第202章:茂と里香・・・そして葉子の微妙な関係
茂との感動的な『結ばれし宵』を味わった遠山里香は・・・その後は、あまり茂とは会わなくなっていった。
里香本人の、「美絵子に対する遠慮」というものもあったとは思うのであるが・・・それよりなにより、茂本人の心の中に、まだまだ『中岡葉子』という存在が、亡き美絵子の『忘れがたみ』のような大きなものとして、いまだどっかりと根を下ろし続けている・・・
里香特有の、鋭く、かつ正確無比な『女の勘』が、彼女にそう告げていたからでもある。
茂と里香の関係は・・・電話でもなく、葉子同様、『電子メール』上でのやり取りに次第に変わってゆく。
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看護学生となった茂は・・・この2006年には、中岡葉子と会った記憶は、ほとんどない。
他の学生のように、アルバイトにいそしむ生活をしていなかった彼は、看護関連の「参考書代」を母からいただく以外、ほとんど「小遣い」がなかったからである。
つまり・・・『パラダイス キャンパス3号店』の入場料である。
まさかそれを、里香から借りられるわけでもあるまい。
ましてや、葉子本人から。
葉子は、「借りた金は、少しずつ茂に返す」と、茂の母に電話で約束した。
・・・しかし、結局、その「約束」が果たされることはなかったのだ。
そして、次第に茂と葉子は、疎遠になっていった。
当然である。
バイトなどの収入源の全く無い、貯金もゼロの彼が、『錬金術』よろしく、打ち出の小槌で小判を出すような魔法を神様から授かっていたわけでもなかったからだ・・・。




