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第三十一話「茨の道を歩みたい」(パープル2)

第三十一話 「茨の道を歩みたい」

(主人公 パープル2)


力を一つに合わせ、10個全てのクラウンの破壊に成功したバラレンジャー。

しかし、11個目のクラウンと共に巨大生物が浮上した。


桃華「あの、巨大生物の討伐、ワタシにやらせてもらえませんか?」


新しく開発した兵器の試験運用。

技術力の証明による技術発展の促進などを理由に出撃許可をもらう桃華。


ピピピッ


「スクランブル要請を受諾。システム起動。係員は速やかに出撃準備を行ってください。繰り返します…係員は速やかに出撃準備を行ってください…」


ガコンッ!と格納庫ごと上昇し、扉が開く


「システム、オールグリーン。エンジン始動。」


キュィィィイイイイイイイン……!!!!

格納庫からゆっくりと前進し、自動で滑走路に待機する戦闘機。


*


バチッ!!シュバッ…!

事務所から紫雲社のラボまで移動した二人


桃華「ありがとうございます、紫雲様」

紫雲「あぁ」


紫雲の腕から降りる桃華


桃華「ワタシはこのまま、コア・ファイターで先に現場に向かいます。紫雲様は例の兵器の起動をお願いします」

紫雲「分かった。…くれぐれも、無茶はしないようにね」

桃華「かしこまりました」


二手に分かれ、コア・ファイターに乗り込む桃華


桃華「ことみ様、通信の感度は良好でしょうか?」


事務所のパソコンに『コア・ファイター』の内部モニター、外部モニターの映像がリンクする。


ことみ「えぇ、大丈夫よ!ばっちり見えてるわ!」

麗「みんなで応援しますから!頑張ってくださいっ!」

桃華「…皆様……ありがとうございます…」


カチッ!カチッ!と計器のスイッチを入れていく

キュィィイイイイイイイン……!!


桃華「……皆様……」

ことみ「ん?どうしたの?」

桃華「…ワタシには内蔵がありません。ですので、胸が高鳴ったり、ワクワクするという感覚は実感できません。…ですが…今の状態は、それに近いと思うのです」

ことみ「! 桃華ちゃん……」

桃華「…出撃の前に、このようなことを言うのは不適切かもしれませんが……ワタシは、バラレンジャーの一員として、この場にいること…皆様とヒーローをやれること……今の状況を『楽しい』と定義したいのです」

「「!!」」


桃華は笑ってみせた。

博士から貰った、その機能で


≪出力上昇。離陸準備完了。≫


桃華「薔薇薔薇戦隊バラレンジャーパープルローズ、桃華!出撃します!!」

ことみ「えぇ…!桃華ちゃんの力、見せてちょうだい!!」


ギュィィィイイイン!!!!!!バシュンッ!!!


黄慈「…驚きましたね…桃華ちゃんがあんなことを言うようになったなんて……」

ことみ「…はい……うちに来たばかりの頃は、命令がなかったら何もできないような子だったのに……」

紫雲「…浸っている場合じゃないですよ」

ことみ「…!」

紫雲「桃華ちゃんが乗っているあの機体、とても速いですから。ぼさっとしてるとすぐに着いちゃいますよ」

ことみ「そうだったわね…しっかりしないと!」


ピピーッ


ことみ「桃華ちゃん。フライトは順調?」

桃華「はい。時速は1万4000キロメートルに到達しましたが、飛行は安定しております。」

ことみ「いちっ…えぇっ!?」

桃華「どうかされましたか?」

ことみ「時速14000㎞って…速過ぎない!?」

桃華「たしかに…戦闘機としては破格の性能ですね。高いGにも耐えられる鋼のボディと高い技術力があってこそ実現した代物です。」

ことみ「……それ、本当に飛ばして大丈夫なの!? いくら紫雲社とは言え、戦闘機を飛ばす実験なんてしてるの?」

桃華「…ご心配には及びません。数万回に及ぶフライトシミュレーションにより、安全性はほとんど証明されております。確かに、これが初フライトではあるのですが、ワタシにとってこれはただ、シミュレーションの結果をなぞるだけの行為であり、さほど意味を持ちません。高精度のシミュレーションは事実と同じですから」

