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King Colours  作者: TEAM,IDR
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第三話「わたくしを誰だと思って?」

第三話 「わたくしを誰だと思って?」

(主人公 グリーン1)

 

お嬢こと星乃藍は外出の際、2人の付き人をつける。一人は執事の渋岡次郎しぶおかじろうさんだ。野垂れ死にそうになっていた孤児の俺を助けてくれた命の恩人だ。車の運転と見張りを担当している。そして、もう一人の付き人は俺だ。俺の名前は渋岡 一狼いちろう。次郎さんの養子になったのでこの名をもらった。


 メイドの方々は父のことを「渋岡さん」と呼ぶ。息子でありながら、従業員の一人である俺は「父さん」とも「渋岡さん」とも言えなかったので、「先生」と呼ぶことにした。


 今日はお嬢の出勤日だ。いつもの外出であればリムジンを使うが、お嬢の勤め先の近くの道幅はとても狭いのでベンツに乗って通勤される。運転は先生、助手席に俺、お嬢は後ろの席でよく外の景色を眺めている。車内ではラジオが流れているだけで特に会話はない。帰りの車ではお嬢が仮眠をとるのでラジオすら流さない。


 高速道路を使いながら約1時間で職場へと到着する。「ごきげんよう」と挨拶しながら入っていくお嬢を見送り、車を移動させる。お嬢を車から降ろした後は駐車場で待機する。俺と先生は基本的に戦闘があるまで車の近くにいる。



ことみ「通報が入ったわ!隣り街で戦闘中らしいの!少し遠いけど、数が多いみたいだから援軍に行って!」

藍「はぁ…平和な時間が終わってしまいましたわね。こんな時、紫雲さんか銀河さんがいらっしゃれば頼むまでもなく出動してくださるのに…」

みどり「そうだねぇ~よりによって藍ちゃんと一緒の時に来ちゃうかぁ~」

ことみ「二人とも!早く出動してよ!」

藍「ことみもこう言っていることですし、早く行ってあげたらどうです?」

みどり「悪いけど気分じゃないの♪」

藍「そうですか…では仕方ありませんね。いつもので決着つけましょうか。」

みどり「今回は負けないからね~!」

藍・みどり「「じゃんけんポン!」」

みどり「やったぁ!!じゃ、よろしく~あ!ついでに帰りに何かおかしでも買ってきてよ」

藍「それくらいわたくしが戦っている間に自分で買ってきなさいな!もう…仕方ないから行ってくるわ」

ことみ「またそうやって一人で行くー!みんなバラレンジャーの仲間なんだからみんなで出撃してよぉ!」

藍「皆でって言っても、5人以上で行けることなんてないじゃない。」

みどり「みんなで行っても邪魔なだけだしね~みんな強いから一人で十分だし」

ことみ「でも!今回は相当な数がいるみたいで…こんな田舎の事務所にも応援がかかるくらいだし…」

藍「あなた…わたくしの力では足りないと言いたいのかしら?」

ことみ「万が一ってことも…」

藍「わたくしを誰だと思って?神に愛され、美貌も力も手に入れた、星乃財閥、星乃家の長女、星乃藍さまよ!億が一もありませんわ~!」

みどり「よっ!藍様さいこー!美人!お嬢様!えーっとみんなのヒーロー!(?)」

藍「オーッホッホッホ!もーっと褒めてもいいのよ?まぁでも、これ以上の誉め言葉は化け物どもを駆逐した後にしてもらおうかしら。行くわよあなたたち!(パチン!と指を鳴らす)」

シーン

藍「わたくしが合図したならすぐ来なさいな!」

お嬢は事務所の入り口から顔を出して駐車場の俺たちに言った。すぐに車を出し、事務所の前に停車する。

藍「では行ってまいりますわ。圧倒的な力を全ての観衆に見せつけてきますわ。」

みどり「いってらっしゃ~い」


サイレンを鳴らして目的地に急いだ。ヒーロー登録をし、国からヒーローとして正式に認められて活動している場合はサイレンを鳴らすことが許される。



目的地に到着


藍「あらあら、化け物どもがわんさかと…見苦しいですわね。次郎!一狼!やってしまいなさい」

次郎「かしこまりました、お嬢様」

一狼「了解」

お嬢は特別な力を持っている。その力を使って俺と先生を援護してくれる。俺には力のことの詳細は分からないが、お嬢が近くにいる時の刀はどんな物であっても豆腐のように切れてしまう。

