第二話「さっすが、あたしのバイクちゃん♪」(ブルー1)
第二話 「さっすが、あたしのバイクちゃん♪」
(主人公 ブルー1)
ドゥルルルルルル…
潮風を切り裂きながら、青いバイクが海沿いの道路を駆け抜ける。
みどり「うーん!やっぱり風を感じながら見る景色は最高だね! 海きれーい!アンシィもそう思わない?」
アンシィ「海って右側ダルルォ!?左腕についてるワイからは見えないと思うんですけど」
みどり「ありゃ、そうだったかぁ……ちゃんと目で見てたんだね」
アンシィ「どういう意味や」
みどり「だって…アンシィってただの人形じゃん。てっきり、心の目的なので見てるのかと思ってたから…」
アンシィ「…まぁ…心眼があることは否定せんわ…。がっ!そこに何があるか分かることと、見て確かめることは違うのだよ……例えば、下着の奥におっ…」
みどり「じゃー見せてあげるね~♪」
アンシィ「っおい!聞けぇ!」
*
浜辺へ降り、海を眺めながら水筒を開けるみどり。
みどり「(ズズ……)はぁ~…外で飲むコーヒーって格別だねぇ~海も綺麗だし最高だよね!」
アンシィ「さすがに早朝じゃ、ビキニのちゃんねーはおらんな……」
ザザァーー、ザザァーー
みどり「…………」
アンシィ「………」
みどり「…ってられないよ……」
アンシィ「ん?」
みどり「コーヒーキメなきゃやってられないよぉ!」
アンシィ「ふぁッ!?」
みどり「んも~~~!!夜勤の明け方にこんな遠出のお仕事させられてぇー!魔物のバカヤローー!!アンシィ!帰りは飛ばして帰るよ!」
アンシィ「か、かしこまり!」
*
ドゥルンドゥルルル…
事務所に到着。
みどり「ただいまぁああああああ…」
ヘルメットを外した瞬間、糸が切れたようにふらつく。
みどり「うわぁん!疲れたよーー!」
ことみ「お疲れ様。」
帰ってくるなり、みどりは倒れ込むようにことみの膝へ頭を乗せた。
ことみは苦笑しながら、その頭を優しく撫でる。
ことみ「…ちゃんと忘れずに写真撮ってきた?」
みどり「はい…やっといてぇ……」
ことみ「えぇ!? もう!まだお仕事の時間残ってるでしょ!」
みどり「だって疲れたんだもぉん…。なんであたしが夜勤の時に限ってこんなに魔物が出るのぉ?」
ことみ「確かにみどりちゃんの時は多い気がするわね…」
黄慈「管轄外のエリアにも行ってるからじゃないかな」
そう言って、黄慈は報告書をことみに手渡す。
黄慈「先週のこの件も、現場まで50キロ以上離れてるよ」
ことみ「確かに……私もこれは遠いと思ってた。」
みどり「えー?でも無線が入っちゃったんだもん。」
ことみ「無線…?」
黄慈「…もしかして、赤いランプが光った時も出動しなきゃって思ってる?」
みどり「え?違うの?」
黄慈「あれは、この県の通報を表示してるだけだよ…。警報が鳴らなければ出動義務はないよ」
みどり「えええぇ!!そうだったのぉ!?」
ことみ「こっちが “えー” よ。最初に説明したじゃない…」
みどり「…忘れてた」
ことみ「もー……でも、みどりちゃんが頑張ってくれるおかげでうちの評判も上がっているわ。この間も、隣町の町長さんから直接お礼言われちゃった。何か、ご褒美考えておくわね。」
みどり「ご褒美!?やったー!楽しみだな~!」
ことみ「で・も、写真撮るのだけは忘れないでね?報告に必要なんだから。…一番討伐数が多いのはみどりちゃんとは言え、一番撮り忘れてるのもみどりちゃんなんだからね!」
みどり「はいはい、分かってるってばー。今日だってちゃんと撮ってきたんだし。大丈夫だって。それより、ご褒美忘れないでよね。」
ことみ「はいはい」
黄慈「…さて…じゃあ元気出たみたいだし、残りの時間で報告書、お願いできるかな?」
みどり「うっ…急に眠気が…」
ことみ「もー都合いいんだからー…」
金一「おはようございま~す」
*
金一が出勤し、二人に引き継ぎを終えると、みどりは事務所のソファへ倒れ込んだ。
幸い、この日は大きな通報も無く――
みどりはそのまま、ぐっすりと眠ることができた。
*
アンシィ「起きろー時間だぞー。」
みどり「ふわぁぁ。んー良く寝られた♪」
大きく伸びをする
みどり「じゃ、行こっかな♪」
ことみ「お疲れ様。ゆっくり休んでねー。」
みどり「はーい。じゃねー」
ブルン!ブゥ――ン…
*
ブゥゥウウウン…!