ことみ「…でも……」

桃華「……まだ心配ですか?」

ことみ「…それはそうよ…何事も、計算通りにはいかないのが世の常でしょ?万が一ってことがあったら……」

桃華「……今の人間の科学力では、そうかもしれません。…ですが、ワタシは既にこの程度のシミュレーションであれば事実と変わらないデータを計算で導くことができます。

 …計算を信じることしかできない機械と、もしもの可能性を信じることができる人間の違いですね。」

ことみ「………………」


少し、間が空く。


ことみ「…………桃華ちゃんも…その『可能性』を信じてくれたからクラウンの破壊に協力してくれたんじゃないの?」

桃華「……………どうでしょうか……。今のワタシでは、未来の人類を完全にシミュレーションすることはできません。せいぜい70~80%程度の精度です。不確定な要素が多すぎる為、皆様が賛同する方法を選ぶことが合理的だと判断しました。

……もし、より精度の高いシミュレーションを演算することができたのならワタシの選んだ道は変わっていたのかもしれません。」

ことみ「…………………」

銀河「…そうか……じゃ、やっぱり、バディのシミュレーション結果を知っていたら…クラウン落としの道を選んでいたってことか…」

麗「…!」

桃華「……おそらくは……」

銀河「……でも…今の桃華ちゃんはもう、シミュレーション結果だけに従う機械じゃないと思うぜ?」

桃華「え…」

銀河「合理的な判断だけだったら、いくら精度の低いシミュレーションだったとしてもおれ達と同じ道は選べないはずだ。」

桃華「そんなことは……」

銀河「それだけ薄いんだ……おれ達が追っている可能性は……」

桃華「……………」

銀河「…だから、持ってるんじゃないか?」


銀河は自分の胸をトントンと拳で叩く


銀河「ここに、自分の気持ちが」

桃華「…自分の…気持ち………」

銀河「…確かに、バディの演算結果を知ってしまったら数字として確率結果が出ちまう。…そうなったら選べなかったかもしれない。…でも、数字がハッキリ出てなかったらいくら低くてもおれ達のことを信じられる。信じていいって、思ってくれたってことだ」

桃華「………………」


≪ワタシは…合理的な決断を……ザッ…≫


*


≪…演算終了。クラウンを落とした場合の方が、『自由』に選んだ行動、“人類の為”になると結論づけました。≫


桃華「…………………」


ピピピピピ……

≪演算開始。……………クラウン落としの選択をする人物が2名以下の場合、抵抗の意味無し。クラウンの破壊に協力した場合、未来繁栄の可能性が上昇すると予測。しかし、成功確率は0.0…ザザッ…≫


桃華「…………………」


*


桃華「…ワタシは……何故このような選択を……?」

銀河「……………」 ことみ「………………」

桃華「…ワタシは…『自由に生きること』とは…人々の役に立つこと、人類の為になることと結論づけました。…『自由』に従うのであれば、より成功率の高い方法を探し、実行するはず……それなのにワタシはなぜ………」

ことみ「…自由よりも大切なものを見つけたんじゃない?」

桃華「!……自由よりも……?」

ことみ「…私にとっての『自由』は…自分の心に従うことだと思うわ…。桃華ちゃんが導き出したように、やりたいことや夢に向かっての行動も自由な行動だと思うけど…もっとシンプルに考えてもいいと思うわ。」

桃華「シンプルに…?」

ことみ「さっき銀河くんが言ってくれた、自分の気持ちに従うことよ。」

桃華「…!」

ことみ「…桃華ちゃんには、もう…それがあるでしょ?」

桃華「ワタシの……気持ち…………」


*


ワタシは、バラレンジャーの一員として、この場にいること…皆様とヒーローをやれること……今の状況を『楽しい』と定義したいのです


*


桃華(……楽しい…………ワタシは…皆様と過ごす時間が…楽しい………)


