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第175章:獄中の茂(10)

 その2日後・・・。


 「・・・3番、面会だ。」


 刑務担当の警官が、茂に告げる。


 「え・・・? うちの母ですか?」


 「ん・・・いや、違う。けっこう若い人・・・3番と同年代じゃないかな、見た目で言うと。」


 茂は、実はこの留置場では、『杉山』ではなく、このように、『3番』と呼ばれていた。


 (俺と同じような年代・・・あ、ひょっとして・・・葉子ちゃん?? 彼女、やっと会いにきてくれたのか・・・。)


 喜び勇んで『接見室』に入った茂が目にした面会人・・・それは、中岡葉子ではなく・・・あの『遠山里香』であった。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 「・・・里香ちゃん!」


 「茂くん・・・。久しぶり。元気だった・・・?」


 「おぉ~、里香ちゃん。14年・・・14年ぶりじゃないか!?」


 茂と里香は・・・1991年11月の『農大祭(のうだいさい)』で別れて以来、実に14年3ヶ月ぶりに再会したのである。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 里香は、14年もの年月が経っているというのに、何一つ変わっていないようだった。


 もともと彼女は・・・小学生の頃から、どこか「大人っぽい雰囲気」があったので、成人しても、それほど見た目が大きく変化するということがなかったのである。


 まぁ・・・体の『中身』自体については、もちろん、年齢相応の『衰え』というものはあったはずなのだが・・・。

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