みどり「今日は味噌ラーメンの気分かな~♪」
アンシィ「はいよっと…検索検索…」
小さな手で器用にスマホを操作するアンシィ
みどり「今日はちょっと走りたい気分だから~…遠くてもいいから美味しそうなとこに案内して!」
アンシィ「距離で言ったらどんくらいだぁ?」
みどり「ん~……100キロくらいかな♪」
アンシィ「100キロォ!?行き過ぎぃ!!」
みどり「いいから探して♪ぶっとばすわよ~!」
ブゥウーーーーン!!
*
ラーメン屋で遅めの昼食をとるみどり。
みどり「う~ん…!美味しい♪」
湯気の立つ味噌ラーメンを頬張り、幸せそうに頬を緩める。
――その時。
「きゃあああああっ!!」 「助けてくれぇー!!」 「なんだあれ!? 魔物だ!!」「逃げろ!!」
店の外から悲鳴と騒音が響いてきた。
みどり「んー?」
ガァンッ!!
次の瞬間、店の入口が勢いよく吹き飛ばされる。
店員「ひぃっ!? お、お嬢ちゃん!早く逃げ――」
グアァッ!!
飛び込んできた魔物が、真っ先にみどりへ襲いかかった。
――バシィッ!!
しかし、その鋭い爪は一本の割り箸によって受け止められていた。
みどり「食事中だから、ちょっと待ってねー」
いつの間にか、魔物の全身には紫色のオーラが絡みついていた。
身体を拘束され、ピクリとも動けない。
みどりは最後に水を一口飲み干すと、満足げに席を立つ。
みどり「おじさん、ごちそうさま!美味しかったよ!」
店員「えっ…お…おう……」
みどり「さてと…」
ドゴォンッ!!
拘束したまま魔物を蹴り飛ばす。
ズザザザザァ…!!
魔物を蹴り飛ばし、店の外へ
みどり「ありゃりゃりゃ…こんなに沢山いるとは思わなかったよ。」
アンシィ「さぁ!フォームチェンジして戦うシィ!(裏声)」
みどり「分かってるってば! フォームチェンジ!!」
テレレレ~♪(BGM)
ゴゴゴゴゴ…!
闇のオーラが渦を巻き、みどりの身体を包み込む。
シュゥゥゥゥ……
私服がゆっくりと黒と青を基調にした戦闘服へ変化していく。
カチャッ――ファサァッ!
ヘルメットを装着。
後ろのスリットから、長いポニーテールが揺れる。
バサァッ!!
闇色のロングコートを羽織り――
パシッ。
上空から落ちてきたソードを片手で掴み取る。
そして最後にアンシィの付いたスマホを腕のポケットにしまう。
みどり「……なんか、禍々しくなかった?」
アンシィ「うーん…魔法少女感はないわな」
みどり「……まっ、いっか! さっ、食後の運動といくよ~♪」
アンシィ「Yes!Let's rock!!」
~戦闘BGM~
魔物たちが一斉に襲い掛かる。
みどりは、それをまるで踊るように躱していく。
ヒュッ――
ガギンッ!!
振るわれた爪を紙一重で避け、すれ違いざまに首を斬り裂く。
「グギギィッ!」
逃げようとする魔物にはオーラを纏わせ、引き寄せる
みどり「よっと!」
ブゥン!!
地上にいる最後の魔物へソードを投擲。
それと同時に走り出し、車の屋根を飛び越え、壁を蹴り、ビルの側面を駆け上がる。
タンタンタンッ!パシッ!!
突き刺さったソードを掴み、クルリとその上に飛び乗る。
そしてそこを足場に跳躍、ビルの屋上へ着地した。
みどり「暴れちゃって~♪」
パチン!
