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第151章:冷めてゆく葉子

 茂が『吉野工業所』を辞めるころ・・・『パラダイス キャンパス2号店』においての、茂と葉子の関係にも、微妙な変化が生じ始めていた。


 茂は、葉子と再会してほどなく、彼女から「連絡先の携帯番号」を教えてもらっていたのだが・・・うれしさのあまり、彼が連日、マメに電話してしまったということもあり、次第に電話に出なくなり、留守電に切り替わっていることが多くなった。


 普段は、「ホステス」として、『パラダイス キャンパス』で働く彼女にも、当然のごとく、『私生活』というものがある。


 親と離れて一人暮らしだった彼女は、食事の準備、洗濯、買い物、部屋の片付け、掃除・・・といった、彼女自身の「日常業務」があったのだ。


 それに・・・いつもいつも、茂からの電話を心待ちにしていたわけもなく、寝転がってTVも観たいし、好きな音楽だって聴きたい。


 そういった、いわば「常識」「配慮」という部分が、その当時の茂には欠けていた。


 それが葉子には、『ちょっと、この人は・・・』となる要因だったのかもしれない。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 4月のはじめごろには、毎回、「はい・・・。あ、しげちゃん、おはよう・・・」といった感じで、うれしそうに電話に出てくれていた葉子だったが・・・


 あることをキッカケに、まったくといっていいほど電話に出なくなり・・・2000年6月~2005年9月までの実に5年もの間、一度も茂は、彼女と電話で会話したことがなかった。


 すべて「留守電」に切り替わっていて、彼は、むなしくメッセージを残すのみだったのである。

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