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美少女恋愛ゲームに異世界転生したのに攻略対象(チョロイン)だったんだが!?  作者: 萌奈菓


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2/17

第2話 希望した人物と違うんですけど!?

「お嬢様?リリアお嬢様?」


メイドのレミーナの声にハッとする。

どうやら読書に夢中になってたみたい。


「ごめんねレミーナ、どうしたの?」

「旦那様と奥様がお呼びです」


そんな私の様子に微笑みながら答えてくれる。

お父様とお母様が?

(何かあったかしら?)


そう思いながらレミーナの案内で二人の待つリビングに向かった。


「おぉリリア!お前に良い報せが来たぞ」


お父様に促されて二人の正面のソファに腰掛ける。

良い報せ?


「実はな、王立魔法学園から試験合格の案内が届いたんだ」

「本当ですか!?」


思わずソファから立ち上がった。

私たちが暮らすフォマーレ王国にある王立魔法学園、魔力を持つものなら誰しも憧れる最高峰の学び舎だ。

試験は魔力測定と筆記テスト、面接と3項目を受け精査させる。


(緊張したけど上手く出来たのね!)


「ふふっリリアったら、嬉しいのは分かるけどけど落ち着きなさい」

「すっすみません…」


苦笑しながらお母様に注意されて慌てて座り直す。


「良く頑張ったな、入学は半年後だからしっかり準備をしなさい」

「嬉しい反面寂しくもあるわねぇ、ここから王都までは遠いから寮生活になってしまうもの」

「ありがとうございます!私も寂しさはありますけど、私自身の為そしてティエラ領の為に頑張ります!」


お父様から手渡された『入学の案内』を受け取りながら新たに決意する。

フォマーレ王国の象徴であるグリフォンの後ろに、2本の杖がクロスされた学園の紋章が描かれた表紙が目に入った瞬間。


(あ…れ…?)

「痛…い」

キィンと高い金属音がしたと思ったら、次々にここ(・・)にはない記憶が頭の中に流れ込む。


『よっしゃ!クリア〜!』

『すみませ〜ん!眷属の召喚座標を間違えてしまって〜』

『そちらのゲームの世界ですね!』

『それでは行ってらっしゃ〜い!』

『アトラクションか!』


(私…私…()は!?)

「リリア!リリア大丈夫!?」


ハッと声のした方を見るとさっきまで話してた『リリアの両親』がこちらを心配そうに見つめている。


(とにかく今は一人になりたい!)

「すみません頭が痛くて…少し自室で休みますね」


人を付けるかと進言してくれる二人に大丈夫だからと断りを入れ、自室に戻ってしっかりと扉を閉める。

そして壁際に立て掛けられた全身鏡に恐る恐る自分の姿を映すと…。


「何で…何で俺がリリアになってるんだ!?」


リリア・サルヴィーニ。

『恋と魔法のハピネスストーリー』の攻略対象の一人

に俺は転生したらしい。


(何でだよ!? 俺は主人公を希望したはずなのに!

何やってんだよあの女神は!?)


扉は閉めたけど叫びまくったら流石に聞こえてしまうかもしれないと、心の中で絶叫する。


(確かに俺は主人公を指差した、けどリリアになってたって事はもしかして)


ある程度(心の中で)叫んで少し落ち着いてきたので、どうしてこうなったのか最後の記憶を思い出す。

事故で喉が潰れた上に脳内で会話出来ないタイプの女神だったから、パッケージの主人公を指差した…けど。

目がかなり霞んでた上に、指先も震えたから間違えて主人公の横に描かれてたリリアを指してたかもしれない。


(もしくはあの女神が見間違えた可能性もあるけど、男なんだから『女性ですけど大丈夫ですか?』ぐらい聞いてくれよ!)


もうアホ!これからあの女神の事はアホ女神って呼ぼう!どうせ聞こえちゃいないだろうし。


(しかしこれからどうしようか?リリアとして生きて行く訳だけど、将来的には結婚しないと駄目だよな?

リリア一人っ子だし…え〜?()が男と結婚するの〜?)


子作りとか…うわ〜考えたくない!

ぐるぐると考え込んでいると、扉がノックされてレミーナが入っても大丈夫かと伺ってきた。


「大丈夫よ入って」


慌てて全身鏡からベットへ移動して座ってから声をかける。


「失礼します。頭痛に効くハーブティーをお淹れしましたけど飲まれますか?」

「ありがとう頂くわ、レミーナにも心配かけちゃったわね」


カップを受け取り一口飲んでから微笑んでみせる。

後で両親にも顔出さないと、だいぶ様子が可怪しく見えただろうし。


「リリアお嬢様、顔色が良くなったみたいですね」

「もう頭痛も大丈夫みたい、後少しだけ休んだらお父様たちの所に戻るわね」


カップを片付けたレミーナを見送った後、ボフッとベット倒れ込み一息つく。


(普通にリリアの口調で喋れてた、何ならレミーナは『恋ハピ』に出てなかったのに何年も前からリリアの記憶にある)


口調だけではなく、足を広げずに姿勢良く座ってたり、カップを持つ所作も完璧だった。


(これはリリアが15年間サルヴィーニ家の令嬢として育てられた記憶のおかげなんだろうな)


前世()の記憶が戻ったけど、今世(リリア)の記憶が失われた訳じゃない、心と身体にしっかり刻まれている。


ベットから起き上がり、もう一度鏡の前に立つ。

ミルクティー色の髪に蜂蜜色の瞳の女の子。

アホ女神のせいで大変な事になったし、将来の事は不安だらけだけど、せっかく大好きなゲームの世界に転生出来たんだ。


「こうなったら楽しんだ方が良いよな?」


リリアに似つかわしくないニヤッとした顔で呟く、取り敢えず今は半年後の入学準備をしなければ!


よしっと気合いを一つ入れて、両親の待つリビング再びへ向かう事にした。

前作の閲覧、ブックマークして頂きありがとうございます!

プロローグが終わって、次回から学園生活そして『主人公』の登場です。

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