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King Colours  作者: TEAM,IDR
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第三十二話「わたくしは薔薇薔薇戦隊バラレンジャー、グリーンローズ!」

第三十二話 「わたくしは薔薇薔薇戦隊バラレンジャー、グリーンローズ!」

(主人公 グリーン2)


藍「まったく、これではせっかくの休日の予定が台無しですわ。」

ことみ「ごめんなさい…銀河くんが急な用事ができたとかで…。こういう時はいつもブラウンくんがやってくれるんだけど、最近頼ってばかりだったし…雪ちゃんや虎羽くんに頼むのもかわいそうだし…藍さんにしか頼めなくって…」

金一「たしかに社会人になりたてのあの子たちに休日出勤はかわいそうだよね~」

藍「わたくしなら好き勝手に使っても心が痛まないということかしら?」

金一「いやいやいや!そんなことないよ!ないよね!?」

ことみ「もちろんだよ!えっと…藍さんに頼んだのは…あっ、藍さんが一番だからだよ!」

藍「一番?」

ことみ「そう!あの子たちよりも大人で気品があって完璧な藍さんを一番に頼りたくなるじゃないですか~?バラレンジャーの中で一番の藍さんにどうしても来てほしかったんです!」

藍「ふんっ…まぁどうしてもと言うのなら、仕方ありませんわ!その代わり、感謝しなさいね!」

ことみ「ありがとう!藍さん!ほんとに助かったわ!」


 本日のお嬢の出勤は銀河さんの代わりだ。お嬢はせっかくの予定と言っていたがそんなものあったのだろうか。予定があったとしてもこの通り、上機嫌なので問題はないが。

 三人で会話をしていたその時、通報が入った。隣街で大型の化け物が現れ、近隣住民に避難命令が出された。


ことみ「情報によれば30メートル級の化け物で、軍隊が出動するみたい。」

金一「僕らはどうすればいいの?」

ことみ「ヒーローは避難誘導を最優先、近隣の街のヒーローも避難者の受け入れと安全確保をしてほしいって。」

金一「受け入れって言ってもどうすりゃいいのさ…」

ことみ「ん~~まだ、規模もわからないし、被害状況とかもわからなくて…しばらくすれば上から何か指示が出ると思うけど…」

藍「なら、確かめに行けばいいではありませんこと?」

ことみ「えっ!?」

藍「そのついでに、わたくしが倒してしまっても構わないのでしょう?」

ことみ「でも、危険だから近づかないようにって…」

藍「このまま放っておく方が危険でしょう?」

金一「そうだよ!僕らが行った方が早いし安全だよ!」

藍「少なくとも銀河さんがいたらもう片付けているでしょうね。」

ことみ「えっ?えっ!でも、軍隊が出動するっていうくらいだからめちゃめちゃ強いんじゃ…」

藍「あら?わたくしを誰だと思って?あなたのヒーローでしょう?自信を持って送り出しなさいな。(パチン!)次郎、一狼!出動しますわよ!」

金一「よし!僕も!」

藍「あぁ、あなたは車に乗らないから留守番でいいわ。」

金一「ええ!?でも、僕はバギーで行くから…」

藍「あなたが到着する頃には終わらせてるわ。それに、わたくし一人で十分だからあなたは万が一に備えてここにいなさい。」

金一「うわあぁぁぁん!みんな、僕が遅いからっていじめるんだぁあーー!これでもレッドなのにー!全然戦わせてくれないよぉおお!!」

藍「ことみはその大きな子どもをあやしてなさい。では、行ってくるわ。」

ことみ「うん…。いってらっしゃい。」


 滅多に使うことはないが、お嬢の特別な力を使うと、空に道を作ることができる。そのおかげでベンツは空を走り、最短距離で目的地まで移動できる。お嬢が安全を確保してくれるので、遠慮なくアクセルを踏み込める。そのため短時間で目的地まで行ける。


 車を走らせること数分。その巨体ははるか遠くからも確認できた。その化け物は二足歩行する恐竜のようで、太い尻尾を振り回しながら暴れていた。


藍「……あれはあなたたちの手には余るでしょうね。次郎、安全な位置でドライブしてなさい。わたくしはここで降ります。終わったら迎えに来てちょうだい。」

次郎「かしこまりました。」


 そう言うと、お嬢は二本の刀を持って、車から飛び降りた。そして化け物の頭上付近まで優雅に歩いていった。

 そこに戦闘機が二機、飛んできた。その戦闘機はミサイルを計4本撃ち込んだ。ミサイルは化け物の首元辺りに命中した。しかし、そんなのはものともせず、爆煙をかき消すほどの何かを口から勢い良く吐いた。

 その何かは溶岩のようなもので炎を帯びながら、戦闘機へ一直線に向かっていった。が、空中でピタリと止まり戦闘機へ当たることはなかった。


藍「あらあら…随分と暴れん坊さんなのね…。破壊を繰り返し、人も殺し…挙句の果てにこんな物まで吐き出すなんて…。下品ですわ…!!」


 空中に座るお嬢の顔は今までにないほど険しく、怒りに満ちていた。溶岩の方へ伸ばしていた手のひらをグッ!と握るのと同時に空中で静止していた溶岩が一瞬で潰れた。


藍「わたくしは薔薇薔薇戦隊バラレンジャー、グリーンローズ!わたくし自ら裁きを下して差し上げますわ!」


緑色のスーツに身を包みヒーローとしての姿を顕現させる。

スーッ……

二本の刀が鞘から抜け、お嬢の手元へと動く。

お嬢が刀を構えると同時に、文字通り空気が変わった。

ッッッドッッッン……!!!!!