指が鳴る。
みどりが合図をすると突き刺さったソードは闇に包まれ、独りでに回転を始めた。
ギュルルルルッ!!
高速回転する刃が、飛行する魔物たちへ次々と襲い掛かる。
みどり「よっ、ほっ、よっと!」
魔物から魔物へと跳び移りながら、次々と首を斬り落とすソードを回収する。
「グギャァッ!!」
背後から、一体の魔物が突進。
みどり「♪」
ニィッ――と笑う。
次の瞬間。
ひらり、と背面跳びで回避。
ズバァンッ!!!
待ち構えていたソードに突撃し、自らの勢いのまま真っ二つになる。
みどり「ラスト!」
空中で体をひねり、最後の一匹へソードを投げ放つ。
同時に――
ブルルルゥゥウウウン…!!
駐車場のバイクがひとりでに動き出し、ソードが刺さった魔物を空中で轢き飛ばす。
ドンッ!!ギュルルルルルルルルルッ!!!!!
バイクは着地し、ドリフトをしながら魔物の死体の山の手前で止まる。
スタッ……パシッ!
みどりも軽やかに着地し、落ちてきたソードを片手でつかみ取る。
そして、魔物の身体を放り捨てるように刃を引き抜き、ソードを肩へ担いだ。
みどり「さっすが、あたしのバイクちゃん♪」
「あ………あぁ………」
ラーメン屋の店員も、客たちも、呆然と立ち尽くしている。
みどり「ラーメン、美味しかったからまた来るよ♪」
ピッと、二本指で合図してバイクにまたがる。
みどり(美味しいラーメンも食べられたし、運動もしたし……帰って寝よ~っと…)
ブオン!!ブー――ン…
「……………す……すげぇ……なんだあの嬢ちゃん……いや、ヒーローか……」
*
後日…
ことみ「ちょっとぉ!この写真、みどりちゃんよね!?せっかくうちの手柄だったのに、報告しなかったのぉ!?」
みどり「あ……てへっ♪」
ことみ「もー!…これだけ魔物を倒してたらガッポリ入ってきたのにぃ……」
みどり「ごめーん……その代わり、次の通報はじゃんけん無しで行ってきてあげるから…」
ことみ「じゃんけん無しで行くのは当たり前なの!」
みどり「ひ~っ!ことみん怖~い!逃げるよアンシィ!」
アンシィ「なんで僕まで逃げる必要があるんですかね(正論)」
ことみ「こら!待ちなさーい!」
バタバタバタッ!!
みどりを追いかけることみ。
しかし――
ことみ「あれっ!?」
曲がり角を曲がった瞬間、姿を見失う。
ブゥン!!
バイクの音が聞こえ、角から覗く
みどり「パトロールしてくるね~」
ことみ「あぁっ! もう~~っ!!」
ブゥゥウウウウウウン…!
ことみ「はぁ……」
深いため息をつきながら、事務所へ戻る。
藍「まったく…朝から騒がしいですわね…」
優雅にティーカップを傾けながら呟く藍。
ことみ「うっ…すみません……」
藍「…でも、これで今日は働かずに済みそうですわね」
ことみ(…もー!どうしてうちのヒーローはみんな真面目にやらないの~!!)
*
ブゥゥウウウウウウン…!!
アンシィ「…事務所を飛び出したのはええけど、どこまで行くつもりや?」
みどり「えっ…うーん…どうしようかな………あっ!じゃあ、ツーリングがてら他のヒーローの偵察にでもしてみる?」
アンシィ「偵察?」
みどり「そ! 5人で出撃してるヒーローとか、一回見てみたかったんだよね~」
アンシィ「…ま、あんたらは基本、単独でしか出撃せーへんからな」
みどり「ってことで、お金持ってそうな都会のヒーローを見に行こ~!」
ブゥン!!
