第211章:『S看護専門学校』(17)
夏休み前の最後の日。
茂たち看護学生は・・・前章で述べたように、矢板市役所前の『矢板市体育館』で、バレーボールの授業を受けていた。
この日、茂は実は、極度の「体調不良」であった。
前の晩、なぜか目がさえてしまい、ほとんど一睡もできなかったのである。
そして、窓を開けてはいたが、昭和時代の古いつくりの体育館は、夏本番の容赦ない「熱気」により、館内は、まるで「蒸し風呂状態」の過酷な環境と化していたのであった・・・。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
そんな状況の中・・・バレーボールのプレイを1ラウンドこなした時点で、茂が床にヘナヘナと座り込んだ。
「杉山さん・・・大丈夫っスか・・・。」
「ちょっとそこの壁に寄りかかって、休みましょうよ・・・ね?」
心配そうに駆け寄り、いたわりの言葉をかける、『前田さん』と『熊田君』。
・・・と、そこへ『野村君』・・・通称「ノムくん」が、鼻歌を歌いながらやってきた。
「♪ へっへっへ~、あ、なっつやっすみぃ・・・なっつやっすみぃ~と、きったもんだ~いっ ♪♪」
やっこさん、オンチな「お歌」歌うだけではなく、よく見りゃ、振り付けもへったくれもない、でたらめな『タコ踊り』までしてござる。
「・・・なぁ、ノムくん。キミはちょっと、不謹慎じゃないか・・・? 見ろよ。杉山さん、具合悪くて休んでんだぞ? ちょっとは慎めよ。」
「お・・・はいはいはい。熊田どの。わがはい、了解でありますッ!」
・・・この男は、とことんダメである。
青息吐息の茂にまったく配慮する気配もなく・・・ひたすら「ご自分の世界」に浸っておられるようだ。
のちにこのカレは・・・定期試験の「前だけ」、茂と熊田君と前田さんにスリ寄って来て・・・なるべく「ラクに」試験をパスしようともくろむ、そんなちゃっかりした、それでいて、どこか「憎めないキャラクター」なのであった・・・。




