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第83章:『心の最後の砦』
「めぐみ」という、面倒見のいい、姉のような存在だった、大きな味方を失った茂の胸には・・・また、ぽっかりと、埋めようのない深い深い穴がぽっかりと開いていた。
・・・かつて、彼が死ぬ気で愛した美絵子。
その美絵子がいないときに、ずっと自分に寄り添ってくれた理沙。
その二人の天使がいないときに、心の隙間を埋めてくれた、里香。
そして・・・めぐみ。
彼女には、彼女にしかない、誰にも代わりにはけっしてなれない、彼女だけの魅力があった。
・・・めぐみだけの魅力。
そして、優しさ。
ふところの深さ。
失ってみて、はじめてわかる、その人の大きさ・・・愛の深さ。
それらをしみじみと味わい、感慨に浸る彼に、さらなる別れのときが近づいていた。
・・・それは、「あや」。
茂の、『心の最後の砦』のあやさえも、やがて彼の前から姿を消すことになる・・・。