アクセルをひねり、バイクを走らせる
*
ブルルルル……
赤信号。
都会の大通りで足止めを食らうみどり。
みどり「げー…また捕まった……も~!これじゃ全然気持ち良く走れないじゃん…!」
アンシィ「人もぎょーさんおるわ……おっ!えろいちゃんねー大発見!」
みどり「…ったく…スケベだなぁ…アンシィは……」
そんなやり取りをしている間も、車列はほとんど動かない。
その時――
「…! おい、近くに魔物が現れたみたいだぜ?」
「マジ!?どこどこ?」
みどり「…!」
隣の歩道で、二人組の青年がスマホを覗き込んでいた。
「マジじゃん……どうする?行ってみる?」
「行こうぜ!俺、魔物生で見るの初めてだわ」
「おっしゃ、走るぞ!」
みどり「………………」
アンシィ「はぁ~、目の保養になるわ~ おっ、あの子はいい脚しとんな」
みどり「アンシィ」
アンシィ「あ?」
みどり「近くに魔物が出たってさ」
アンシィ「へー」
みどり「ヒーローの出番だね…!」
アンシィ「…でも、ここは管轄外やろ…下手に動くとまた怒られんで?」
みどり「何のためにここまで来たと思ってんの~! 行くよアンシィ!」
アンシィ「行くって…この渋滞でどうすんねん」
みどり「決まってるでしょ♪」
ボワァッ!!!
突如、闇のオーラがバイクごとみどりを包み込む。
「「!!!??」」 「なんだあれ!?」
ブルゥン!!! ブゥウウウウウン!!!!!
渋滞を突っ切り、加速していくバイク
「えっ!?」 「…すり抜けた……?」
*
キィイイイッ!!!
現場へ到着し、ドリフト気味にバイクを停止させる。
みどり「おっ、ナイスタイミング♪」
視線の先には十数匹の魔物に囲まれ、戦うヒーローと、それを腕を組みながら見下ろしている一回り大きな魔物
みどり「ねぇ、ちょっといい?」
「うわっ!…はい…なんですか…?」
少し離れた場所で観戦していた青年に声をかける
みどり「あれは何て名前のヒーロー?」
「知らないんですか?斧鉞戦隊アックスレンジャーですよ!全員が違う斧を使って戦うスタイルで、超高火力のエリートチームなんです!」
「今、最強候補って言われてるヒーローですよ!」
隣の女性も目を輝かせながら話に加わった。
みどり「へーそうなんだ…」
戦いを見守るみどり。
みどり(…あのヒーロースーツ、高そう~……デザインも凝ってるし……ん?)
よく見ると肩には企業のロゴが入っている
みどり「……そういう戦略もあるのか……」
「…! 今の、すごかったですよねっ!」
「双斧流のグリーンアックスはテクニカルなんですよ~ 僕の推しです!」
みどり「ん?あーうん、すごいすごい」
次々と魔物の頭をかち割っていくアックスレンジャー。
しかし――
ズシン……
腕を組んでいた巨大な魔物が、ゆっくりと階段を下り始めた。
「「……!!」」
周囲にいた魔物たちも、まるで道を開けるように後退していく。
レッド「お前が親玉ってわけか…」
ブルー「ハッ!なんだ?1対5でやろうってわけか?」
ピンク「こいつ…強そうだよ…」
イエロー「油断せずに行くでごわすよ!」
グリーン「あぁ…分かっている」
五人で並び、斧を構えるアックスレンジャー
レッド「行くぞ!奴らを倒して、街の平和を守るんだ!!」
「「おう!!」」
みどり「おー! ヒーローっぽい!」
一斉に斬りかかるアックスレンジャー
だが――
ドンドン!!
殴り飛ばされるピンクとグリーン
ドカッ!!!
まとめて蹴り飛ばされるイエローとブルー
レッド「!!」
飛ばされた仲間に気を取られた一瞬
レッド「がっ!?」
巨大な手が首を掴み、そのまま軽々と持ち上げる。
「あぁぁっ!!アックスレンジャーがっ!!」
レッド「ぐっ………このッ!!」
ガンッ!!
斧を魔物の頭部に振り下ろすがヒビすら入らない
レッド「…!!!」
その瞬間。観客たちの顔から、一気に熱狂が消えた。
「う……うわぁあああああああっ!!!!」
「「きゃあああああああっ!!!!」」
見ていた取り巻きはヒーローが勝てないと悟ると、悲鳴を上げながら一斉に逃げ出した
「あ……あぁ……こ…腰が………」
「ひっ……ひぃいいいい!!」
「あぁっ!待ってよ!!」
腰を抜かした女性を置いて、青年は我先に逃げていった。
みどり「あちゃー……さすがにアレは強かったか………」
頭をかきながらゆっくりと歩き出すみどり
「!! 何してるんですか…!?殺されますよ!!」
背後から女性の叫び声。
みどり「あー……大丈夫」
ピースを作って見せる
みどり「あたしも、ヒーローだからさ…♪」
ズァアアアッ!!!!!
