第167章:獄中の茂(2)
茂は、自分がこうして、最後は警察のご厄介になってしまった理由・原因を、冷静になった頭で考え始めていた。
一度ならず、時をおかずに幾度となく女子高生たちに『ご開チン』したのは、まぎれもない事実。
そして、そのいまわしく、恥ずかしい行為をしたのが、他でもない 自分自身だというのも、また事実。
極めつけは・・・彼が憎み、忌み嫌っていた、かつての上司や先輩・・・すなわち、『武村久夫』『鈴本睦雄』『関谷』『戸部』・・・こういった、最低の「クズども」・「天敵ども」未満の、社会的にも劣る、性犯罪者に成り下がってしまった情けない自分がここにいるという、重い重い事実・・・。
(俺はとうとう・・・落ちるところまで落ちてしまったんだな・・・。)
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茂への「取調べ」は、苛烈を極めた。
というのも、当時、T県では、ある凶悪犯罪が「未解決事件」として注目され、TVのワイドショーでも、たびたび取り上げられていたからだ。
・・・そう。
T県旧今市市(現・日光市)の小学1年生・吉田有希ちゃん(享年7)が殺害された事件である。
きっと、読者の皆様の中には、いまだ、この事件をご記憶の方も多いことと思う。
T県警は、威信をかけてこの事件を捜査し・・・今回逮捕された茂も、その事件の重要な「容疑者候補の一人」として、警察にマークされていたのだ・・・!
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茂は、この『吉田有希ちゃん事件』について、もちろん知っていた。
だから、尋問官が言った、次の言葉が「お前も、その事件の容疑者候補になっているぞ」、と言う意味を示唆しているということを十分自覚していた。
「ところで杉山さんよ・・・あんた、『眼鏡の女の子』は、好きかい・・・?」
亡くなった少女『吉田有希ちゃん』は、生前、眼鏡をかけておられたのだ・・・。