*


…演算終了。クラウンを落とした場合の方が、『自由』に選んだ行動、“人類の為”になると結論づけました。


あの時、ワタシは銀河様たちの悲しむ顔が浮かびました…


≪……嫌だ……≫


ピピピピピ……

演算開始。……………クラウン落としの選択をする人物が2名以下の場合、抵抗の意味無し。クラウンの破壊に協力した場合、未来繁栄の可能性が上昇すると予測。しかし、成功確率は0.0…ザザッ…


≪…あの人たちと同じ道がいい………確率がいくら低くても……仲を違えるくらいなら、その『可能性』に賭けてみたい……≫


*


桃華(……そうか……ワタシは…………)


優しく微笑む桃華


桃華「皆様を……愛していたのですね……」

「「!!!」」

麗「わっ!…わぁ……」

ことみ「あっ、愛してるだなんて…!」

みどり「おや~?大胆な告白だね~」

紫雲(……桃華ちゃん……)

桃華「…ワタシは…皆様のおかげで成長することができました…。感情を手に入れ、自由になれました…。だからワタシは、その恩義に報いたい…!見ていてください!皆様の元で過ごした、ワタシの集大成を…!!」


≪戦闘可能空域に侵入≫


桃華「攻撃を開始します!」


ピーーッ!

≪lock-on≫

パカッ!とミサイルハッチが開く。

ギュィイイイイイイン!!!!

桃華の持つ、回転を操る力でミサイルのタービンを高速回転させ……発射!

プシュンプシュン!!


桃華「目標の視認と同時にミサイル発射。同時に機銃を展開。ミサイル着弾まで2…1……機銃発射!」


ドカァン!! ババババババババッ!!!

ミサイルが二本の触手を破壊し、機銃が頭部へと命中する


麗「わぁっ!すごいですね!」

ことみ「やったわ!」

桃華「機銃、全弾着弾。…しかし、触手の方に比べて頭部へのダメージは薄そうです。反転して頭部へのミサイル攻撃を…」


その瞬間…

シュンッ!!


桃華「っ!?」


何かが機体をかすめる


ことみ「なに…!?」

桃華「今のは…ウォーターカッター…!?」


触手の先から超高威力の水圧レーザーが放たれた。


ことみ「桃華ちゃん!あれに当たっても、その機体は大丈夫なの!?」

桃華「……この距離まで一瞬で到達するほどの威力となれば、少し当たっただけでも墜落の可能性があります」

ことみ「そんな…!…銀河くん、みどりちゃん!すぐに桃華ちゃんの援護に…!」

藍「もう行ったわよ」

ことみ「そう…って早!?いつの間に…」

藍「光速で動けるんですもの…1秒もかからず地球の裏側まで行けますわ」

ことみ「確かに…そうだったわね…」

麗「桃華さんの機体の速さがかすんじゃいますね…」


*


みどり「モモっち、大丈夫かな……あたし達もこっそり手伝った方がよくない?」

銀河「いや…大丈夫だ。桃華ちゃんを信じよう…!」

みどり「…………まっ、銀河くんがそう言うなら大丈夫か…」


*


桃華「っ…!」


ブシャァアア!!!

上下左右に瞬時に移動し、水圧レーザーを避ける


桃華「頭部の破壊より、触手の破壊を優先します!」

ことみ「えぇ、気を付けて!…もう!あの二人は何やってるのよ…!」


プシュン!

ミサイルを発射する


桃華(くっ…!攻撃が激しい…距離を取るとレーザーで狙い撃ちにされてしまう……なら……)


上空に一つの影


紫雲「使うかい?一足先にお届け物だ!」


≪『解・填』が作戦空域に侵入しました。≫


桃華(来たッ…!)「ありがとうございます!」


バシュン…!!

急加速、方向転換を繰り返しレーザーを回避しながら急上昇する。


レーザーの射程外まで上昇


桃華「ドッキングを開始します…!」


バンバンバンッ!

