第136章:まゆみの新たなる旅立ち
多賀子と別れた茂に、またしても「別れ」がやってきた。
小山市の『セブンスター』に勤めていた、柳原まゆみとの別れである。
この日まゆみは、3年間務めたこの店を卒業し・・・新たな人生をスタートさせようとしていた。
まゆみは、読者の皆様も知るように、シンナー吸引の影響で、すべての歯を失い、『総入れ歯』となっていた。
それがかえって、結果として『究極のサービス』を生むことにつながり・・・まゆみは、この店の「人気ナンバーワン嬢」として、多くの客から重宝され、愛され、大切にされた。
茂が彼女から聞いた限りでは、無理な要求をしてきたり、暴力を振るう客は、3年の間、ただのひとりもいなかったそうだ。
また、まゆみと話すうちに、まゆみの中にいまだ「桑川」が大きな存在として居座っていることにも気がついた。
まゆみにとって桑川という男が、茂同様・・・いや、あるいは茂以上に自分を魅了し、大切な存在となっていたことに、彼女自身が気づいたのであった。
茂にはない、「ワイルドさ」「無骨で荒々しい優しさ」という、桑川だけが持っている魅力に、彼と長らく離れてみて、初めて気づいたのであろう。
そんなまゆみの様子をずっと見つめてきた茂は・・・悩みに悩んだすえ、桑川に、いまのまゆみの現状というものを包み隠さず打ち明け・・・自分とまゆみの「新たな関係」まで暴露してみせ、彼の反応を待った。
桑川は・・・茂がにらんだとおり、やはり、本物の『漢』だった。
茂がまゆみに3年も「生尺サービス」を受けてきたというのに、桑川の心は、ビクともしなかった。
連絡を受けて飛んできた桑川は、『セブンスター』の駐車場で待つ茂にひと言礼を告げると、飛び込むように店のドアをくぐった。
「まっ・・・まゆみぃいい!!」
(桑川・・・今度こそ、まゆちゃんを大事にしてやれ。・・・まゆちゃん、あいつなら・・・今のあいつなら大丈夫。きっと死ぬ気でまゆちゃんを守ってくれるからね。さよなら、まゆちゃん・・・本当に楽しかった。幸せつかんでね。桑川・・・よろしく頼んだぞ・・・。)




