第四話『リベンジ・イン・スライム』
剣のマークが書かれたスキルブックを開くと、ピロン♪という効果音が鳴った後。
『基本剣術Lv1を習得しました』
というメッセージが目の前に現れた。
「基本剣術Lv1か、どんな技が使えるんだか……」
そう考えていると、頭の中で剣術で使える技が思い浮かんだ。
『ソードスラッシュ』か、どうやらスキルを覚えると使える技が頭の中に叩き込まれるみたいだな。
「お次はこちらっと」
魔法陣のマークが書かれたスキルブックを開くと効果音が鳴った後、現れたのは。
『基本黒魔術Lv1を習得しました』
そして、何が使えるようになったのかを思い浮かべる。
「次のは基本黒魔術か、使える技は『ファイア』か、よしスライムを燃やしに行くか。」
そして俺はスライムにリベンジすべく、先程戦った場所にやって来た。スライムは先程と変わらずその辺をヌルヌルと動き回っている。
「よし、ちゃんと居るみたいだな。リベンジ開始だ」
抜刀し、剣の切っ先をスライムに向けて唱える。
「当たってくれよ……『ファイア』!」
剣の切っ先から火の玉が発射され、スライムに当たる。そして、スライムは燃え始める。
「やったか!?……しまった、ついフラグを言ってしまった」
炎が消えた後スライムの姿は無かった。
「あれ? スライム消えた、燃えて消えたってことは蒸発でもしたのか」
そんなことを考えてると、急に眩暈が起こりその場に座り込んでしまう。
「ふぅ、これは定番のMP切れってやつかな」
MPの残量がどの程度が調べるためにステータスを開く。
名前:蒼月颯斗
Lv:1
HP:8
MP:1/3
STR:3
DEX:3
VIT:1
AGI:3
INT:2
MND:2
LUK:2
スキル
基本剣術Lv1
基本黒魔術Lv1
「うわ、後ちょっとでMP切れるとこだったのか。んで、今の俺ではファイア一回が限界か、使いどころには気を付けないとな」
休憩しながらステータスを見ていると。ガサッ、という物音が聞こえ慌てて立ち上がり、物音がした方を向く。
暫くすると、木々の奥から人影が近づいて来る。
「……人!? いや、まだ人と決まったわけじゃないか、人型のモンスターの可能性も――」
剣を構え、警戒心を更に高める。
奥の方から少女が走って来る、そして俺の後ろに隠れ始める。
「っちょ、いきなり何を――」
「お願い……助けて!」
「……へ?」
俺がいきなりの言葉に戸惑っていると、一人叫びながらこちらに近づいて来る。
「見つけたぞ、もう逃がしはしねぇ!」
どういう状況なんだこれ、定番としては、あいつが盗賊でこの子が襲われそうになって逃げてきたって感じだと思うけど、いくら異世界だからと言って、実際そんな事が起こりうるものなのか?
少し危険な綱渡りな気がするが、状況を把握するためには仕方ないか……。
「おい、アンタ何者なんだよ」
まぁ、これで正体をぺらぺらと話はしないよな。
「俺様が何者か? 聞きたいなら教えてやるぜ! 俺はアレン盗賊団のダリル様だ!」
こいつ馬鹿だ、どうしようもない馬鹿だ……でも油断はできないな、こちとら剣も碌に使えない素人だ。逃げる手段を考えないと。
ダリルの方に剣を向け話しかける。
「この子をなぜ追いかけている」
「そんなの、親方に頼まれたからに決まってんだろ!」
そう言いながらダリルは、後ろから何かを取るような動作をし始める。
「ククク……覚悟しろ、なんせ俺様は最強だからな、お前なんてすぐに倒してやる」
初の対人戦か、どうする、どうやって逃げる……。
剣を構え考えていると、ダリルがガサゴソと何かを探してから、徐々に元気が無くなってゆくように感じた。
「……今日はこの辺にしといてやる! 次会う時は覚悟してろ!」
なんか知らんが助かった、しかし戦いにならなくてよかった。
さて、次はこっちか。
「大丈夫か?」
そう言いながら後ろを向くと、そこには水色のロングヘアーの少女が立っていた。
「うん、大丈夫だよ。お兄さん助けてくれてありが――」
言い切る前に、まるで糸が切れたかのように倒れたのを咄嗟に支える。
「おい、どうした!?」
大声で話しかけながら少女を軽く揺さぶる、しかし目を開けなかった。次に脈を測るため首に手を当てる。
「脈はあるみたいだ、良かった。ここに放って行く訳にもいかないし館のベットで寝かしてやるか」
少女をお姫様抱っこで持ち上げ、村の方へと帰っていく。




