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第五話『怪しき足音』

 少女を館の一室にあるベットに寝かせ、夕飯を作るべく食糧庫へ向かう。

 食糧庫にあった食材は見た目は少し違うが、原型は元の世界にあった食材と似ていた。


「ふむ、これなら何とかなるか、味は違うかもしれんが」


 そう言いながら、目についた食材を適当に取り、食堂の奥にあるキッチンへ向かう。

 夕飯はシチューにするか、あの子の口に合うといいが。

 鼻歌まじりに料理をしていると、扉を開く音が聞こえる。


「あの子もう起きたのか、ちょっと急いで作らないとか」


 料理の仕上げをしていると、足音がこちらへ近づいて来る。

 後ろを振り向き少女に声をかける。


「おはよう、よく眠れたか? もう少しで夕飯ができるから食堂で待っててくれ」


 そう言うと少女は食堂の方へと歩いて行った。シチューを棚にしまってあった皿に盛り食堂の方へと持って行く。


「お待たせ、遠慮せずに食べてくれ」

 

 少女がシチューを食べ始めるのを確認してから、自分もシチューを食べ始める。

 シチューを食べ終わり少し休憩していると、少女が話しかけて来る。


「ねぇ、お兄さんはどうしてここまでしてくれたの?」


 まぁ尤もな質問だな、つっても理由なんて俺にも分からないしな……。


「さぁ、俺にもよく分からん」


 少女は暫く驚いた後、笑いながら話し始める


「ふふっ、面白いお兄さんだね、ボクはアル」


 僕っ娘……まさか実在していたとはな……。

 

「俺は颯斗、よろしくな、アル」


 そう言いながら手を差し出す。


「よろしくね! ハヤト」

 

 握手をし皿洗いなどが終わってから、街メニューが見れる場所、作戦室の椅子に座って今後の方針を考えていた。


「ねぇねぇ、ハヤト何考えてるの?」


「この村の今後の方針だ、村人も居ないし食料も少ないしで、どうしたもんか……」 


 村人を集める方法が全然分からないし、食料を栽培するにも種がないし……。


「うーん、なら取り敢えず、ここからずっと北に行けば着く街で冒険者をしてお金を集めた方がいいんじゃないかな?」


 街か、村から離れるのはどうかと思うが、正直村で居続けても何も進展は無さそうだし……。


「その街ってこっからどれくらいかかるんだ?」


「馬車で三日、歩きで六日ってところかな」


 六日、食料はギリギリ足りると思うけど、テントとかは無かったしな、街行きは無理か……。

 そう考えていると、どたどたと複数の足音が近づいて来る。


「……複数の足音が近づいて来る、何事だ?」


 扉が勢いよく開かれると同時に、足音の元凶が大声を上げる。


「お願いします、助けてください!」


「……は?」

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