第77章:秋口のめぐみと茂・・・共有する時間
季節は巡り、秋口の、爽やかな空気が心地いい夕暮れ。
この日もめぐみと茂は、仲良く並んで、帰り道の「オリオン通り」をゆく。
このところ彼らは、こうして通勤の「復路」を歩き・・・ときには、洋服屋へ立ち寄り、めぐみの「秋のコーディネイト」の選定に共に悩んでみたり、たこ焼きを途中の公園で雑談しながら食べたり、ゲーセンで「UFOキャッチャー」にいそしんだり、ラーメン屋にて、二人が大好物の「チャーシュー麺」を仲良く、ズルズルとすすったり・・・まるで、「恋人どおし」のような毎日を送っていた。
しかし、その一方で茂は、例の、亡き美絵子そっくりの風俗嬢、「あや」との関係も続けていた。
あやとの「逢引き」は、曜日を移して、日曜に決めていた。
これなら、めぐみをはじめとする食糧事務所の職員に、入店の「シーン」を目撃される危険が少なかったからだ。
こうした生活を送る中・・・茂自身には、「ふたまた」をかけている、という認識はまったくなかった。
めぐみとの付き合いは、通勤帰りのひとときに限られていて、普段の私生活では一切関係を持っていなかったのだ。
あやもそう。
茂とあやの関係も、「パラダイス キャンパス」内に限られていて、決して店外での関係に発展するということはなかったのである。
読者の皆様はどう感じておられるのかは分からないけれども・・・少なくとも、この時点での茂自身の認識においては、「あやは、あや」「めぐみは、めぐみ」と、はっきりと区別して分けて、割り切って付き合っていた・・・そのような状況だったのである。
やがて、冬がおとずれる・・・。




