4話
「姉が失踪したのは…7月8日、5日前の夜でした」
「姉はバレー部に所属していて、帰るのがいつも8時頃……よく友達と夜ご飯を食べてきてそのまま泊まりに行くことが多かったので、家族は特になにも気にしていませんでした」
「姉の行方が分からないと知ったのが、朝…担任からの電話でした。昨日は特に友達とご飯を食べにいっておらず、泊まっていないことを知り、警察に通報しました」
「目撃情報は部活後からは特にありません…それで何も進展がないまま2日が過ぎ、7月10日…▲▲山の入り口辺りで姉の耳…と思われる部位が発見されました」
「入り口辺り…」
入り口辺り…僕がエサをあげていたのは入り口辺りではない。もっと奥に入ったところだ。
三匹のうちどれかが、加えたまま降りていったのかもしれないな。
しっかりと見ておくべきだった。
「あのさあ…今までの失踪者も今回の事件と同様に動物に食べさせて証拠隠滅をしていたのかな?」
「警察はそう踏んで…あの山に他の被害者の遺体がないか調べているようです」
「うーん…でもさ、動物に食べさせるのはいいけど、骨とか服とかはどうしているんだろうね」
ここは誰もが思う疑問だろう。
警察はここをどう考えている…?
「山に埋めてある可能性が高いと考え、山全域にわたって調べるつもりでいるようです」
「そっか…そうだよね」
なるほど…困ったなあ。全部山に埋めてあるよ。
だって骨とかを持って山を下るのはおかしいじゃん?
山ってのがバレないのが理想的だったんだけどな…
「…山に行ってみませんか?」
「え…?」
殺人現場には戻らないのが殺人がバレないための掟。
だけど…今回は例外だ。
ならどうすれば出来るだけ怪しまれずに向かえる…?
例えば…じっとしてられない遺族の付き添いとか?
気が狂って姉の元へ向かおうとする妹の付き添いとか?
「自分の目で一度…確かめてみたいとは思いませんか?」
「…!」
「警察の目を…掻い潜ってでも」
「…はい」




