第6章:ちょっとさかのぼったお話(4)
「ちいさかったんだなぁ・・・。」
「ええ。あのころは、だいぶちっちゃかったからねぇ。」
「あのぅ・・・これ、いただいてもいいですか・・・?」
「ええ、どうぞ。」
・・・内心、やったぞ! と喜んだ。
「・・・滝本さんがいっしょに写ってるけどいいんですか?」
「ええ。ぜひ、ください!」
「それじゃ・・・」
「あ・・・ありがとうございます! ・・・あのぅ、美絵子ちゃん、いまでも元気でやっていますか?」
「ええ、元気でやってますよ。 ・・・もう今度、中学だからねぇ。」
「・・・よかった。」
そしてぼくは、右の台所らしきところをちらりと見て、
「あの・・・美絵子ちゃん、今どこに住んでいるのか分かりますか・・・?」
と訊いた。
「いいえ、わかんないです。」
「そうですか・・・。それじゃ最後に、美絵子ちゃんが使っていた勉強部屋を見せていただけますか・・・?」
「勉強部屋??」
「ええ。ぜひ一度、見たいと思いまして・・・。」
「あぁ・・・もう、みんな片付けちゃったよ。」
「そうですか。あ・・・いろいろ、ありがとうございました。じゃ、お邪魔しました。」
「いいえ。」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
・・・そして、美絵子ちゃんの写真を手に入れたぼくは、うきうきしながら帰宅した。
(早く、この写真をまた見たいッ・・・!)
こうしてぼくは、実に4年ぶりに、美絵子ちゃんの顔をあらためることができた。
・・・この成功に酔ったぼくは、現実がどうなっているかも知らず、また先のことも考えずに、その後も二度、三度とセツさん宅に押しかけ、エラく傷つくこととなる。
そして、1986年7月に、ダイユーでセツさんにバッタリ会ってから、1989年8月13日(日)までに、二度、セツさんを見た。
・・・歩道橋下のバス停、新駐在所前の商店で。
そして、1989年8月13日(日)に・・・今となっては、本当に最後になってしまったが、美絵子ちゃんと再会することができた。
でもそれは、ほんの2~3分だったと思う・・・。
以上・・・『たからもの』のヒロイン、「峯岸美絵子ちゃん」のモデル・・・美絵子ちゃんについての、ちょっとした「真実の想い出」でした❤️




