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5話
「そういえば私たち…お互いのことをよく知りませんよね」
山へと向かう途中、彼女は僕にそう告げる。
確かに興味がなかったとはいえ、彼女に至っては僕の名前すらも知らない。
とりあえず、名前と年齢を伝える。
「17歳…ということは高校二年生ですか?」
「はい」
「じゃあ、私とおんなじです!…ってことは、敬語じゃなくても…いいですか?」
「いいですよ」
「じゃあ…君も無理に敬語にしなくてもいいよ。実際お互いに時々崩れてたからね…!」
彼女は照れているとき、言葉が詰まる癖があるようだ。
もしかしたら男性なれをしていないのかもしれない。
「…女子高かな?」
「ええ!どうして分かったの!?」
「別に、なんとなくそんな感じがしただけ」
「すごいな…君は探偵かな?」
とても素直な子のようだ。
「なんだか…私たちが今やっていることも探偵みたい」
「そうかもね」
「…私、お姉ちゃんが殺されたと分かってから毎日が辛くて仕方がなかった」
「そう」
「なんだか、自分1人が取り残されたような気がして…だけど、今はなんか1人じゃないって気がする」
「ありがとう」
彼女は歯を大きく見せてニコッと笑う。
…なんだ、人が死んでも代替品はあるんじゃないか。




