第127章:今宵、ダブルの再会(1)
まゆみにしばしの別れを告げた茂は・・・さっそく彼女への「夕飯」を買いに、店の隣の『初寿司』へ。
店内には、向かって右にカウンター、左手には、開けっ放しの畳の座敷に、団体の若い男女が雑談している様子が、ちらっと見えた。
「・・・ヘイ、らっしゃい!!」
威勢のいい掛け声が、明るく彼を迎える。
茂は、はげ頭の、ここの店主らしき年配男性に、さっそく注文した。
「えーーと、『マグロの赤身』5貫と、『甘エビ』5貫・・・それに、大き目の『卵焼き』もひとつ・・・。あ、これとは別に、『カッパ巻き』10貫お願いします。」
「あいよっ! 少々、おまちっ!!」
茂は、まゆみに持っていくネタに加えて、卵焼きもつけてあげた。
(まゆちゃん、きっと喜ぶぞ・・・。卵焼き、嫌いな子って、あまり聞いたことないからな。やわらかいから、まゆちゃん、食べやすいだろうし・・・。カッパ巻きは、僕の分だよ、まゆちゃん。)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
茂が、『おみやげ』の出来上がりを待っているとき、それとはなしに、なんとなく座敷の団体を見ると・・・私服で楽しそうに雑談する男女の中に、どこかで会ったことがあるような女性がひとり、混じっているような気がした。
(あれぇ・・・? あの中の女の人・・・どこかで会ったことがあるような、ないような・・・。)
茂は、ぼんやりとその女性の動きをしばらく目で追っていたが・・・やがて、その人が誰か、気づいて、ハッとなった。
(・・・葉子ちゃん!?)




