第29章:再会後の寮生活の変化について(6)
・・・寮生活を終えたぼくは、さっそく、美絵子ちゃんとの次の『再戦』『決戦』に向けて、過酷な減量生活に突入した。
このときのぼくからは・・・すでに読者の皆様もよくご存じの通り、『美絵子ちゃんともう一度やり直したいっ!』とか、『そこから、いずれは結婚にもって行きたいっ!』などという愚かでナンセンスな考えは・・・すでに消えうせていた。
ああ、そうとも。
・・・そうだとも。
ぼくだって、そんなことはもう不可能だってことは、ちゃんと頭ん中で、冷静に理解は出来ていたさ。
でもねぇ、心・・・『心はそうじゃなかった』んだ。
あの愛しく、なつかしさでいっぱいの想い出たちを、もう一度、彼女とともに、ゆったりと『トレースしたいっ!』・・・『過去へと・・・あのなつかしい日々に向かって、まっしぐらに・・・ふたり仲良く、いっしょに肩を並べながら、指で静かに、そしておだやかに、ゆるやかになぞっていきたいっ!』・・・
そういう気持ちだって、まだまだ死んではいなかったんだよ。
『終わりを迎えてしまう、あの日』まではね・・・。
そしてぼくは・・・あの頃の・・・重たい脂肪なんかついていなかった、スマートでハンサムだったぼく自身に戻って・・・美しく成長した美絵子ちゃんに見合う、当時のぼくの姿に戻って、彼女とあいまみえたかったんだよ・・・。
それが・・・それだけが、そのときのただひとつのぼくの『願い』だったのだから・・・。




