第204章:『S看護専門学校』(10)
茂の在籍する看護学校では、小学校のような『ホームルーム』が朝にあり・・・『委員会活動』というものもいくつかあった。
つまり・・・『図書委員会』『美化委員会』『放送委員会』『保健委員会』といったものだ。
ちなみに・・・『クラス委員長』『学級委員長』といったものはない。
みな、最初は、自分の好きな『委員』を「立候補」する形式で、ある程度決まると、あとはくじ引きで残りの委員が決まる仕組みだった。
これは読者の皆様もそうであると思うが・・・そんな面倒な係なんぞは、誰だってやりたくはないものである。
できれば、何の係にも当たらずに、「平々凡々(へいへいぼんぼん)」と、のどかで楽な学生生活を送りたいに決まっている。
だから、あえて「立候補」などしようという者など、一人もおらず、みんなガヤガヤとして、「なすりあい」に終始していた。
「・・・おまえ、保健委員やれよ。」
「ええ~、やだぁ。だって、誰か倒れたら、運んでいかなくちゃならないんでしょう・・・? あたし、チカラないし、重いの運べないしぃ・・・。」
「放送委員かぁ・・・なにかあるたんびに、いちいち放送するんだべ? ・・・めんどくせーっつーの。なぁ。」
すると、そんなやる気のない学生のグダグダした様子に業を煮やした、担任の『加藤先生』が険しい表情と口調で言う。
「みんな・・・やる気あるの・・・? この学校を、みんなで良くしていくための『委員会』なんじゃない!? もっと気概を持ってよ、子供じゃないんだから・・・。誰も立候補する気がないんなら、私が勝手に割り振って決めちゃうからね。あと5分以内に、誰も自分からやらないのなら・・・。」
先生に尻を叩かれた形の学生たち。
みんな眉をひそめて、しかめっ面をしながら、またガヤガヤと周りの友達と相談し始めた。
「・・・ねぇ、杉山さん。」
新しい友人の『熊田君』が茂に言う。
「ん・・・なんだい、『熊ちゃん』?」
「俺たち、『美化委員』やりましょうよ。」
「あん・・・? なんでまた??」
「だって・・・なんとなく、『ラクそう』じゃないですか。学校ん中って、そんなにいつも汚れてるわけじゃないんだし。」
「んーーー、そぉねぇ・・・。ほんじゃ、それにすっか。」
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・・・このようにして、『美化委員会』には、茂・『熊田君』・『前田さん』・『加藤ユリカさん』の4人が、任に当たることとなったのだが・・・それがのちに、茂たちをあんなに苦しめることになるとは、まだこの時点では、この4人のうち誰も知る由もなかったのである・・・。




