第235章:中岡葉子からの電話
「・・・茂、中岡さんから電話来てるよ。」
「え・・・? なんだって??」
「中岡葉子さん・・・ほら、お前がいつか、結婚するかもって言ってた、あの女の人のことさ。」
日曜のある朝、母からそう告げられた茂は、いまさら何の用だろうといぶかりつつも、とにかく電話口に出てみた。
(・・・携帯じゃなくって、なんでまた自宅に直接。携帯番号だって、7年も前に君に教えてあったじゃないか。もっともさぁ、いままで一度だって君って人は、自分から俺に電話なんかくれたことなかったよな。いまさら、どうして・・・。)
「・・・もしもし、葉子ちゃん?」
「あ・・・しげちゃん、久しぶり。元気だった?」
「ん・・・あぁ、なんとかね。君は・・・?」
「え、あたし・・・? 実はね、あんまり元気じゃないんだ。なんだかさ、最近、しげちゃんの夢ばっかり見てね。会えないかなぁって・・・。」
「でも・・・葉子ちゃん、僕に会いたいってのはさ・・・要するに、アレなんだろ?」
「アレって・・・?」
「また、お金の話なんじゃないの・・・? やだよ、僕は君に利用されるのは。」
「ううん。そうじゃないの。今度はね・・・あたしがしげちゃんを支える番。だから、午後会えない・・・? 宇都宮駅の下にある、『餃子の塔』で待ち合わせしない? あたし、お店に入るお金、全部出すから・・・。」
(なんだよ、葉子ちゃん。また、店の中でしかデートできないのかい。まぁ・・・いいよ。それが君の『ポリシー』なんだろ? 正直、里香ちゃんも美絵子ちゃんが怒るからって怖がっちゃって、もうまったくエッチしてくれないからな・・・。まゆちゃんは桑川と結婚して、子供もいるし。結局俺は、君しか頼る人がいないんだよな・・・他の店で遊ぶ気には、なぜかならんし。ちょうど、性欲もたまっちゃって、毎日、欲求不満気味だったんだ。ここはひとつ、君に甘えてみるか・・・。)




