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第187章:里香とのデート(1)

 「・・・ねぇ、茂君。ドライブしない?」


 里香が電話でそう誘ってきた。


 茂が看護学生としてのスタートを切り、一ヶ月ほどたった、爽やかな5月のある日のことである。


 里香の運転する車は、栃木県宇都宮市にある、『道場宿緑地公園(どうじょうじゅくりょくちこうえん)』に向かっていた。


 その助手席には、茂の姿。


 窓を開けると、適度に乾いた風が、すこし開けた窓の隙間から、二人の肌を心地よくくすぐる。


 (ああ・・・とっても気持ちいい風だなぁ・・・なんだか、眠くなってきちゃったよ・・・。)


 公園に着くと、車を降りた二人は、大きく『伸び』をし・・・ずっと座席に座ったことで固まった筋肉や関節を、思い切り、凝りから解放させた。


 この公園は、鬼怒川(きぬがわ)沿いの河川敷にあり・・・地形的に正確にいうならば、『河(かわ)の中』。


 実際、この公園の、滑り台やベンチ、野球用のバックネットなどの、市の公共遊具や設備が、氾濫(はんらん)した鬼怒川(きぬがわ)の濁流(だくりゅう)に呑(の)み込まれ、重いコンクリートで固定されているはずのベンチが、下流に何百メートルも流されたり、球場の砂が根こそぎ流されたりする被害が、数年ごとに繰り返されてきたのだ・・・。

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