第188章:里香とのデート(2)
「・・・本当に、素敵な景色よね、茂君。」
「里香ちゃんも、そう思うかい・・・?」
「あたしね・・・この風景が一番、県内では好きなの。」
「僕もね、里香ちゃん同様、前からここは、お気に入りの大好きな場所だったよ。」
ふたりが言うように、ここは、特に観光スポットとなっているわけではなかったのだが、とても見晴らしがよく、都会ではまず見られないような、栃木県が誇る景勝地のひとつであった。
遠くに見える山々をバックに映る、広い河川敷のそこかしこに生えた、林や草むらのコントラストが美しく、宵闇が迫る頃には、その林の向こうに、オレンジ色の太陽が沈んだ後には、うっすらとお月様が見えたりして、非常に幻想的なひとときを提供してくれるのだ。
夏にはここで、大規模な花火大会が行なわれ、県内外から数多くの見物客が詰めかける。
これより北の旧・高根沢町には、『鬼怒グリーンパーク 宝積寺』という、やはり広い河川敷公園があり、農業大学校時代に茂は、何度か里香と共に、そこでデート・散歩したことがあった。
そんなとき茂は・・・しばし、美絵子や理沙のことを忘れ、いっしょに歩く里香のことだけを考えて、ふたりで仲良く手をつなぎながら、公園の大きな池に住みついた「野鴨」親子などの、のどかで平和な様子を眺めたものだ。
いま歩いている、この「道場宿緑地公園」でも、それは同じだ。
不思議なことに、実は里香には、昔からそうした、彼女特有の魅力があり・・・いっしょに彼女と過ごすときの茂は、なぜか彼女といる時間帯には、他の女の子のことは一切見えず、里香のことしか考えられないようになっていたのであった。
そしてもちろん、里香も・・・。




