ…はぁ………生きて贖うって言ったらどうするんだ…?」

ゴールドローズ「…この子が満足するまでは殺さない……」

父「……贖う…贖ってやるよ!だから早く助けろ!死んじまうぞ!!」

ゴールドローズ「……(おれの方を見て首を横に振る)。駄目だな…こいつはもう変わらない。死んだ方がいい、クズだ…!」

父「は!?何言ってんだ…!助けるんじゃねぇのかよ!どっちにしろ殺すのかよ!おい!!雪!助けろ!!何見てる!!早くこいつをなんとかしろー!!!」

ハク「……黙らせてくれ…」

父「……!!!!!!」

ハク「…………そっか……やっぱり……そうだよな……」


 そんなこと…分かっていた…。とっくに知っていたはずだ…。おれ達の話を聞いてくれるようなヤツなら…おれ達の痛みが分かるような人なら…こんなことには……!!


ハク「うっ……うぅ……ぐすっ……」


 無駄だった…!!今まで我慢してきた、あの全ては……全部っ!全部全部全部無駄だった!!!ありもしない可能性にかけて…あんなクズをっ…!信じ続けて!!!


無駄だった…無駄だった…!!!!殺してやる…!!こんなやつ…!絶対に!!!


 おれは優しく包み込んでくれたブラウンの腕の中から出て…戦闘モードに変身した。


ッパァアアン!!


ハク「おれとユキの区別もつかねぇくらいおれ達に興味がねぇんだもんなぁ…!!そりゃ…分かるわけねぇよなぁ…!!……なぁ…コイツごと誰もいない所に連れて行ってくれるか?怒りと憎しみを込めて、爆殺してやる…!!」


*


ゴールドローズ「ここならいくら爆発しても誰かを巻き込むことはない……それに…誰かがいくら叫んでも…誰も来ないだろう……あとは…君の好きなようにやればいい……」

ハク「あぁ…ありがとな……これが終わったら……頼みがある……聞いてくれ……」

ゴールドローズ「…わかった……待ってる……」


ハク「……っふぅ~~……てめぇ…いままでずいぶんとひでぇことやってくれたよなぁ!!」


 腹を蹴る。あいつがおれ達にしてきたように。


ハク「てめぇ…いつも…ことあるごとに、お前のせい、お前のせいって言ってきたよなぁ?おれが何したってんだ?あぁ!?……クソみてぇなツラしやがって……このまま握り潰してぇくらいだ…!」


 掴んだ頭を放り投げ、倒れ込んで地面についた手を踏みつける。


父「んんんんんんんん!!!!!!!」


 猿轡さるぐつわをしたコイツは痛みに悶えることしかできない。血が溢れている。グチャァ…という音が何故か心地よく聞こえる。


ハク「はぁぁ…!!……ずっっとこうしてやりたかったんだよ!!!てめぇが地面を這いずり回り!涙を浮かべながら悶絶する様子をよぉ!!!……オラ…最期に聞いてやる…許して雪ちゃん…!って言ってみろよ…ほら…」

父「はぁ…!てめぇも頭おかしいんだな!!あのクソ売女に似てよ!!クソッ!!!てめぇらのせいだ!!ふざけんな!!!!」

ハク「……母さんのこと言ったか…?クソ売女って誰のことだ…?ああぁ!!!??」

父「はっ!そんなこともわからねぇか?だからあいつに似てるっつってんだよ!てめぇらそろいもそろってバカだな!!」

ハク「もういい!!!母さんのことまでバカにしやがって!!!ぶっ殺してやる!!!」


 盾を振りかざし、コイツをぶっ………


ハク「っぐ…!!……ユキィ……!!てめぇ……!!!!」

雪「………っは!……お父さん!?大丈夫!?」

父「っ!?…大丈夫なわけねーだろ…」


 殴られそうになったが、ブラウンさんが助けてくれた。と思ったのも束の間、わたしは明らかに殺意の籠った右手を止めた。


雪「ブラウンさんっ!やめてくださいっ!!」

ブラウン「っ…!!雪ちゃん!?…どうして…!?」

雪「……嘘…ついてたんだ…ハクちゃん……ブラウンさんも…お父さんを……」

ブラウン「…………コイツは悪だ…それに…もう変わらない…殺すしかない……いや……オレが殺す!!君を…もう不幸にするわけにはいかない!」

雪「不幸ってなんですか!!わたしの不幸を…勝手に決めないでくださいっ!!!」

ブラウン「っ…!!…たとえ雪ちゃんが不幸でなくても……ハクを護る!!」


ガァン!!!

守護の盾が太刀を防ぐ。


雪「くっ…!…どうしてお父さんを殺そうとするんですかっ!?」

ブラウン「オレには分かる…そいつがもう元には戻らない悪だってことが!君たちをこれ以上不幸にはさせない!そのためにそいつはこの世から消す!たとえ君に恨まれることになろうとも!!」


カァン!!

ブラウンさんごと、弾き返す。


雪「お父さんは…変わりますっ!!元の…優しかったお父さんに戻りますからっ!!」

ブラウン「……もうやめろ!そんな在りもしない可能性に懸けるのは!!」

雪「わたしが悪いんです!…わたしの頑張りが…足りないから…わたしがもっと頑張れればっ!絶対変わりますからー!!」

ブラウン「…………どうして……そこまで……なんで…そんなやつのために…そこまで……」

雪「……お父さんが変わったのは…お仕事に失敗したからでしょ…?」

父「……………」

雪「あの時からお父さんはどんどん乱暴になっていって…お母さんも殴るようになって……でも…我慢できないことだって…辛いことなんて…誰にでもあることだと思うっ!お母さんは出て行っちゃったけど…わたしはっ!お父さんの…家族だからっ!!辛い時に一緒に居てあげるのが家族だと思うからっ…!!………お父さんは悪くないよ……休む時間が欲しいだけなんだよ……わたしよりも…辛いはずなんだよ…!」

ブラウン「……大人のくせにたかがその程度の苦痛で音を上げ…子供にまで手をあげた…!その上、反省もせず、変わろうともしていない!!こんなやつに親を名乗る資格などない!!!」


ドン!!ガン!!ガンガンガン!!!

