↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

202/246

第202章:茂と里香・・・そして葉子の微妙な関係

 茂との感動的な『結ばれし宵(よい)』を味わった遠山里香は・・・その後は、あまり茂とは会わなくなっていった。


 里香本人の、「美絵子に対する遠慮」というものもあったとは思うのであるが・・・それよりなにより、茂本人の心の中に、まだまだ『中岡葉子』という存在が、亡き美絵子の『忘れがたみ』のような大きなものとして、いまだどっかりと根を下ろし続けている・・・


 里香特有の、鋭く、かつ正確無比(せいかくむひ)な『女の勘(かん)』が、彼女にそう告げていたからでもある。


 茂と里香の関係は・・・電話でもなく、葉子同様、『電子メール』上でのやり取りに次第に変わってゆく。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 看護学生となった茂は・・・この2006年には、中岡葉子と会った記憶は、ほとんどない。


 他の学生のように、アルバイトにいそしむ生活をしていなかった彼は、看護関連の「参考書代」を母からいただく以外、ほとんど「小遣い」がなかったからである。


 つまり・・・『パラダイス キャンパス3号店』の入場料である。


 まさかそれを、里香から借りられるわけでもあるまい。


 ましてや、葉子本人から。


 葉子は、「借りた金は、少しずつ茂に返す」と、茂の母に電話で約束した。


 ・・・しかし、結局、その「約束」が果たされることはなかったのだ。


 そして、次第に茂と葉子は、疎遠(そえん)になっていった。


 当然である。


 バイトなどの収入源の全く無い、貯金もゼロの彼が、『錬金術』よろしく、打ち出の小槌(こづち)で小判を出すような魔法を神様から授(さず)かっていたわけでもなかったからだ・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。