機体が3つに分かれ

羽のパーツが脚と合体。

ガションッ!!

コックピットは左腕の先に合体する。

…グググ…

左腕を動かし、胸の前へ。そして、『解・填』のコックピットへと移動する。


桃華「ドッキング完了!」


ギュィイイイイイインッ!!!!!

桃華と連結し、エネルギーが供給される


桃華「回転エネルギーシステム搭載人型マルチ兵器『廻・殿』!!」

金一「おぉー!かっこいい!」


グルグルグルッ!バッ!!

斧を構える『廻・殿』


桃華「近接戦闘を開始します!!」


ドシュゥッ!!

エンジンを吹かし、突撃する

カチャッ!プシュンプシュンプシュン!!

右腕からミサイルを発射する

ブシャァアア!!!…ドカドカァンッ!!

しかし、レーザで迎撃されてしまう


金一「あぁ!防がれちゃった!」

ことみ「桃華ちゃん!?」

桃華「想定通りです!」


バッ!!と、煙から飛び出す『廻・殿』

ザシュッ!!!

触手を斬り落とす


桃華「次…!」


ザシュッ!ザシュッ!

次々と触手を斬り落とす


雪「すごい…!このまま倒せるんじゃ…」

桃華「はぁああああああッ!!!」


ガンッ!!!!!!

斧をクラーケンの頭部に突き立てる


桃華「くっ…硬い!」


ザンッ!ザンッ!!

回転の力を乗せ、斬撃を繰り返す。

しかし、分厚い皮のせいで致命傷には程遠い。


麗「どうしましょう…あのロボットでも倒せないんでしょうか……?」

ことみ「うーん……桃華ちゃん、何か方法は無いのかしら?」

桃華「お任せください。こんな時のために…っ!?」


ドシュゥッ!!

エンジンを吹かし、なんとかレーザーを避ける


桃華「! クラーケンの肉体は…破壊してもすぐに再生してしまうようです……」

麗「そんな…!」

金一「せっかく破壊したのに!」

桃華「まずいですね…あまり時間はかけられなさそうです…紫雲様、あれの準備は…」

紫雲「もう到着したよ!」


ビシュン!ビシュン!ビシュン!ビシュン!


「「!!」」


突如現れた小型のレーザー兵器が触手を破壊していく


桃華「! お待ちしておりました…!」


上を見上げる桃華。そこには…


銀河「おおおっ!!あれが!!」

紫雲「そう!皆で考えた最強兵器!!」

「「バラレンジャーロボだ!!」」


男性陣の声が合わさる


朱祢「…そんなものあったんですか?」

藍「知らないわよ…あんな野蛮そうな乗り物」

ことみ「紫雲社って…なんでもありなのね……」


ドシュゥウッ!

上昇し、バラレンジャーロボと並んで飛行する

ウィーンと、同時にコックピットが開く

バッ!と飛び出しバラレンジャーロボに乗り込む桃華


紫雲「せっかく皆で考えたんだ、性能をフルに使って勝ってくれ!」

桃華「はいっ!!」


ギュィイイイイイイン!!!!!!!

桃華の回転エネルギーがバラレンジャーロボに注ぎこまれる


桃華「まずは紫雲様が提案されたオールレンジ兵器から行かせてもらいます!」

紫雲「うん!」

桃華「ペタルビット展開!!」


ヒュンヒュンヒュンヒュン!!

次々と小型ビーム兵器が飛んでいく

ビシュン!ビシュン!ビシュン!ビシュン!


麗「おー!すごい手数ですね!」

桃華「ですが、肝心の頭部へのダメージが足りません。虎羽様提案のあれを使います!」

虎羽「! あれか!使ってくれ!」

桃華・虎羽「「ロケット・パーンチ!!!」」


ドォッ!!!!

