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第178章:釈放

 茂は・・・世相の現実と余罪追求など、もろもろの事項が重なり、20日間の長きに渡り、勾留された。


 その間、土日・祝日など、警察署が『面会』を許可しない日を除き・・・遠山里香は、ひたむきに、毎日同じ時間に茂と面会し・・・そのたびに、お菓子やつまみものを差し入れてくれた。


 そしてもちろん、心のこもった、『愛と励ましの言葉』も・・・。


 こうして彼は、母が差し入れてくれた、夏目漱石の書籍と、里香の献身的とも言える、連日の『面会』・・・そういった、有形無形の『愛の強さ』に支えられ・・・ようやく「釈放」の日を迎えた。


 「略式起訴」で、罰金30万円・・・それが、茂に課された刑罰であった。


 そして、地方新聞に載せられたことによる、「社会的制裁」。


 このあとの人生において、ある時期まで彼は、この「社会的制裁」という、厳しすぎる現実と、嫌というほど向き合い、戦うことになるのだが・・・ひとまずは、これで「社会復帰」の第一歩というものを、踏み出すことができたのである。


 裁判所から出てくる茂を、優しいまなざしで迎える母・・・そして、ずっと連日『面会』に来てくれ、いま、こうして茂を強く・・・本当に強く、あたたかく抱きしめる、遠山里香。


 そして、そんな3人が流す涙・・・。


 しかしそこには・・・『中岡葉子』の姿は、どこにもなかった・・・。

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