ブラウンさんの怒りが伝わってくる激しい攻撃。こんなに怖いブラウンさんなんて初めて…すごく怖い……脚も震える……ブラウンさんもよく見れない……でも……護らなきゃ……護らなきゃ……わたしが…信じるものなんだから……


ブラウン「…………」

雪「はぁ…はぁ……はぁ……」

雪(怖い……倒れそう……わたし……なんで…護ってるんだっけ……)


*


ことみ「…そう…とても辛い経験をしてきたのね……」

雪「はい…でもっ!きっとこれから良くなっていくと思いますっ…!…そのために…もっとわたしが強くならなきゃって思うんです…。沢山の人を護れるくらい強くなれれば…ちゃんと…お父さんと向き合えると思うんです…あっ!す、すみませんっ!こんな個人的な考えでヒーローなんてしちゃダメですよね…」

ことみ「そんなことないわ!…とっても素敵な考えだと思う。…あなたが幸せになれるよう、私も応援するわ。…今の言葉…忘れないでね…!」


*


雪「……………あの……黄慈さんは…家族だったら…分かり合えると思いますか…?」

黄慈「―――――どちらかが歩み寄ろうとしている場合ならまた変わると思うんだ。どこまで変わるかは分からないけれど、変わろうとしているなら、何かしらを変えられると思うよ。」


*


雪(……わたしは……強く…なりたい……家族を支えることが、できるくらいに…!強くなるために…家族を護るために…『ヒーロー』になったんだ……。)

雪「ブラウンさん!わたしは…わたしは怖くて、お父さんと向き合えていませんでした!でもっ、わたしは…ヒーローになって、皆さんに会って、強くなりました!だから、これからはちゃんと向き合って、『歩み寄り』ますっ!!」

ブラウン「…!!」

雪「だから…わたしたちをっ、信じてくれませんか!?」

ブラウン「……オレが言ったことよりもそいつを信じるのか…?」

雪「っ…!?…ならっ、わたしを…信じてくれませんか?」

ブラウン「オレのことよりも…ハクのことよりも…自分の考えを信じるってことか…?」

雪「………はいっ…!!」

ブラウン「……そうか……なら見せてみろ…!ハクの想いを込めたこの刃を越える覚悟を!!」


 わたしはお父さんを背に、ブラウンさんの激しい攻撃に耐えていました。ですが、やっぱり戦闘経験の差が出てしまい、わたしの盾は弾き飛ばされてしまいました。


ブラウン「…っ!…どくんだ……」

雪「どきませんっ…!」

ブラウン「一緒に斬られたいのか?」

雪「わたしは…大切なものを護ると誓いましたっ!たとえ盾がなくっても…わたしは、最後までこの誓いを守ります!!」

父「雪………」

雪「それにっ…わたしは信じています!お父さんとお母さんの絆を…ハクちゃんやかみちゃんのことを…そして、わたしをヒーローにしてくれたバラレンジャーの皆さんが紡いでくれたこの絆をっ!!!」

ブラウン「……………変わったな……………」

雪「えっ!?」

ブラウン「病院……連れて行かなきゃだろ…?早く行くぞ…」

雪「あっはいっ!」


*


ハク「っよ!」

ブラウン「遅かったな…。」

ハク「わりぃ…時間かかっちまって…」

ブラウン「…………」

ハク「あいつは一応入院するってよ…」

ブラウン「そうか…。」

ハク「………なぁ…お前は…あいつのこと許したのか…?」

ブラウン「……そんなわけないだろ……ただ…少し変わっただけだ……」

ハク「……変わった…のか…?」

ブラウン「ああ……こんなことは初めてだ……だが、これからどうなるのかは分からない。再び悪に堕ちるなら斬るさ…。」

ハク「……そっか……」

ブラウン「……………」

ハク「……おれ…やっぱりあいつが憎い。許せねぇ…。殺せるのなら殺してやりたい……でも…ユキが信じるっつうんなら……仕方ねぇよな……」

ブラウン「…嫌なことがあったらすぐに言ってくれ。オレが君を護るから…」

ハク「っ!!…ハハッ…お前、やっぱ良いやつだな。……なぁ…」

ブラウン「…?」

ハク「他のやつらがどう言うか知らねぇけど…おれは…お前のこと…好きだからな…」

ブラウン「えっ……」

ハク「お前がやってることも…全部ひっくるめて好きだって言ってんだよ……」

ブラウン「…!!…ありがとう……オレもハクが好きだ…!」

ハク「…っ!…へへっ……なぁ…あの時言ったこと…覚えてるか…?頼みがあるって…言っただろ?」

ブラウン「ああ…。」

ハク「その………」

ブラウン「…?なんだ?」

ハク「目…閉じろ…」

ブラウン「?………っ!!」

ハク「へへっ……ありがとなっ!」

ブラウン「あっ……あぁ…!」

ハク「これって浮気にはならねぇよなぁ?」

ブラウン「あっえっ…う~ん…」

ハク「……お前、ユキのことも好きだろ?」

ブラウン「…!ああ!二人とも大好きだ…!」

ハク「なら、浮気じゃねぇな!………これからも…よろしくなっ!」

ブラウン「ああ!…こちらこそ」


かみさん(あらあら~……ま、ひとまず一件落着かしらね。二人とも、彼と良い感じになれたしっ!)



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