凄まじい勢いで射出される右腕

アフターバーナーを噴かせながらクラーケンに突き刺さる


朱祢「…刺さったけど、貫通はしないわね…」

桃華「追撃します!ブラウン様!使わせていただきます!」

ブラウン「あぁ…特大のビーム、撃ってくれ!」

桃華「はいっ!! エネルギー充填、角度修正…完了!行きます!!ストリームブラスターキャノン!!!」

桃華・ブラウン「「発射!!!!!!」」


ズォオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!


銀河「おおっ!!かっけぇな!!」

ブラウン「ドデカイ主砲はロマンですよ!」

雪(ブラウンさんがあんなにはしゃいでる…)

ことみ「男の人ってみんなこうなの…?」


ドカァアアンッ!!!!!ズドォオンッ!!!!!

大爆発が起こり、ロケットパンチがクラーケンの体を貫く


紫雲「どうだ!?」

銀河「やったか!?」

桃華「………っ!…まだ…足りないようです……」


クラーケンの頭部は焼け爛れている。しかし、触手はまだ動いている


みどり「早くとどめを刺さないと再生しちゃうんじゃない?」

虎羽「確かに……」

桃華「では、金一様、銀河様提案の武装を使います!」

銀河「あぁ!どう使うのか分かんねぇけど、やってくれ!」

金一「僕のも使ってくれるんだね!」


シャキィイン…!

と、スカートに装着された刀を鞘から抜く


桃華「…行きますッ!!」


刀を胸の前で構え、翼を展開する

バッ!!!!!!!!!!!!!

翼からは光が迸り3倍以上の大きさになる


藍「…あの翼は何の意味があるのかしら?」

銀河「なんか…カッコいい!!」

藍「…聞いたわたくしがバカでしたわ」

桃華「はぁぁああああああッ!!!!!」


ザンザンザンッ!!!!!!


桃華「これでッ!!!終わりだぁあああああッ!!!!」


ズンッ!!!ズシャァアアアッ!!!!!

刀を突き刺し、切り上げる!

ググッ………バシャァン!!

触手が力無く、海底に沈む


金一「やったぁ!!」

桃華「……あとは…ダアトの破壊だけです!」

みどり「でも、あれ結構硬いんじゃない? 刀で斬れるもんなの?」

桃華「…この兵装では、破壊が難しいかと思います…」

金一「そんなぁ…」

桃華「ですので…黄慈様、あれを使います…!」

黄慈「…! もしかして…ぼくの案も採用してくれたのかい?」

紫雲「もちろんですよ…桃華ちゃんにピッタリなあの武器を採用しないわけないじゃないですか…!」

麗「あの武器って、なんですか?」

桃華「紫雲様!」

紫雲「あぁ!存分に使ってくれ!」


ポチッ!

紫雲がボタンを押すと

待機していた貨物機の扉が開き、三角錐の物体が降ってくる


ことみ「あれは…!?」

黄慈「ロボットの武器で一番カッコイイのと言ったら…ぼくはコレだね…!」

桃華「アルティメットドリル、コネクトォオオッ!!!!!!!!」


ガショォォオオン!!!!!!!!!!

右腕を天に突き上げながら合体させる


「「「おおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!」」」


盛り上がる男性陣


藍「うるさいわねっ…!」

雪「あははっ…楽しそうですね」

桃華「これより、全力全開の一撃を浴びせます。しかし、ワタシの能力を使ったとしてもあの装甲を貫くことは難しいでしょう…」

麗「じゃあ…どうすれば……」

桃華「そこで、皆様のお力をお借りしたいのです…!」

ことみ「というと?」

桃華「黄慈様はこのまま機体制御の補助を、金一様はエンジンとドリルの冷却を、銀河様、みどり様、虎羽様、朱祢様、ブラウン様は機体を前へ押し出していただき、藍様、雪様、紫雲様にはドリルの突破力を上げていただきたいのです」

