↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

167/246

第166章:獄中の茂(1)

 署に連行された茂。


 さっそく、取調室での尋問が始まった。


 「・・・じゃあ、これから『調書』取っからな。正直に答えるように。いいか、ウソはつくんじゃねえぞ。『偽証罪』のオマケもついちまうからな。」


 茂は、自分の出身地、家族構成、年齢、生い立ち、これまでの職歴、今回の犯行に至った「動機」・・・こういった、もろもろの「基本事項」の確認を取られ・・・やがて、詳しい犯行の様子も、供述することに。


 「・・・なるほどな。ここでおまえは、『陰茎(いんけい)』を露出して、女子高生に向かって、小便したと・・・これで間違いないんだな??」


 「はい・・・。」


 うなだれながら、尋問に素直に答える茂。


 灰色の机と椅子、尋問の刑事が入力するパソコンの他は、いっさい無い、殺風景な、灰色一色の狭い部屋。


 ふと彼が気づくと・・・向かって左の壁に架かっている、いわゆる「マジックミラー」越しに、誰かの人影が動くのが感じられた。


 ・・・『面通(めんとお)し』だ!!


 刑事ドラマをよく視聴していた彼は、すぐに気づいた。


 そのマジックミラーの向こう側には、おそらく、被害者の女子高生が、「犯人確認」のために呼ばれ、取調べを受ける茂の顔を、隣の部屋から確認しているのだろう。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 取調べが終わると、彼は、自分の持ってきたパジャマに着替えるようにと命じられた。


 ただし、このとき、パジャマのズボンにある、『しばりヒモ』を抜き取るように言われた。


 ・・・自殺防止のためである。


 過去にはここで、隠し持ったヒモで首を吊る者もいたらしい。


 その後、複数の写真と指紋、DNAサンプルまで採取され・・・彼は、留置場に入れられ、鍵をかけられた。


 この留置場は・・・実は、房の外の警察官からは全部は見えないように、鉄格子(てつごうし)の真ん中あたりが、プラスチック製の板で隠され、そこだけ外からは見えないようになっていた。


 収容者の、最低限の「プライバシー」に配慮した構造であった。


 部屋は、四畳ほどの広さで、奥にトイレ。


 窓にも、鉄格子(てつごうし)がはめられていた。


 そして茂は、次の「取調べ」の時間が来るまで、畳にゴロンと横になり、自分の今日までの人生を・・・歩んできた道のりというものを、ぼんやり考えるのであった・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。