第160章:打ち砕かれた甘い幻想と・・・そして厳しい現実
茂は、突然の脈絡のない、葉子の『相談事』にとまどい、途方に暮れながらも、「なんとかしてみる」と、彼女のために精一杯の返答をした。
すると葉子は・・・またにっこりと微笑んで、こう言った。
「じゃあ、しげちゃん。そろそろ、店出よっか・・・・」
「え・・・? なに言ってんだよ。まだ入店して、20分しか経ってないじゃんか。」
「でも・・・さっきも言ったとおり、あたし、すぐに『10万円』要るんだ・・・。しげちゃんも、『なんとかしてみる』って言ってくれたじゃん??」
「そうだけどさぁ・・・せっかく、僕ら、初めて『デート』・・・」
「あ・・・すいませーん。『お会計』お願いしまーーす! しげちゃん、ここはあたしが払っておくから、先に駐車場で待っててよ・・・ね?」
「えっ? あ・・・ああ。」
茂は、まだわけがわからないまま・・・食べかけの『カッパ巻き』をそのままに置いて、駐車場へ。
(あのさぁ、葉子ちゃん・・・ここでの会食って・・・僕たち二人の『デート』じゃなかったのかよ・・・? それに、なんだ『すぐに10万円用意しろ』って・・・。どういうことなんだ、これは??)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
・・・ふたりがまた合流すると、葉子は、たったひと言、茂に告げると、いそいそと、ひとり、近くのバス停へ。
「・・・しげちゃん、お金用意できたら、すぐにあたしに電話して。あたし・・・ずっとしげちゃんからの電話、待ってるからねぇ。」
そういい残し、彼女は、バスが来ると、ニコニコしながら茂に手を振り・・・そそくさと乗車すると、いずこへ消えていった。
・・・あとに残されたのは、いまだ『キツネにでもつままれた』表情で、なかば『放心状態』の茂が、阿呆のようにたたずむ姿。
(このあとの『デート』は? 『ドライブ』は?? 『遊園地』は??? 『ホテル』わぁ???? いったい、どこへどう消えちまったんだぁあああ!?)




