187/246
第187章:里香とのデート(1)
「・・・ねぇ、茂君。ドライブしない?」
里香が電話でそう誘ってきた。
茂が看護学生としてのスタートを切り、一ヶ月ほどたった、爽やかな5月のある日のことである。
里香の運転する車は、栃木県宇都宮市にある、『道場宿緑地公園』に向かっていた。
その助手席には、茂の姿。
窓を開けると、適度に乾いた風が、すこし開けた窓の隙間から、二人の肌を心地よくくすぐる。
(ああ・・・とっても気持ちいい風だなぁ・・・なんだか、眠くなってきちゃったよ・・・。)
公園に着くと、車を降りた二人は、大きく『伸び』をし・・・ずっと座席に座ったことで固まった筋肉や関節を、思い切り、凝りから解放させた。
この公園は、鬼怒川沿いの河川敷にあり・・・地形的に正確にいうならば、『河の中』。
実際、この公園の、滑り台やベンチ、野球用のバックネットなどの、市の公共遊具や設備が、氾濫した鬼怒川の濁流に呑み込まれ、重いコンクリートで固定されているはずのベンチが、下流に何百メートルも流されたり、球場の砂が根こそぎ流されたりする被害が、数年ごとに繰り返されてきたのだ・・・。