銀河「全員の力を合わせて、ドリルでぶち破ろうってわけだな!」

桃華「はい」

みどり「いいね~ そろそろ退屈してたんだよね~」

金一「僕の能力も役に立つのかなぁ?」

紫雲「もちろんですよ!ドリルは、その摩擦熱で溶けてしまったりしますから、金一さんの役割はとても重要です!」

金一「そ、そうなの!?…へへっ なら、頑張っちゃおうかな~!」

ことみ「みんな、異論は無いわね!?」


頷く一同


ことみ「………………」

麗「……………」

藍「……………なによ…そんな目で見なくてもやるわよ…」

麗「…!」

藍「もう、いちいち反論するのも疲れたわ…」

麗「藍さん…!」

ことみ「…ということよ!こっちは準備万端よ!」

桃華「…では、皆様…行きましょう…!!」

「うん!」「あぁ」「はい!」


ドシュゥウウ!!

ダアトの下に回り込み、ドリルを天へ突き上げる


桃華「皆様の力を、一つに!!!!!」


ギュィィィイイイイイイイイイイイイ……!!!!!!!!!!!

エンジンのギア、ドリル、高速回転する


ことみ「頑張って!!」 麗「頑張ってください…!!」


ズガァンッ!!!!ギュルルルルルルルルルルルルルッ!!!!!!!!!!!

ドリルが突き刺さると同時に先端が爆破、稲妻が走る

バッ!!!!!!ズァアアッ!!!!!!

光と闇の翼が展開される

ボォオオオオオッ!!!!!!ズバァァアアアアアッ!!!!!

視界を覆い尽くすほどのアフターバーナーが噴き出し、機体を押し上げる


「「「いっけええええええええええええええええええええええええ!!!!!」」」

桃華「はああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

「「「これがバラレンジャーの!!!力だぁああああああああああ!!!!!!」」」


ガガガガッ!!!!バァァァアアアアアン!!!!!

ドリルが装甲を貫く!


桃華「作戦…完了です…!」


ドカァァアアアアアアアアン!!!!!!

バラレンジャーロボの背後で大爆発が起こり、戦闘は幕を閉じたのであった…



*




その時の映像は紫雲社のPR動画に使われ、バラレンジャーロボの性能と、パイロットが桃華であることが明かされた。


世界には衝撃が走り、様々なメディアで取り上げられ事務所の近くには連日連夜、人だかりができるようになってしまった。


また、バラレンジャーへの見方は二極化し、「世界を救ったヒーロー」と神聖化する人たちと、「人智を越えた力を持つ危険な存在」と問題視する人たちで分かれた。


案の定、地球解放日として歴史に刻まれたあの日から数日と経たないうちに、世界連合と各特別機関による緊急合同会議に召集されることとなった。


それからは怒涛の日々が続いたが、紫雲の目論見通り全ての要求をのませることに成功した。

まず、桃華の人権の保障。

バラレンジャーの武力と、これまでの功績を盾に交渉。桃華に関する情報は紫雲社のみが管理する極秘情報とし、桃華を含めた13人全員とその親族の身の安全を保障させた。

次に、紫雲社の研究範囲の拡大。

各国への技術提供と、監視を条件に兵器開発、実験、宇宙開拓の権利を得ることに成功。

そして最後に、海上都市建設計画の承認と周辺海域の利用権の獲得。


世界を救った報酬として、国際管理海域の一部における大規模海上施設の建設、および周辺海域の優先利用権が認められた。名目上は世界連合による管理下に置かれているものの、実際には外部者の立ち入りを制限でき、常時監視も認めていない。


この条件が通ったのは、完成後の施設をロボットのテーマパークとして一般公開すると約束したからだろう。一般人も訪れる施設であれば、スパイや監視装置を送り込む機会はいくらでもある。各国はそう判断したのかもしれない……。


*


ワタシの存在により、ヒーローギアの設定にも説得力が増したことでバラレンジャーは「神」としてではなく、「対処が難しいクラウンに続く脅威」程度の認識で収まることができました。


これから、ワタシや紫雲社様の研究にどんな介入がされるか分かりませんが…

その緊張こそが、互いの技術力を高める可能性だと信じ、進んでいこうと思います。

それがどんな茨の道であっても…

皆様と歩める道であるのなら、それでいいのです…!


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