闇が噴き上がり、一瞬で変身する
「!!!」
カツ……カツ……
魔物に近づくみどり
みどり「その手を離しなさい……」
「…………………」
魔物が、じっとみどりを見下ろす。
ブゥン…!
レッド「ぐあっ!!」
放り捨てられ、地面を転がるレッドアックス。
レッド「…っ!逃げろ!! そいつには敵わない!!今、非常連絡を入れた!じきに自衛隊が出動する…!」
みどり「大丈夫だって!なんとかす…」
ドォォォンッ!!!!!!!!!!!
レッドアックスに視線を向けた瞬間、地面を砕くほどの踏み込みから、大気を震わすほどの豪腕が、みどりへ叩き込まれる。
みどり「……まだ話してたんだけど…」
「!!!」
みどりの片手が、魔物の拳を受け止めている。
今度はその光景を見た魔物が散り散りに逃げる。
みどり「逃がすわけないでしょ…」
ズァァァァッ――
次の瞬間――
ザンッ!!
ザザンッ!!
ザンザンザンザンッ!!!!!
闇が奔る。
「……あ…………」
スマホが斬られ、ポロっと落ちる。
まるで時空ごと切り刻まれたかのような不可解な斬撃。
レッド「……な……なんなんだ……あのヒーローは………」
みどり「…さて……残ったのはあんただけ…」
くるり、とソードを回す。
みどり「あたしの力を見切って不意打ちを仕掛けたとこまではいいけど……この後はどうするのかな?」
「…………………」
魔物は体勢を低くし、攻撃の構えを取った
みどり「…やるねぇ……その覚悟に応えたいところだけど……」
ウゥーッ!!
遠くからパトカーのサイレンが響く。
みどり「早くしないと怒られちゃう」
「!!!」
ドンッ!!!!
魔物が地面を砕き、正拳突きを放つ
ぐるっ……ズンッ!!!!!!!!!!!
みどりはそれを避けながら後ろ回し蹴りを叩き込み、巨体を空中へ蹴り上げる
ズアァッ!!ザンッ!!!!!!!!!!!
ダークソードで魔物を真っ二つに斬り裂く
トン………
静かに着地するみどり
ダンッ!
遅れて、魔物の死体が地面へ落下する。
「……………はっ! あ…あのっ!!」
バイクに跨るみどりに慌てて駆け寄る女性
「あの!お名前、教えていただけませんかっ!?」
ブゥン!!
エンジンが唸る。
みどり「薔薇薔薇戦隊バラレンジャー♪ あっ、この不思議な力のことは内緒ねっ♪じゃっ!」
ブゥン!!ブゥゥウウウウウウン……!!
銀髪を風になびかせながら、みどりは走り去っていく。
「………銀髪の…女神様…………」
*
ブルルル……
ことみ「あっ!やっと帰ってきた」
みどり「ふぃ~、ただいま~」
ことみ「もう!どこ行ってたのよ!」
みどり「パトロールって言ったでしょ~? 遠くまで行って、大活躍してきたんだから~」
ことみ「遠くまでドライブしてきただけでしょ!まったく……サボった分、事務作業手伝ってもらうからね!」
みどり「え~!!そんなご無体なぁ~……」
藍「ふふっ…実に滑稽ですわね」
ことみ「藍さんも! お茶ばっかり飲んでないで、仕事してもらいますからねっ!」
お茶をコクリと一口…
藍「………みどり、わたくしの分まで仕事しなさい」
みどり「はぁ?やるわけないでしょっ」
藍「…バイクのパーツ、買って差し上げますわ」
みどり「ほんとに!?やるやる~♪」
ことみ「藍さん!? もーーっ!なんのために仕事に来てるんですか~!」
事務所に、今日も賑やかな声が響く。
――せっかくの手柄を何度も手放していたみどりだったが。
助けられた人々の間では、
“銀髪の女神”と呼ばれる謎のヒーローとして、
少しずつ噂になり始めていた――。




