第65章:『二次会』スタート!!
「・・・根岸君よ、とりあえず、いったんドアの鍵閉めようや。」
日和田氏がそう言うやいなや、乱暴にドアが開いて、関谷氏をはじめとする、酔っ払い集団がなだれ込んできた。
「よおよおよお、『オサンカタ』・・・元気でやっとるかね? お・・・よく見りゃあ、杉山のモテオトコ君もいっしょじゃないの!」
グデングデンに酔っ払った関谷氏が開口一番、そうのたまわると、彼の「取り巻き軍団」も、奇声をあげながら、茂にまとわりついてきた。
そのうち、真っ赤な顔で浴衣をだらしなくハダけ、気持ち悪く抱きついていた先輩のひとりが、茂の顔面に汚いキスの雨を降らせ始めた。
(ううっ! くっ・・・くせえッ!! ツバクセえ!!)
思わず、そいつを突き飛ばし、顔を洗いに洗面所に行こうとすると、桑川が笑いながら足を引っ掛けてきて、茂を転倒させた。
すると、さきほどのきたねえ「キス魔野郎」が、今度は倒れた茂におおいかぶさり、またキスをしようと迫ってきた。
駆け寄った根岸氏と日和田氏が助けに入り、その大バカヤロウを引き剥がすと、今度は関谷氏の怒号が飛んできた。
「やれ! やっちめえ!!」
すると、桑川を含めた「取り巻き」が、いっせいに茂につかみかかってきたので、まずは「キス魔」の横っ面を張り、桑川を突き飛ばした。
「きったねえな、この野郎! 美絵子ちゃんと理沙ちゃんと里香ちゃんとあやちゃんにしか許してねえ、俺の大事な唇を奪いやがって! てんめえ、絶対にゆるさねえ!!」
キレた茂が、「キス魔」の髪の毛をつかんで引きずり倒すと、関谷氏が大笑いしながら、茂の背後からビールをドボドボかける。
気がつくと、冷静沈着なはずの、根岸氏と日和田氏も、乱闘に加わって、激しく取っ組み合いをしている。
・・・もう、メチャクチャ。
もはや、収集がつかない、ドタバタの「喜劇」であった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
翌朝。
・・・茂が気がつくと、横に根岸氏と日和田氏のふたりが、真っ裸で転がっている。
自身も、いつの間にか、浴衣も下着も剝ぎとられて、一糸まとわぬ「生まれたまま」の姿で、床に横になっていた。
「へーーくしゅっ!」
根岸氏も、ようやく目を覚ます。
「・・・おはよう、杉山君。あいててて・・・」
根岸氏はそう告げると、痛々しそうにあちこちを自分でさすりはじめた。
どうやら、ハデに殴られたり、蹴られたりしたらしい。
茂も日和田氏も、全身の痛みに耐えながら起き上がり・・・それぞれが、しばしお互いのハダカ姿を見つめ合って・・・目が「点」になった。
「ギャハハハハハッ!!」
グチャグチャに物が散乱した部屋に、三人の大爆笑が響く。
見ると、三人とも、マジックで体中に「落書き」がしてあるではないか!
おまけに、三人の「イチモツ」まで、ご丁寧に、マジックで黒く塗りつぶされている。
「はははは・・・腹いてえ・・・ダメだ、こりゃ!」
日和田氏がそう言うと、根岸氏も笑い出す。
「ちょっとぉ・・・根岸さんも日和田さんも、笑ってる場合じゃないですよぉ。なんで、『チ〇ポ』にまでイタズラされてるのに、笑ってられるんですかぁ??」
「そういう杉山君だって、なかなかのモンじゃないの? お・・・まさに『黒光りのナス』ってトコかい??」
「根岸さんて・・・こんなキャラでしたっけ・・・? ねぇ、日和田さん、なんとか言ってやってくださいよぉ・・・。」
「いやぁ、オレもたまげたわ。根岸君が、こんなにひょうきんでスケベなキャラクターだったとは・・・。意外や意外。」
「・・・まったく、もぉ、日和田さんまで。」
こうして三人は、このあと仲良く、「大浴場」に入り直し、全身の落書きを石鹸で落とすと、のんびりと湯船につかって雑談を交わし・・・また明日からの激務に備えるのであった。




