122/246
第121章:風俗店『セブンスター』(3)
「・・・まゆちゃん!?」
「茂さん・・・??」
「いったいどうして君がこんなところに!?」
「・・・・・・。」
ふいに現れた、かつての友人、『柳原まゆみ』が、この店の「制服」を着て、暗い通路にたたずんでいた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「・・・ねぇ、まゆちゃん。いったい、何があったんだ? なんだって、この店に・・・。」
「あたし・・・親に『勘当』されちゃったの。もう、実家には戻れないわ。他に仕事にも就けなくて・・・それに・・・。」
「それに・・・?」
「桑川さんとも、ケンカ別れしちゃったし・・・。もう、行くあても、頼るあてもなかったのよ。」
「その件については、僕も桑川から聞いていたよ。・・・まゆちゃんも、いろいろあったんだね。僕もだけどさ・・・。でも、どうして勘当なんかされちゃったの? よかったら、事情を話してくれないか?」
「あたし・・・『アンパン』やっちゃったのよ。」
「『アンパン』・・・アンパン・・・エッ!? それって・・・。」
「シンナーよ。それであたし・・・どうしてもストレスで・・・それがやめられなくって・・・ほら、見てよ、茂さん・・・。」
「うわっ!!」
そうして『入れ歯』を抜いた彼女の口の中には・・・ただの1本も、歯が無かった・・・。




