第三話『打倒スライムへの道』
「ここは……?」
周りを見るために起き上がる。すると、この異世界に来てから一番目に見た場所、馬車の中に居た。
「目が覚めましたか、お客さん」
この聞き覚えのあるセリフと声はこの前の御者さんか。この状況からするに御者さんが俺を助けてくれたのか。
「おはようございます。ところで、俺ってどれくらい気を失ってましたか?」
「そうですねぇ……大体、一時間ぐらいですかね」
一時間か、ちょっと休憩したらスライムの対策考えるか。しかし、スライムは初心者が戦い方を覚えるためのモンスター、ってのはゲームの中だけだったとはな……。
「お客さん、またスライムと戦うつもりですか? 見たところスキルも覚えて無さそうですし、やめといた方がいいですよ」
この人心でも読めるのか? それか表情に出てたのか。何にせよスキルとやらを習得するのが打倒スライムへの道ってとこか。
「まぁ、戦うつもりです、そのスキルってどうすれば覚えれるんですか?」
御者さんは暫く驚いたような顔をしてから、やれやれといった感じで話し始めた。
「そうですか、ではこの本を差し上げます、それはスキルブックと言って読めばスキルを覚えられます」
そう言うと、剣のマークが書かれた赤色の本と、魔法陣が書かれた青色の本を差し出してくる。
「いいんですか? 二冊も頂いて」
ここまで親切にされると裏が有りそうな気がするな。そんなことは無いとは信じたいが。
「いえ、その二冊は冒険者になる方には必ず渡す物なので、遠慮せずに受け取ってください」
普通に無料配布のアイテムだった。少しでも疑った俺が馬鹿だった、この人は多分いい人だ。
しかしあの女神、冒険者必須のアイテムも渡さずにスライムと戦ってこいとか不親切というか鬼畜というか……。
「では遠慮なく」
よし、これであのスライムも瞬殺してやる、フハハ……スライムよ、首を洗って待ってるがいい!
御者さんがコホン、と咳払いした後、続けて話し出す。
「それでは、スキルブックとスキルに関して簡単にですが説明させていただきます」
御者さんが説明してくれた内容をまとめると。
スキルブックについて
・一般的には店で売っているが、ダンジョンで見つかったりなどする。
・スキルブックを使えば誰もがスキルを覚えられるというわけではない。
・覚えられない原因として二つあるとのことだ。
・一つ『才能が無い』これはどう努力しても覆ることは無く、諦めるしかないとのこと。
・二つ『単なる経験不足』多分これは、レベル不足またはステータス不足が原因と思われる。
スキルについて
・スキルの中には、技を使えるようになるスキルも存在する。
・スキルを習得したからといって、剣の扱いが急激に上手くなったりはしない。
・技の威力は自らの気力で左右される。これはスキルの使用時に使うMPの多さで威力が決まるってことだと思う。
・スキルを使い続けると上級スキルに進化するらしい、これは才能があればあるほど早く上級になり、才能が無くても努力次第で進化させることは可能とのこと。
「では私はこれで、もう無理はしないでくださいね」
そう言いながら、御者さんは馬車に乗り去ってゆく。
「はい、いろいろとありがとうございました。」
次この人に会う時には恩返しをできればいいな。
よし、スキルブックを使ってスライムにリベンジと行こうじゃないか。




