6話
「ああ、野田愛美さん…どうしました?」
まあ、当然のごとく警察は山を立ち入り禁止にしていた。
「えっと、その…どうしてもお姉ちゃんのことが気になっていても立ってもいられず…」
「気持ちはわかりますが…今は捜査の途中です。親族であっても入れることはできません」
そりゃそうか。だけど…話くらいは聞けるんじゃないかな?
「すみません、彼女…お姉さんのことが心配で心配で仕方がない用で、せめて何か新しい情報があれば教えていただけませんか?」
「君は…?」
「僕は、その…」
「彼は…私が1人でここに来るのが心配で、その、付いてきてもらったんです」
「なるほどね…お友達か。まあ、これくらいならいいかな」
友達でも教えてくれるのか。
これは取材でも伝えて良いような情報なのだろう。
それでもどの情報ツールより早く手に入れることが出来る、それは大きい。
「まずは…山の中間部から野田歩美さんのものと思える遺骨、服が発見された」
「………!」
愛美はまさに絶望、といった顔をする。
身体の一部…耳だけが発見されたという情報だけでは、まだ確実に死んだとは思えていなかったのだろう。
「しかし…肉をすべて喰わせることで死臭を減らす、犯人も考えたよね。おかげで見つけるのに結構時間を費やしたよ」
「姉の服や骨には…犯人の手がかりはありましたか?」
「そこはまだ何も…今調べている最中だ」
犯行の際は指紋がつかないようにしている。
ただ、問題は足跡。
「だが…犯人のものと思われる足跡は発見された。この辺りは人通りが少ない。その中でも比較的新しい足跡があった」
「そ、それはどのような…?」
「おそらく…学生シューズだと思われる」
ここら辺の市の学校は指定のシューズである。
中学校でも高校でも、同じ会社の同じ形の靴を使用している。
学生ということがバレても、個人を確定するのは難しい。
そう思い、足跡に関しては特に気にしていなかった。
「じゃあ、犯人は…学生」
「子どもの靴を履いた親や、学生の頃使っていた靴をそのまま使っている社会人の可能性もあるがな」
「確かに、そうですね」
今日わかるのは大体これくらいか…遺骨の鑑定などの情報はまだでないだろう。
野田歩美以外の遺骨も出ると思ったが、肉がない状態で埋めるというのは中々効果的らしく、まだ見つかっていないようだ。
「ああ、そうだもう一つ……動物のフンから野田歩美のものと思われるDNAがだされた」
「!!」
「まだ精密な検査はしていないが…ほぼ確定だろう」
「その動物は何かわかりますか…?」
「…犬だ」
なんだろう、この気持ちは。
チャッピー、ジョン、ポン太……なぜか無性にもう彼らに会えないようなそんな気がした。
どうしてこんな気持ちを抱いたのかは分からない。
ただ、良い気持ちではなかった。