 10階建ての建物に相当するあの巨体全てが空気に締め付けられた。身動きが一切とれず、表面の鱗のような皮膚にはひびが入る。

 お嬢が持つ刀の刀身は力が圧縮されているのか、通常の光り方をしていなかった。美しく銀色に光る刀身は細く伸びていた。

 そこからは一瞬だった。俺が目視できたのは十字に入れられた2度の斬撃と、刀を鞘に納めるお嬢の姿だけだった。凄まじい威力とは裏腹に、いくつにも切り刻まれた死体が静かに崩れ落ちていく結末となった。


*


 そこからはもう、マスコミやら警察にやらにもみくちゃにされて大変だった。「ミサイルも効かない怪獣を単身で倒した!?」とネット上でも話題になり、世界中に広まった。

 お嬢はいつものように「わたくしは薔薇薔薇戦隊バラレンジャー、グリーンローズの星乃藍よ!オーッホッホッホッホ!!」と高らかに宣言し、宣伝活動を続けた。お嬢は認知度が上がったことを喜んでいたようだが、あんな力を見せびらかしてしまって大丈夫なのだろうか…。まぁ信じている者はいなさそうなので問題ないかもしれない…。



 そんなことを考えながら事務所へと戻ると、事務所の前でコソコソと中を伺っている女性がいた。我々の車に気が付き、逃げようとするが…。


藍「待ちなさい!」

??「ひぃい!?」

藍「あなたうちの事務所に何か御用かしら?」

??「あ、あの…実はゴ、ゴールドローズさんに用事があって…」

藍「あら、あの子に…?どんな用事かしら?」

??「これを返したくて。」

藍「これは…わたくしがあの子に買ってあげたハンカチ…。わざわざ届けてくれてありがとう。せっかくだから上がって行きなさい。」

??「えっ!?でも…」

藍「せっかくいらしたお客人を手ぶらで帰したら星乃家の名に傷がつくわ。それに、どういった経緯でこのハンカチを渡されたのかも気になりますしね…」



 お嬢にもてなせと命じられたので、次郎さんはお茶菓子の買い出しに行き、俺は全員分の紅茶を入れた。 

 その女性は麗という名で、ゴールドローズのブラウンさんに助けられたことがあるらしい。

藍「ふ~ん。で、その時に借りたってわけね。」

麗「はい…」

ことみ「でも、残念ね。こ~んなデカくて怖い人じゃなくてブラウンくんがいる時にいらしてくだされば良かったのに…」

金一「すみません…気が付いていればもっと愛想よくできたのですが…」

麗「いえ!こちらこそすみません!こ、怖い人かと思ってしまって…」

ことみ「この人、図体は大きいけれど、とっても優しいから安心してください!」

麗「はいっ…!バラレンジャーのみなさまはとっても優しいんですね…実は、ホワイトローズの黄慈さんにもお世話になったことがあって…」

ことみ「えっ!そうなんですか!その時のお話、聞いてもいいですか?」


 麗さんは黄慈さんとの出会いや、悩み相談したことを語った。


金一「へぇ~なんだか、麗さんってバラレンジャーと縁があるんですかね!」

麗「そうかもですねっ…!」

藍「ところであなた、話を聞いた限りだと今も無職なのでしょう?」

麗「はい…」

藍「あなたもバラレンジャーを気に入っているみたいだし、縁もあるし、ここで働くのはどうかしら?」

麗・ことみ「えぇ!?」

藍「事務仕事なんていくらでもあるでしょう?それに、これからは忙しくなるかもしれないしね」

ことみ「まぁ確かに、最近は収入も安定してきたし、それに比例して色々仕事も増えてきたし、一人くらい雇っても全然…いやむしろ雇いたいくらいね!」

金一「おお!なら!」

麗「え!え、え、えぇ!?で、でも…わたしなんかで…」

ことみ「もちろん、無理強いはしないわ」

金一「うんうん。僕は大歓迎だけど、麗さんにも都合があるだろうし…」

麗「う~~ん……」


麗さんは了承するわけでもなく、断るわけでもなく、うんうんと唸りながら考えていた


藍「……この子、借りるわよ。」

ことみ「えっ!?どこ行くの!?」

藍「少し、話してくるわ。一狼、わたくしたちが帰って来る時には温かいお茶とお菓子を用意してなさい!」

一狼「…かしこまりました。」


 お嬢は麗さんの手を引っ張って強引に連れ出した。丁度帰ってきた次郎さんの運転でどこかへと行ってしまった。そして、残った俺はいつでも温かいお茶が淹れられるように、お湯を沸かし続けるのだった…。

(一狼「虎羽さんなら保温を頼んだんですが…。」金一「ごめんよ…力になれなくて…アイスティーならいつでも力になれたんだけど…」ことみ「ごめんね…ポットなくて…保温て電気代かかるのよ…」)



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