空中の敵を倒そうとすれば足場を作ってくれる。とても硬い空気の層があるかのようだ。とても見えにくいため、慣れないうちは足場を見失って落ちかけたりと心臓が縮み上がる思いをしたが怪我をすることは絶対になかった。それが分かってからは迷いと恐怖はなくなった。

化け物の攻撃をくらったことも一度だってなかった。おそらくお嬢は足場をつくるのと同じ要領でバリアのようなものを作ってくれているのだろう。

俺と先生が戦っている中、お嬢は車の中で優雅に紅茶を頂いている。そして、いつものように窓から外を見ている。



次郎「お嬢様、ここら一帯の化け物は倒し終わりました。」

藍「ご苦労様。次郎は車の準備を、一狼は報告用の写真を撮ってきなさい。」

一狼「かしこまりました。」

ヒーロー組織は政府からお金をもらっている。化け物をどれだけ倒し、被害の最小化にどれだけ努めたかを認めてもらえなければ稼げない。そのための証拠として写真を撮る。お金は何も政府からだけではない。警察や自衛隊とは違い、ヒーローには「人気」がある。

化け物を倒すことが専門で、時には個人の判断で動けるヒーローはどの組織よりも先に対応することができる。街を護ることに誰よりも貢献し、市民と距離感も近いヒーローは人々から「寄付」されることがある。ヒーローは寄付金により装備の強化やモチベーションのアップにつながり、寄付した人間はそのヒーローによって護られる可能性が高くなる。ウィンウィンの関係なのだ。

そのため、「人気」という要素もヒーローには重要になってくる。


藍「市民の皆様!この街に現れた化け物は駆逐しましたわ、安心してくださいませ!」

市民1「ああ、良かった」

市民2「死ぬかと思ったよ…」

市民3「ところであの人なんなんだ?ヒーローなのかな?」

市民4「派手な服装でとても戦うような恰好には見えないけれど…」

藍「わたくし程の強者つわものであれば服装など気にせず、美しく勝利することができるのですわ!わたくしを見なさい!化け物のほとんどはわたくしが倒しました。しかし、返り血の一つも浴びていませんわ!」

市民5「あの人車の中にいただけだろ?」

市民3「近くにいるあの二人は沢山倒してたがなぁ…」

市民4「あの人が手柄を横取りしてるのかしら?」

周りの人々はお嬢の言葉を信じていない様子だ。しかし、お嬢は続ける。

藍「この姿は圧倒的な力と、悪に染まらぬ美しき正義そのものですわ!こんな機会めったにないでしょうから、しっかりとその眼に焼き付けておきなさい!写真を撮ってネットにあげてもいいですわよ!」

フフンと鼻を高く上げて自慢げな表情を見せる。

市民1「一応撮っておこうかな」

市民2「どなたか存じませんが、本当に助かりました!ありがとうございました!」

市民3「確かにヒーローなのかもわからないがとにかく助かった!ありがとう!」

市民達「「二人もありがとう!」」

藍「あらあら?わたくしを知らない人がいただなんて。なら!覚えて帰りなさい!わたくしは薔薇薔薇戦隊バラレンジャーのグリーンローズこと星乃藍ですわ!オーッホッホッホ!」

市民5「紫色のドレスに金ぴかのアクセサリーでグリーンって……グリーン要素は?どこ…?」


お嬢は化け物を倒す度にこの演説をやる。「人気」を得るためなのか、それとも自己顕示欲を満たすためなのかは分かりかねるが…。とにかく、一歩ずつではあるが着実に知名度を上げていっているのは確かだ。

お嬢が圧倒的な力を持っているのは事実。噂にきく程度だが、他のメンバーもかなり強いと聞く。世の中に知れ渡るのも時間の問題かもしれない…

そんな期待をしながらお嬢がヒーローとしても人気になっていくのを楽しみにしている俺であった。


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