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美少女恋愛ゲームに異世界転生したのに攻略対象(チョロイン)だったんだが!?  作者: 萌奈菓


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第8話 騒動のその後と新たな噂

双子と俺が起こしてしまった騒動から休日を挟んだ翌週、それぞれに沙汰(さた)が下された。


まずローズ&マリー姉妹は、バールナー辺境伯家の子息を陥れる様な発言をし、学園内で暴力を行ったとして2週間の停学処分となった。


(手を上げてないローズも一緒の期間って事は、マリーを止められなかった連帯責任なんだろうな)


そして俺は被害者と言う立場だが、大声で言い返して双子を逆上させ、騒動を大きくしたとして学園への反省文の提出。

そして学園から伯爵家へ報告されると言う、寮暮らしの生徒からしたら遠い地で子供の身を案じている両親を心配させてしまう一番キツい仕置を受けた。


(リリアを厳しくも大切に育ててくれてたのに、申し訳ない事をしてしまったな)


ヴィルティスを庇った事は後悔していないけど、もう少し考えて行動すべきだったなと反省しながら、反省文と両親へ『自分は大丈夫だから』と、せめて安心させられるように手紙を書くのに時間を費やし、俺の寮生活初めての休日は終わってしまった。


(これからは両親を心配させないように、静かな学園生活を送らなければ)


そんな意気込みと共に登校すると、待っていたのは複数の好意的な眼差しだった。


(あっれぇ〜?)


何で皆キラッキラした瞳で見てくるの?

何かちょっと頬赤らめてる子も居るし…。

俺、被害者とは言え問題を起こした一人だよな?


戸惑っていると、ヴィルティスの姿を見付けたので声をかける。


「ヴィル様、おはようございます」

「おはようリリア、注目の的だね」


注目の的?ヴィルティスは何か知ってるのか?

どういう事か聞こうとすると、きゃあ!と黄色い声が上がる。


「聞きまして!? お互いの呼び方が変わっていますわよ!?」

「前は『ヴィルティス様』と『リリア嬢』でしものね!」

「素敵……」


……何これ?どういう状況?

ヴィルティスに視線で尋ねると理解ししくれたのか、「教室に行きながら話そう」とその場から離れる事を提案してくれた。


「まぁ見ての通りだけど、君は今ちょっとした有名人になってるんだ」

「それは…問題を起こした人って意味ではなさそうですね」


見るからに好意的な印象だったもんな。

俺の言葉に頷いて、ヴィルティスが説明を続ける。


「ゲイルが教えてくれたんだけど、悪意ある噂に困っている友人を助ける為に、たった一人で立ち向かった勇敢なご令嬢って広まってるみたいだよ?」


まぁ間違いではないね、と困った顔で笑うヴィルティスにげんなりしてしまう。


(いや何か、美談にされてるなぁってか)


「私とヴィル様が挨拶しただけなのに、あんなに盛り上がっていたのは…?」


「あ〜まぁ俺達の事を、そういう(・・・・)目で見てる人も居るみたい」


い〜〜や〜〜!!

ってかヴィルティス、言い辛い事を言わせてごめん!

つまり俺達が、その、恋仲って思われてるのか!?

ならさっきの、呼び方が変わっただけで過剰に反応してたのも頷ける!!


(どこの世界も女の子は恋バナが好きだねぇ)


現実逃避しながら遠い目をする俺に慌てて「大丈夫!人の噂ってそんなに長く続かないから!ね?」ってフォローを入れてくれる。


そうだよな!人の噂も七十五日って言うもんな!


「すみません、ちょっと衝撃が強くて…悪い噂でもないですし普通にしていたら直ぐに落ち着きますよね

そう言えば、ヴィル様の噂の方は大丈夫ですか?」


ここは話題を変えよう!


「バールナー辺境伯家がこの件を知る事態になったからね、停学処分の生徒が出たのも相まってピタリと止んだよ、それに…」

「それに?」

「リリアが大勢の生徒の前で啖呵を切った事も響いたんだと思う」


(確かに周りに聞こえる様に言ったもんな、少しでも噂を止める効果があって良かった)


因みにゲームでは、主人公(ヴィルティス)が順当に成績を上げ、学園でヒロインと共に成長する事で周囲から認められ、噂や言いがかりを払拭していく感じだけど…。


(リアルだと余りにも酷過ぎて、早めに収めたかったんだよな)


「少しでもお力になれたのなら良かったですけど、ご実家の方は大丈夫でしたか?」


家族に厄介者扱いされてるから、この件で更に悪化してないか聞いてみると、大丈夫だと返される。


「リリアが言ってくれてたように、俺自身が何かした訳じゃないからね、それにゲイルが父上に直接報告と証言をしてくれたから」


成る程、侯爵家の証言がある以上、辺境伯家もこの件でヴィルティスを責める事はないのか。


「俺よりもリリアは良いの?双子の停学期間を短くして」

「平手打ちされたのは、私が大声で反論して逆上させてしまったのもありますし、停学の記録が残るだけでも彼女達には痛手でしょうから」


停学の期間は最初は1ヶ月だった、でも俺が逆上させてしまったのも要因だと言って期間の短縮を願い出たんだ。


(別に双子に対して良心の呵責があったからじゃなくて、嫌がらせに近いかなぁ)


今まで馬鹿にしてたリリアから反撃を受けて停学ってだけでもダメージがデカいのに、更に恩情をかけられちゃあプライドもズタボロだろうからな。


それに停学って記録は学園に残る。

これで双子が復学して来て、もし再び問題を起こそうもんなら今度こそ長期間の停学が最悪退学になるから、もう俺達に絡む事はないだろう。


(それじゃあ一先(ひとま)ずこの件は終わったかな、ちょっと俺が注目の的になったり、ヴィルティスとの恋仲の噂はあるけど…)


この二つは時間と共に風化して行くだろう。


(よしっ!気分を変えていこう!今日は待ちに待った魔法の授業が始まるし)


(勿論だが)前世を含めて初めての魔法に心を躍らせながら、ヴィルティスと共に教室へ向かった。

いつも読んで頂きありがとうございます!

ブックマークとリアクションもすっごく嬉しいです。


魔法の授業直前ですが、次回はヴィルティス視点で少し時間を遡ります。

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