第210章:『S看護専門学校』(16)
この看護学校の「一般科目」では・・・体育もあった。
この看護学校の北に、『矢板市役所』があるのだが・・・そこの体育館を、間借りしての授業であった。
それゆえ茂たち学生は、体育の授業のかなり前の「休み時間」から、自転車で・・・あるいは徒歩で、この体育館を目指さなくてはならなかった。
1年時の体育教師は・・・もう名前も忘れたが、比較的若い男性教師。
たぶん・・・当時40歳くらいだったろうか。
色の浅黒い、キビキビした速い歩き方をする、少しマッチョで角刈りの「こわもて」だった。
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ここで茂たちは・・・主に、「バスケ」「バレーボール」「基礎体力訓練(= 反復横飛びなど)」などを教師から指示され、実施していた。
この「バスケ」の際、茂は、ある女子学生と「ちょっとした関係」となる。
まぁ・・・「関係」というほどの大げさなものでもないのだが・・・。
彼女は「田代さん」といい、のちに茂と熊田君は、彼女のことを、下の名前で「さやちゃん」「さやちゃん」と呼ぶようになる。
この「さやちゃん」が、ある日、茂とバスケのチームを組み、彼がボールを取ろうとしていたときのこと・・・。
彼女が、うれしそうにニコニコしながら、たびたび茂の体に、手で触れてきたのだ。
茂のそばにたびたび近づき・・・まだ彼がボールをパスしてもらっていないにも関わらず、彼の腕をそっとつかんだり、胸や肩に手を触れてくる。
(おぉ・・・さやちゃん。キミはもしかして、僕のことを・・・。)
それが単なる「勘違い」だったのか、「女心」に極めて鈍かった、当時の茂の「思い過ごし」だったのかは、今となってはわからないのであるが・・・
ともかくも彼には・・・この「さやちゃん」に関する悪い思い出というものは・・・ただのひとつもない。




